こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力とあの映画というテーマで

 

アメリカン・ラプソディ(2001)

(原題:AN AMERICAN RHAPSODY)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

ハンガリー人によるアメリカン・ラブソディ

 

本作の原題は邦題とほぼ同じ「AN AMERICAN RHAPSODY(アン・アメリカン・ラプソディー)」

 

ですが邦題の「アメリカン・ラプソディー」に「アメリカ製(アメリカっぽい)ラプソディ」という意味を感じさせるのに対し、原題は「AN AMERICAN(アメリカ人)RHAPSODY(ラプソディ)」という意味!!

 

ですが本作で描かれている家族は、アメリカ人ではなくハンガリー人なのです!!

 

↑映画の冒頭は、ソビエト連邦の傘下にあった

 独裁政権のハンガリー人民共和国が舞台!

 …なんでこれがアメリカ人のラブソディなのあせるあせる

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

エヴァ・ガルドス監督の実体験を基に作られた真実のドラマ。

政治的圧力から逃れハンガリーからアメリカへ渡った家族と、国に残された幼い少女の成長と絆を描く。

『ロスト・イン・トランスレーション』のスカーレット・ヨハンソンがエヴァの役を熱演。
監督・脚本:エヴァ・ガルドス 製作総指揮:ジェイ・ファイアストーン 撮影:エレメール・ラガリイ 音楽:クリフ・エデルマン 出演:スカーレット・ヨハンソン/ナスターシャ・キンスキー/ラファエラ・バンサギ/トニー・ゴールドウィン

 

はい。
 
解説にもある通り、本作はハンガリーから亡命してアメリカ人となったエヴァ・ガルドス監督の実体験を映画化したもの!!
 
 
1950年に生まれたエヴァ・ガルドス(劇中の役名はジュジー=米国名ではスーザン)は、1949年に誕生したソビエト連邦の衛生国だったハンガリー人民共和国に生まれますが、国の先行きを危ぶんだジュジーの父母は亡命する事を決意!!
 
裕福な家だったジュジーの父母は、裏ルートを使ってハンガリーから脱出し、アメリカに亡命を果たす事ができたのです!!
 
↑密出国をするためにブローカーを買収し
 ほぼ身一つで脱出に成功したエヴァの父母!!
 
 
 
という事は、幼いジュジーも父母と一緒にアメリカに亡命できたの?
 
いいえ。
 
 
まだ赤ん坊だったジュジーは、有刺鉄線を超えて国境を超える事は不可能だったため、祖母の手で別ルートで越境させる予定だったのですが、全く誠意が感じられないブローカーに不信感を抱いた祖母は、ジュジーを出国させる事がなかったのです!
 
↑ジャガイモの袋に赤ちゃんを入れて
 国境を超えるという女性ブローカーでしたが、
 赤ちゃんの靴が落ちても気づきません!
 こんな人に可愛い孫は預けられないわむかっむかっ
 
 
 
その後、ジュジーの父母が失踪した事を知った政府によって祖母が強制収容所に送られてしまい、ジュジーは子供のいない農家の夫婦に預けられ、その家の子供として育てられる事となったのです!
 
↑既に大きかったジュジーの姉は
 父母と共にハンガリーから脱出できましたが…
 
↑ジュジーは農家の娘として育てられたのです!
 
 
 
 
 
…ジュジーかわいそうあせるあせる
 
 
 
いえいえ。
 
事情を全く知らされていなかったジュジーは、育ての親に優しく育てられ、ハンガリー人として楽しい毎日を送っていたのです!!
 
↑メチャメチャ幸せそうなジュジー!
 
 
ですがアメリカに渡った父母は、何としてもジュジーを取り戻したいと奔走し、遂には強制収容所から出所した祖母の協力の元、6歳になったジュジーをアメリカに亡命させる事に成功させます!!
 
 
ただし、この亡命作戦はジュジーの育ての親にも秘密だったため、ジュジーは本当の父母だと思っていた夫婦と強制的に引き離され、全く知らない本当の家族と、知らない国アメリカで暮らす事となってしまったのです!!
 
↑お父さんの作ってくれた自転車に乗る事もなく…
 
↑あの人たちが本当のお父さんお母さん…なの?
 
 
 
 
さて、ハンガリーの農家の娘として楽しく生きて来たジュジーは、アメリカで本当の家族と、どのような生活を始めたのでしょうか?
 
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
 
↑ハンガリー少女だったジュジーは、
 アメリカ少女のスーザンとなれるのでしょうか?
 

 

 

作品をお楽しみ頂くヒント

 

本作は監督の実体験を基に作られた作品ですので、軽々にジュジーの心情を解説するのは僭越だと思うのですが、ハンガリーの少女としてアイデンティティが確立していたジュジーにとって、アメリカは“知らない土地”であり、本当の親も“見知らる人たち”でしかありません。

 

 

なぜ自分は育ての親を別れなければならなかったのか?

 

なぜ自分は父母が亡命した時に連れて行ってもらえなかったのか?

 

そもそもハンガリーで暮らして何がいけなかったのか?

 

 

 

納得できない感情が心の中でくすぶり続けたジュジーは母親に対して反抗的に接するようになり、家族が一つになれるよう心を尽くして来た母親をひどく悲しませる結果を招きます…

 

↑反抗ばかりするジュジーを家に監禁する母。

 また子供の時のように私の意思を無視して

 考えを押し付けようとすると激怒するジュジー!

 

 

 

そう。

 

自分の想いというものは、他者に理解してもらえるとは限らないもの!!

 

 

 

2人が相手の本当の気持ちに気づけるようになるためには、相手の意思を理解した上で、意思を尊重するという経験を必要とするのだと思われます…

 

↑お互いの想いを理解しようとしないなら

 待っているのは悲惨な結末です…

 

 

 

本作の原題は「アン・アメリカン・ラプソディ」。

 

ラプソディ(協奏曲)とは、民族的な想いが込められた楽曲の事ですので、本作で言うラプソディとは、移民の国アメリカ住む、祖国を持つアメリカ人たちの心の中で奏でられている故郷への想いの事ではないかと思います。

 

↑アン・アメリカン・ラプソディで流れる曲は

 それぞれの人の故郷を想うメロディではないでしょうか?

 

 

尚、本作のエヴァ・ガルドス監督は、その後脚本家として多くの作品を発表していますが、彼女が監督を務めた長編作品は2021年現在、本作を含めて4作品だけ。

 

そのうちの1作品はハンガリーの首都ブタペストを舞台にしたミステリーであり、もう1作品は養子縁組によって別れ別れになってしまう親子の物語になっているようです(どちらも日本未公開作品)。

 

↑「ブタペスト・ノワール(未)」は

 彼女の故郷ブタペストを舞台にしたサスペンス!

 

↑もう一作の「Too Young to Be a Dad」は

 15歳で出産した父母と強制的に別れさせられ

 里親に出された子供の話。

 

 エヴァ・ガルドス監督のアン・アメリカン・ラプソディとは

 故郷ハンガリーの思い出と

 親との離別した寂しい気持ちなのだと思います…

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

OH! アメリカン・ドリーム

というテーマで

 

アメリカン・ドリームズ

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆