こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と発掘良品の発掘⑬というテーマで
読書する女(1988)
(原題:LA LECTRICE)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
本作は、とりとめもない展開の映画ですので、起承転結がハッキリしたストーリーがお好きな方にとっては、観終わった後、モヤモヤとした感覚になるかもしれない作品!
ですが世の中というものは、どんな事にも明快な答えがあるとは限りません!!
本作は、子供が不思議の国のアリスを読んで、ふわふわとした不思議な気持ちを楽しむのと同じような感覚で観終わった後、読書の楽しさを再認識できる、大人のための不思議の国のアリスのような作品なのです😘😘😘
↑ミュウ=ミュウと一緒に不思議の国パリを冒険しよう!
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
「本を朗読することが職業の女性」と書いてありますが、実際にそんな職業がある訳ではなく、これは主人公のコンスタンスがふと思いついた、自分ができるかもしれないと考えた仕事のイメージ!
「読書する女」という本を出版したコンスタンスは、恋人のジャンから「君の美声で朗読してくれ」とせがまれ、ベッドの中で本の朗読を始めます。
↑「嬉しい!私の本を読んでくれていたの?」
「もう目が疲れたから、君の美声で朗読してよ!」
コンスタンスが話し始めたストーリーは、彼女とそっくりのマリーという女性が、自分の美声を生かした仕事をしたいと考え「若い女性が自宅に朗読に伺います」という新聞広告を出すというストーリー!
↑友達と話していて「朗読者」という仕事を思いつくマリー
広告代理店の人は、電話番号まで公開した新聞広告を掲載するのは危険だとマリーに警告しますが、どんな人が自分に仕事を依頼するのかを想像するのも楽しもうと考えていたマリーは、彼女の依頼通り新聞に掲載するよう依頼し、その結果、何人かの人から仕事の依頼を受ける事になります。
↑「女性の方が電話番号まで公開するのは危険です」
「大丈夫よ。このまま掲載して😉😘」
彼女に読書を依頼してきた人のタイプは様々!!
半身不随で車椅子生活を送っている青年、ロシアからの亡命してきた裕福な老夫人、マルキ・ド・サドの煽情的な小説を読ませようとする年老いた判事、お母さんが仕事で忙しく本を読んでもらえない6歳の女の子、そして、1年前に離婚し、新しい出会いを求めていた孤独な実業家!
↑シャイな青年緑のエリックには、モーパッサンの短編。
ドキドキする内容は、エリックに行動する勇気を与えます!
↑サドのSMを読ませようとする老判事!やれやれ😟
↑「戦争と平和」で昔の思い出が蘇る老婦人!
↑「不思議の国のアリス」が好きなコラリーは
本よりも、話し相手が欲しいみたい…
↑「愛人(ラ・マン)」を読んでもらう中年実業家は
マリーの声で離婚の傷を癒そうとします。
さて、様々なマリーの読書は、一体どんな結果を招く事になるのでしょうか?そして「読書する女」は、コンスタンスが体験した事を書いたものなのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
↑「ねぇ。これって君の体験談?」
本作は「マリーが主人公の小説を読む」という形の映画ですので、本作をご覧になった方は、原作の「読書する女」という本を、コンスタンスの読み聞かせによって知る事ができ、結果として「読書する女を読書する女に読んてもらう」という奇妙な感覚を味わう事ができる不思議な映画!
↑「読書する女」のマリーの行動を読みきかせる
「読書する女」を書いたコンスタンス!
ですので観客は、映画が観終わった後に「読書する女」という自分では本を読んでいないにも関わらず、内容を知っている事に気づき「読み聞かせ」の効用について改めて理解するのではないでしょうか?
そう。
本作は、読書する女リーが、様々な依頼人と読書する事で意識を共有したり、理解を深め合ったりするのと同様に、ご覧になった方にも、物語を共有する楽しさを知ってもらおうとして作られた、大変面白いアプローチの「読書のススメ」映画となっているのです😊
↑本の内容を共有できる関係って素敵ですね😘
そしてこの考え方は、読書だけでなく映画についても言える事!
本ブログでは、この作品のマリーのようなスタンスで、ご覧頂いた方と映画の魅力が共有できる内容をお届けしていければと思っておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします!
↑こんな映画がありました…今日はここまで!!
という訳で次回は
ユートピア探訪記!
というテーマで
ストーカー
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆