こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と発掘良品の発掘⑫というテーマで
野いちご
(原題:SMULTRON-STALLET)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
本日の作品はチャールズ・ディケンズの「クリスマス・キャロル」とよく似たテイストの作品!
「クリスマス・キャロル」とは、偏屈で意地悪な老人が、クリスマスの晩に、「過去」「現在」「未来」の精霊に連れられ、自分の過去と現在と未来を垣間見るというストーリー!
有名な小説ですし、映画化された作品も多いので、これ以上の説明は不要だと思います😊
↑1992年作「マペットのクリスス・キャロル」(ザ・マペッツ版)
↑2001年作「クリスマス・キャロル」(ジム・キャリー版)
↑「3人のゴースト」もクリスマス・キャロルですね😄
本作の主人公の老人もまた、過去と現在を去来しながら、未来の自分について考える機会を持つ事になるのです…
↑偏屈な老人が垣間見た、自分の過去と現在と未来とは…
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
撮影のグンナール・フィッシャー、音楽のエリク・ノルドグレンは「夏の夜は三たび微笑む」ほかベルイマンに協力した人たちである。
…以下は、スタッフ&キャストの情報なので略させて頂きました。
解説にもある通り、本作の主人公はスウェーデンでは高名な老医師のイサク教授。
長年の功績を称えられ、スウェーデンの学会から勲章を授与される事となったイサクですが、授与式の前日に夢を見ます。
↑妻に先立たれたイサクは、家政婦と2人暮らしの老人。
イサクが見たのはシュールで不気味な夢!
誰もいない街を歩いていたイサクは、針の無い時計屋の看板や、御者の乗っていない棺桶を乗せた馬車を目撃します。
↑なんじゃコレは…
↑ワ、ワシの懐中時計にも針がないぞ
![あせる](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/029.gif)
![あせる](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/029.gif)
本作は、前回、前々回にご紹介させて頂いた「第七の封印」と「処女の泉」に比べて、ずっと分かりやすい展開の作品ですので、これ以上の解説は差し控えさせて頂きますが、イサクは若い時から偏屈で冷たい男だった訳ではありません!
道中で立ち寄ったイサクが若い頃に住んでいた実家や、途中で立ち寄ったガソリンスタンドでは、イサクの優しかった過去の思い出が蘇り、道中でヒッチハイクしてきた若いカップルと友人や、喧嘩ばかりしている夫婦は、人間とはどうあるべきなのかを客観的に考える機会をイサクに与えてくれます。
…という事は、本作は「クリスマス・キャロル」の夢の代わりが、イサクの自動車旅行になっているという事?
はい。
確かに本作のストーリーは、その通りの展開なのですが、更に言えば本作で描かれているのはイサクの事だけでなく、映画を観ている観客が自分の過去を思い出したり、周囲の人を冷静に観察できるように作られているのです!
↑実家の庭に戻った時、イサクは許嫁の夢を見ますが
彼女は優しかったイサクを裏切って弟と結婚してしまいます。
これはイサクにとってショッキングな事ですが、
観客の方にだって、こんな残酷な過去があったのでは…
そう。
本作を監督されたイングマール・ベルイマン氏の映画は、常に観客自身に、人生とはどうあるべきなのかを問い掛けてくる哲学的な作品!
↑死の直前に、心の中に去来する想いとは何か?
(「第七の封印」)
↑想像を超えた絶望を体験した時、人はどうなるのか?
(「処女の泉」)
↑ヒッチハイクでイサクの車に乗せた3人の若者は、
道中のお礼と受賞祝いに、野の花を摘んでプレゼント!
↑…あれ?どうして彼らに会うと、こんなに嬉しいのだろう?
人生には色々な辛い事があり、人の心は曇りがちなもの。
ですがベルイマン監督の映画を観ると、そんな辛さを乗り越える勇気が心の中に芽生えてゆくのが実感できるのです😊😊😊
という訳で次回は
魁!!スナイパー塾
というテーマで
山猫は眠らない
という映画をご紹介させて頂ければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします😊
ではまた(*゜▽゜ノノ゛