こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊
 

本日も想像力と発掘良品の発掘⑫というテーマで

 

ゼイリブ 

(原題:THEY LIVE)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

発掘良品ゲキ推し監督!

 

本日の「ゼイリブ」と次回の「パラダイム」は、あの「遊星からの物体X」ジョン・カーペンター監督の作品!!

 

↑特撮ファンなら必ず知ってる「遊星からの物体X」!

 

 

常に低予算に悩まされながらも、見応えのあるB級ホラー作品を作り続けられているジョン・カーペンター監督の作品は、TSUTAYA発掘良品に6作品もセレクトされています😄

 

1.ニューヨーク1999(第2弾)

 

2.透明人間(第22弾)

 

3.ゼイリブ(第49弾)

 

4.パラダイム(第49弾)

 

5.ダーク・スター(第63弾)

 

6.要塞警察(第63弾)

 

 

発掘良品で6作品もセレクトされている監督は、カーペンター監督の他は巨匠イングマール・ベルイマン監督のみ!!

 

 

そんな、発掘良品ゲキ推し監督作品である本日の作品は、2020年代の世界を先取したような、観終わった後、今自分たちの暮らしている世界が不安に思えて来る彼等が住んでいる(THEY LIVE)世界の映画なのです…

 

↑「彼らの住んでいる世界」へようこそ!

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

地球に侵略する異星人の姿を見分けることのできるサングラスを持つ、ひとりの男の活躍を描くアクション・ホラー。

製作はラリー・フランコ、監督は「パラダイム」のジョン・カーペンター。
レイ・ネルソンの原作を基に、脚本はフランク・アーミテイジ、撮影はゲイリー・B・キッビ、音楽はカーペンターとアラン・ハワースが担当。出演はロディ・パイパーほか。
 
…なんか正統派SF映画みたいな解説ですが、男が手に入れたサングラスは異星人の姿を見分けるだけのものではかったのです!
 
 
 
主人公はネイダは現在失業中の労働者階級の男。
 
彼はワイオミング州で10年の間、真面目に仕事をこなしてきましたがリストラされてしまい、仕事を求めてサンフランシスコにやって来ました。
 
↑高層ビルが並ぶサンフランシスコにやって来たネイダ
 
 
ですがサンフランシスコにも仕事なんてありません!
 
途方に暮れていたネイダでしたが、彼の窮状を見ていたフランクという親切な労働者の男が、自分が寝泊まりしているスラム街へ連れて行ってくれました。
 
↑「お願いです。雇って下さい!」「間に合ってるよ」
 
 
スラム街は失業したり家を失ったりした人たちで溢れていました。
 
↑フランクが案内してくれたスラム街。
 …冒頭の高層ビル街とは随分ちがいますね汗
 
 
 
親切な人々の炊き出しをもらい、やっと一息つくことができたネイダでしたが、気になったのはTVばかり観ているスラムの人たちの無気力な表情!
 
TVに映るのは、華やかな人々の生活や、購買欲をそそるような高級品ばかり!
 
スラム街の人たちには絶対に手が届かないものばかり流している番組なのに、彼等は魅入られたようにじっと画面を見続けていたのです。
 
↑まるでYO〇TUBEみたいなTVをぼ~っと眺める人…
 
↑「ネイルのお手入れ頑張らなくちゃラブラブ」「ムフフ…」
 
 
ですが彼等がぼ~っとTV観ていた時、突然TV電波がジャックされ、謎の老人がTV番組に代わって話し始めます!
 
↑「みなさん。話をきいて下さい!!」
 
男は「今の時代はおかしい!我々の世界は金持ちたちに支配されている!金持ちたちの奴隷になっている!みんなで自分たちの世界を取り戻そう!」と必死で訴えますが、TVを観ていたスラムの人たちは一様に不快な顔をして、彼の話を無視したり、チャンネルを変えたりしてしまうのです!
 
↑何、この放送!やだ、早く楽しい番組に戻してよむかっむかっ
 
 
はい。
 
賢明な皆様は、もう本作が、単なる宇宙人と戦うSF映画ではない事に、気づいて下さったと思います😄
 
 
 
さて、このTV漬けになっている人たちと、地球に侵略する異星人とは、一体何の関係があるのでしょうか?
 
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
 
↑ちなみに宇宙人を見分けるサングラスはコチラ。
 本作の宇宙人は、地球人に化けて暮らしていたのです!
 
 

 

現実を直視するか?拒否するか? 

 

本作は、とても考えさせられる映画ですので、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作におけるサングラスや宇宙人はメタファーのようなものであり、カーペンター監督が本作で描いているのは金持ちたちが画策する世界支配の構図

 

ネイダがかけているメガネは、電波ジャックをした老人たちが作ったこの世の真実が見えるようになるメガネ

 

 

偶然メガネを拾ったネイダが何気なくメガネをかけると、そこから見えたのはネイダが今まで考えた事もなかった広告の裏にあるメッセージ!!

 

↑「あれ?OBEY(従え)って変なCMだな?」

 「あれれれ?メガネを外すと普通のCMだ!」

 

 

メガネを通して見るとCMも、TVも、雑誌も、そしてお金までもが、全て金持ちから庶民に向けてのメッセージとなっていたという事が分かってしまったのです!!

 

↑じゃ、じゃあ雑誌の裏にあるメッセージって…

 

↑「考えずに寝ろ!」「従え!」

 

↑「これ買え!」「権威に対して疑問を持つな!」

 

↑「とにかくTVを観てろ!」「想像力は捨てろ!」

 

 

あっあせるあせる

 

確かにこれってCMやTV番組を作る際のコンセプトと言われているものですよね…

 

 

 

そう。

 

本作は宇宙人と戦う映画ではなく、80年代の後半から急速に発展していった広告やTVのステマなどによる大衆操作を告発した映画となっているのです!!

 

↑お金?もちろんお金も大衆操作の道具だよ!

 

↑お札の裏に隠れたメッセージは

 「THIS IS YOUR GOD(これはあなたの神様だ!)」

 …あ。そう思ってたかもあせるあせる

 

 

 

そして、本作の公開から40年経った2020年代。

 

我々はTVだけでなく、コンピューターやスマホやSNSなどから大量のCMを視聴しています。

 

 

 

果たしてそれらのCMや番組の裏には、どんなメッセージが仕込まれているのでしょう?

 

↑ひょっとするとNYのタイムズスクエアの裏側って…

 

 

 

ネイダは、この現実にショックを受けながらも、人々に現実を知ってもらうために立ち上がります!

 

では、私たちはどう決断するのでしょう?

 

 

 

もしかすると私たちは、現実的なメッセージを発する人に対して目を背けて、作られた世界の中で暮らす事を選んでいるのかもしれませんね…

 

↑本作の原題も「THEY LIVE(彼らは住んでいる)」ですが

 作品内には「WE SLEEP(私たちは寝ている)」という続きが!

 大衆は金持ちの謀略によって眠らされてしまうのです…

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

低予算コズミック・ホラー!

 

というテーマで

 

パラダイム

 

という映画をご紹介させて頂ければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします😊

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛