こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊
 

本日は想像力とレイト・ナイト・テイルズというテーマで

 

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 

(原題:ONCE UPON A TIME IN HOLLYWOOD)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

レイト・ナイトは温故知新の映画鑑賞!

 

真夜中に観る映画をセレクトしてお届けしてきた本シリーズも本日で最後!

 

明るい昼間にみんなとワイワイ観るのではなく、深夜に一人で観て物思いに耽る事ができるような作品をセレクトしてお送りして参りましたがいかがでしたでしょうか?

 

最後の作品は、1969年のハリウッドで起こった様々な出来事に想いを馳せる事ができるレイト・ナイトに相応しいタランティーノ作品を選ばせて頂きました😊

 

↑さぁ、タランティーノ監督に誘われて、栄光と挫折と

 映画史上最悪の事件が起こった1969年のハリウッドへ!

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットが初共演を果たしたクエンティン・タランティーノ監督作。

1969年に実際に起きた、カルト教祖チャールズ・マンソンとその信奉者たちによる女優シャロン・テート殺害事件を題材に、ハリウッド黄金時代の光と闇に迫る。

シャロン・テートを「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」のマーゴット・ロビーが演じるほか、「Dear ダニー 君へのうた」のアル・パチーノ、「500ページの夢の束」のダコタ・ファニングが出演。
 

 

 

はい。

 

 

この解説には、様々なエピソードが散りばめられている本作のエピソードの中でも最も重要な要素である「シャロン・テート殺害事件」の事が記されていますね!

 

 

シャロン・テートって誰?

 

 

 

シャロン・テートとは、映画監督のロマン・ポランスキー氏と結婚されていた女優さん。

 

↑シャロン・テート(本人)。

 

 

1967年にロマン・ポランスキー監督の「吸血鬼」という作品に出たのが縁で結婚したシャロンでしたが、1969年に自宅に押し入ったチャールズ・マンソンという男が率いる暴漢に襲われ惨殺されてしまったのです!

 

↑「吸血鬼」に出演した当時のシャロン・テート。

 

 

シャロンは殺された時に妊娠しており、胎児共々殺害された陰惨な事件は、半世紀が過ぎた今でもハリウッドの暗黒史として語られ続けています…

 

↑赤ちゃんが生まれるのを楽しみにしていたシャロン。

 

 

では、どうしてシャロンが殺されなければならなかったのでしょう?

 

 

 

「ローズマリーの赤ちゃん(1968年)」という悪魔の赤ちゃんが誕生するホラー映画を撮ったロマン・ポランスキー監督の伴侶だったから?

 

↑悪魔を宿した女の子が主役の「ローズマリーの赤ちゃん」

 

↑そういえばシャロンも「吸血鬼」に出てたよね…

 

 

それとも、ドラッグやフリー・セックス全盛の乱れた60年代のハリウッドが問題だったの…

 

↑こんな際どい写真を撮るシャロンは、ふしだらだったのでは?

 

 

 

…そう。

 

 

1969年のハリウッドを語る時、シャロン・テートの話題は、まるで黒歴史のような扱いとなってしまっていたのです…

 

↑悪魔崇拝者たちが、堕落したハリウッド女優を惨殺!

 という展開のシャロン・テート事件のパペット・アニメ

 「リブ・フリーキー!ダイ・フリーキー!」

 生きている変人(チャールズ・マンソン)と

 死んだ変人(シャロン・テート)という酷い扱いあせるあせる

 

↑自宅に侵入され殺されるシャロン・テートの姿を

 淡々と描く「ウルフ・アッド・ザ・ドア」

 

 

そんな訳で私は、この映画がシャロン・テートの事件を扱っている事を知った時、観るのが憂鬱だったのですのが…

 

そんな私の憂鬱な気持ちは、映画を観終わった時に雲散していただけでなく、観ている私も救われたような気持ちになっていたのです😄

 

 

 

さて、そんな爽快な気持ちになれるシャロン・テート事件を扱った本作で、シャロン・テートは一体どう扱われていたのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑シャロンには一体どんな運命が待ってたの!?

 

 

 

映画でマインドを塗り替えろ!!

 

 

最初にも書きましたが、本作はシャロン・テート事件以外の1960年代後半にハリウッドで起こった様々なエピソードが散りばめられている作品!

 

西部劇の凋落とマカロニ・ウェスタンの勃興や、ブレイク前のカトー(ブルース・リー)のエピソードや、スタントマン哀歌などなど、時代の変革期だった60年代末に生きていた映画関係者を描いた本作は、一度観て満喫するような作品ではなく、何度も観返したり、気になったエピソードを検索したりして10年楽しめる作品!

 

私自身も、まだまだ未消化な部分が沢山ありますので、理解した後に別エピソードで、再度ご紹介してみたい作品です😊

 

↑冒頭、ブラッド・ビッドが過去の映画で使用していた

 ナチス退治の火炎放射器の元ネタは何?

 「追想(1975年)」だと年代がおかしいですね汗

 

 

 

ですので、今回はシャロン・テートの描写に絞って解説させて頂きますが、本作のシャロン・テートは、人懐っこくて明るくて、映画に出演出来て喜んでいるコケティッシュな女の子して描かれています!

 

生前シャロンが出演したのは、わずか4作品!

 

 

もしシャロンを神格化したいのであれば、彼女が出演した映画エピソードとしては、ロマン・ポランスキー監督との関係を際立たせるための「吸血鬼」か、ハリウッドの女優の悲劇が描かれている「哀愁の花びら」という作品を紹介するのが効果的だと思われます!

 

 

ですが本作でシャロンが一人で映画館に観に行った自分の映画はなんと「THE WRECKING CREW」!!

 

↑「THE WRECKING CREW」を観に行くシャロン!

 

 

「THE WRECKING CREW」は、日本では「サイレンサー第4弾/破壊部隊」という名で知られているグダグダのスパイ・コメディ!!

 

↑「サイレンサー第4弾/破壊部隊」はコメディ映画!

 マット・ヘルムと美女がドタバタを演じるシリーズです😅

 

 

芸術的な「吸血鬼」や「哀愁の花びら」に出演した過去があるシャロンなら、グタグタ・コメディの「サイレンサー」は黒歴史では?と思っていると…

 

なんと彼女は映画館の店員に、自分がこの映画に出ている事を嬉しそうに話し始めたのです!!

 

↑私、この映画に出てるのよラブラブラブラブ

 

 

ちみなに、サイレンサーでのシャロンの出演シーンはこんな感じ…

 

↑イ、イエイラブラブ

 

↑行くわよ!覚悟なさいラブラブ

 

↑キャーラブラブラブラブ大変!大変!!

 

 

 

… … …汗汗汗

 

こ、こんな映画に出てた子だったの!?

 

 

 

はい。

 

本作でシャロンは、自分が出ているパンチラシーンをニコニコと楽しそうに観ていたのです!!

 

↑ウフフ!ウケてるウケてるラブラブ

 

 

劇場はガラガラ、内容はグダグダ、でもシャロンはニッコニコ!!

 

 

そんなシャロンの姿を観ている観客は、悲劇の女優シャロン・テートのイメージが、心の中でガラガラと崩れていくのではないでしょうか?

 

 

恐らくですが、本作でタランティーノ監督が目指しているのは、シャロン・テートのイメージの復権だと思われます。

 

↑シャロン・テートって、普通に可愛い子だったんじゃない?

 

 

「イングロリアス・バスターズ」で、ヒットラーをパリの映画館で焼き殺したクエンティン・タランティーノ監督は、映画というものが持っている「歴史を変革させるチカラ」に気づいたのだと思います!

 

 

 

ヒトラーの死の真相が謎に包まれている?

 

そんなの関係ないよ!僕の映画でのヒトラーは、無様に焼かれて死んじゃう男さ!!

 

 

 

シャロン・テートは、殺されるような女性だった?

 

そんなの関係ないよ!僕の映画ではシャロン・テートでは、映画に出るのを楽しんでいた魅力的にな女の子だよ!!

 

↑シャロン・テートは、可愛くて映画が好きな普通の子だよ!

 

 

 

そう。

 

 

映画とは想像力の産物!

 

 

 

だからこそ、自分の想いを映像化させる事が許されるはずであり、シャロン・テートは普通のかわいい女の子だったと考えて欲しいという想いで映画を作る事も許されるはずです!

 

 

本作でシャロン・テートを演じられたマーゴット・ロビーの好演によって、恐らくですが彼女の事を知らない新世代は、シャロンにまつわる陰鬱な話ではなく、本作のシャロンに魅力を感じて好きになってくれるのではないでしょうか?

 

 

 

本作は、昔々ハリウッドであった哀しいお話を、タランティーノ監督の手で生まれ変わらせたシャロン・テートに捧げられた鎮魂の映画なのだと思います😊

 

↑シャロン・テートさん。どうぞ安らかに…

 本作を観た若い観客は、きっとあなたに偏見を持たず

 作品を愛してくれると思います😊😁😄

 

 

 

 

 

おまけ

今宵のレイト・ナイト・サウンドトラック (late night soundtrack)

 

本シリーズ最後ののサウンドトラック は、60年代ロックの終焉を歌ったホセ・フェリシアーノの「カリフォルニア・ドリーミング」!!

 

クエンティン・タランティーノ監督の映画のサントラには捨て曲がないのですが、ホセ・フェリシアーノ・バージョンの「カリフォルニア・ドリーミング」はレイト・ナイトに、そして最後の曲に相応しいムーディーなバージョン!

 

素敵なレイト・ナイト・サウンドトラックをご紹介していく「おまけ」も、本日でおしまいです。

 

どうぞ楽しいレイト・ナイトを…

 

↑「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」サントラに捨て曲なし!!

 

 

 

 

 

という訳で、本シリーズはおしまい!

 

一か月の間お付き合い下さり、本当にありがとうございました😄

 

 

 

次回からは、また新シリーズを始められればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆