こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊
 

本日は想像力とレイト・ナイト・テイルズというテーマで

 

ミッドサマー

(原題:MIDSOMMAR)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

レイト・ナイトにミッドサマー!

 

真夜中に観る映画をセレクトしてお届けしてきた本シリーズも、残す所あと2作品!

 

本日は「ミッドサマー」という作品を紹介しつつ、前回、前々回に引き続いて製作者であるアリ・アスター監督の今後について予測してみたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!

 

↑「ヘレディタリー/継承」と「ミッドサマー」の共通点は?

  そして次にやって来る恐怖とは!?

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

「ヘレディタリー/継承」のアリ・アスター監督による異色スリラー。

家族を不慮の事故で失ったダニーは、恋人や友人ら5人でスウェーデンの奥地で開かれる90年に一度の祝祭を訪れる。
太陽が沈まないその村は楽園のようだったが、次第に不穏な空気が漂い始める。

出演は「ファイティング・ファミリー」のフローレンス・ピュー、「ビリーブ 未来への大逆転」のジャック・レイナー。
 

解説にもある通り本作は、スウェーデンの奥地で開かれる90年に一度の祝祭に訪れたアメリカ人の若者たちが体験する恐ろしい出来事が描かれた作品!

 

 

 

祝祭に訪れた若者は5人。

 

1.つい最近、両親と妹が死亡し、精神的に不安定な主人公のダニー。

 

2.ダニーの恋人でありながら、常に自分に依存して来るダニーを煙たがり始めているクリスチャン。

 

3.クリスチャンの友人で、卒業論文の題材にスウェーデンの古典的宗教儀式を取材したいと願っていたジョッシュ。

 

4.スウェーデンからの留学生で、ジョッシュの希望を叶えるために、自分の村を取材する事を許可したペレ。

 

5.ジョッシュたちの友人で、物見遊山でスウェーデン旅行に参加する事にしたマーク

 

 

 

当初スウェーデンへの旅行は、クリスチャン、ジョッシュ、ペレ、マークの男4人で行く予定でしたが、ペレは家族を喪失して泣き崩れているダニーも同行させるべきだとクリスチャンを説得し、急遽ダニーも参加する事になります!

 

 

ペレの村は、美しい自然と優しい村人たちが集まって暮らしている楽園のような場所!

 

↑ようこそ、異国の方々!!

 

 

今年は、90年に1度開催される夏至祭(ミィドソンマル)の年のため、村人たちは同じ服を着て、9日間を通して儀式を行っていくとの事。

 

↑さぁ夏至祭を始めましょう!!

 

 

自分たちを阻害せず、まるで昔からの友人のように接してくれる村の人々に親しみを感じ始めるダニー、クリスチャン、ジョッシュ、マークの4人でしたが、村人たちの生活様式はアメリカ人の全く異なったもの!

 

村人の言動や呪術的な行為は、どこなく異様な雰囲気を感じさせます…

 

↑あ。キリスト教じゃないんだ…汗

 

↑なんだか病んだ絵が飾ってある…

 

 

ちょっと違和感を感じながらも無事に1日目を終えた4人でしたが、翌日彼等は、想像もしていなかった衝撃的な儀式を目にする事となったのです!!

 

↑臼がないのに杵だけを持っている老人!

 杵を使って行う儀式ってどんなもの??

 

 

 

さて、ダニーたちが体験する事になった不思議の国の夏至祭とは、一体どうな者だったのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑美しい村で体験する衝撃的な出来事とは!?

 

 

 

アリ・アスター監督作品の傾向と、次回作の予想

 

 

本作はこの後、目を背けたくなるような恐ろしいシーンが連続するにもかかわらず、目がスクリーンにくぎ付けになって観るのを止められくなるカルト的な魅力がある作品!!

 

ですので、これ以降の展開について解説するの差し控えさせて頂きますが、アリ・アスター監督が作られた「ミッドサマー」と「ヘレディタリー/継承」という2作品に共通するポイントだけご紹介させて頂ければと思います😊

 

 

 

アリ・アスター監督ポイント①

悪人が出てこない!

 

2つの作品には、殺人を含む残酷な行為が描かれているのですが、どちらの作品でも加害者は悪人ではなく、むしろ善行のために殺人や犯罪を嬉々として行います。

 

↑「ヘレディタリー」に登場する祖母は、遺品の本の中で娘に

 「すべてを言えない事もある。どうか許して。愛してる」

 というメモを残しています。

 

↑「ミッドサマー」では、村における生死は入れ替わりで

 死ぬ人と生まれる人のバランスで村は成り立つと

 誇り高く外来者たちに語っています。

 

 

2つの映画の共通点は「死は哀しく忌まわしいもの」という我々の社会の常識とは異なる生死観を持った人間と対峙する恐怖を描いている事。

 

もし自分の知人が死を恐れず、むしろ喜ぶべきことと考え、嬉々として私たちを殺そうとしていたとしたら、交渉も抵抗も意味を持ちません!!

 

↑さぁ、私たちと一緒に死を祝福しましょう!!

 

 

 

アリ・アスター監督ポイント②

生きている事を喜べない主人公!

 

2つの作品で共通しているのは、どちらも主人公の女性が「現代社会で行き場をなくして苦しんでいる」というところ!

 

「ヘレディタリー/継承」では、実母と実の子供たちと上手く接する事ができないアニーは、生きる事に歓びを感じていません。

 

↑ミニチュア作家のアニーは、実母を嫌ってたのにも関わらず

 何故が自分が母に介護されているミニチュアを作ったり、

 愛する人の死の喪失感を共有する会に参加したりしています。

 

↑交流を持ちたがなかった娘が死んだら号泣!!

 …アニーは、現代社会で上手く生きていけない女性です。

 

 

そして「ミッドサマー」のダニーも、精神的に不安定で常にクリスチャンに依存しないと生きていけない体質の上、妹が両親を巻き込んで自殺してしまった事で、納得できる理由を見つけられず妄想に苦しめられています。

 

↑クリスチャンが近くにいてくれないと…私ダメなのあせるあせる

 

↑突如フラッシュバックで目の前に現れる家族の死!!

 …一体何で、死んでしまったの!?

 

生きる事に価値を感じられない、死に納得する理由が見つけられない2人でが、もしそんな2人の前に、アリ・アスター監督ポイント①の「死は哀しく忌まわしいものという我々の社会の常識とは異なる生死観を持った人間」が現れたとしたら?

 

ひょっとしたら彼等は、私たち一般人とは異なる反応を示すかもしれませんね…

 

 

 

アリ・アスター監督ポイント③

現実が反転する!

 

そして最後のポイントは、現実を反転させたような映像が挿入されているところ!

 

「ヘレディタリー/継承」の冒頭のシーンでは、ミニチュアのはず部屋が、本物の部屋に入れ替わっていますし、「ミッドサマー」ではスウェーデンの村へと向かう車は、反転した映像で移されています!

 

↑ミニチュアだと想ったら本物!?

 

↑逆さまの世界だと思ったら上下が逆だったの!?

 

 

 

 

そう。

 

 

もうお分かりですね!

 

 

 

恐らくですがアリ・アスター監督は自分がこよなく愛している過去作品をベースにして全く新しいオリジナル作品生み出すという異才を持った監督!!

 

ミッドサマーはウィッカーマンという映画をベースにして作られた全く新しいオリジナル作品だと考えられます😊

 

↑「ミッドサマー」のラストの放火は祝福の儀式!

 

↑「ウィッカーマン」のラストの放火も祝福の儀式!

 

 

ですので「ミッドサマー」は「ウィッカーマン」をベースにしながらも、アリ・アスター監督によって生まれ変わった別の作品となっており、主人公は厳格な警察官ではなく、現代社会では幸せを感じれていないダニー(生きている事を喜べない主人公)へと変わっています!

 

苦しい人生を送っていたダニーでしたが、スウェーデンの不思議な村で一般社会とは全く異なる生死観を持つ人たち(悪人が出てこない)と出会う事によって、生きる苦しさから解放され、生死観が反転した世界の住人となって幸福を感じるようになっていく(現実が反転する)

 

↑やっと分かった。私、幸せになれました😊

 

 

…この展開こそがアリ・アスター監督作品の魅力であり、恐ろしさでもあると思うのです!

 

 

私見ですが、もしこれがアリ・アスター監督が、このような考え方で過去の作品を自分なりの作品に生まれ変わらせでいるのであれば、次の候補となりそうな映画は…

 

 

アリ・アスター監督版が見たい映画①

妖精たちの森

↑死んだ人は、いつも私たちの近くにいるんだ!

 その言葉を信じた純粋な兄妹は…

 

 

アリ・アスター監督版が見たい映画②

サンタ・サングレ/聖なる血

↑父親によって両腕を切断された母親と共に

 奇術を行う少年に待っていた運命とは?

 

 

アリ・アスター監督版が見たい映画③

呪われたジェシカ

↑精神病院から退院したばかりのジェシカにしか見えない

 幽霊たちは、果たして本物なのでしょうか…

 

などではないでしょうか?(間違ってたらごめんなさい!)

 

 

 

 

と、そんな推測も愉しめてしまうのもアリ・アスター監督の作品の魅力😊

 

 

アリ・アスター監督の作品は、過去の有名作品と細部が似いてるからこそ、それに気づいた観客たちが観終わった後2つを比較して、類似点やオリジナル要素を見つけ出し、両方の作品を愛するようになる過去の名作をリスペクトしたオリジナル作品なのです!

 

 

 

おまけ①

今宵のレイト・ナイト・サウンドトラック (late night soundtrack)

 

本作のサウンドトラック は、聖と邪が入り乱れたようなアンビバレンツな音楽!!

 

そんな楽曲の中でも、ちょっとゾッとするのは美しいヒーリング系であるはずなのに、不気味さが漂う「祝福(The Blessing)」!

 

…怖い曲?

 

いいえ。全然!!

 

ですが映画でのシーンを思い出すと…。ああ、今夜は眠れないのですあせる

 

↑「ミッドサマー」オリジナル・サウンド・トラック「祝福(The Blessing)」

 

 

 

 

 

という訳で、本シリーズも次回で最終回!!長い間、お付き合いください本当にありがとうございました😊

 

ラストはアリ・アスター監督より前に出現した、過去の名作をリスペクトしたオリジナル作品を作られる監督の作品として

 

ワンス・アポン・ア・タイム・

イン・ハリウッド

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

 

おまけ②
「if もしも‥‥」を推敲しました!

 

2020年1月15日にアップした「if もしも‥‥」という作品の解説を推敲してアップいたしました😊

かなり読みやすくなった思いますので、興味がある方は是非!!

※本年の目標は2020年にアップしたブログを推敲して、より読みやすいものにしていきたいと思っております😆