こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊
 

本日は想像力とレイト・ナイト・テイルズというテーマで

 

ヘレディタリー/継承

(原題:HEREDITARY)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

レイト・ナイトの語り部、アリ・アスター監督!

 

真夜中に観る映画をセレクトしてお届けしてきた本シリーズも、残す所あと4作品!

 

セレクトさせて頂いたレイト・ナイト・テイルズは、いかがでしたでしょうか😊

 

 

残り4作のうち3作品は、昨年話題沸騰だったカルト的ホラーである「ミッド・サマー」をお作りになられたアリ・アスター監督作品を考察してみたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!

 

↑恐ろしい三角の家が登場する「ミッドサマー」ですが…

 

↑アリ・スター監督の「ミッド・サマー」の前作あたる本作にも

 恐ろしい三角の家が登場するのです…

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

サンダンス映画祭で発表されて以降、海外メディアで称賛されている新鋭アリ・アスター監督によるホラー。

祖母エレンが亡くなり、喪失感を乗り越えようとするグラハム家に、不思議な光が部屋を走る、誰かの話し声がするといった奇妙な出来事が頻発し始め……。

出演は「500ページの夢の束」のトニ・コレット、「母の残像」のガブリエル・バーン、「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」のアレックス・ウォルフ、「コンプライアンス 服従の心理」のアン・ダウド。撮影監督は「トラジディ・ガールズ」のパヴェウ・ポゴジェルスキ。音楽をサックス奏者のコリン・ステットソンが務める。
 

 

解説にある通り本作はサンダンス映画祭で発表されて以降、海外メディアで称賛されているホラー映画

 

称賛されている理由は、一度観たら忘れられないインパクトのある作品だから!!

 

 

 

ずっと家で介護を続けていた祖母エレンが亡くなったにも関わらず、実の娘のアニーは全く嘆いておらず、むしろホッとした様子!

 

↑秘密主義のエレンを、あまり愛していなかったアニーは

 母の告別式でも、母への惜別の言葉を発しませんでした…

 

 

家族の中で唯一エレンと仲が良かったのは孫娘のチャーリーでしたが、仲が良かった理由は、エレンがチャーリーの兄のピーターに近づこうとするのをアニーが嫌がって、ピーターの代わりにチャーリーをあてがっていたから!

 

そんなお婆ちゃんっ子のチャーリーは、絵ばかり描いている陰気な女の子に育ちました。

 

↑祖母の告別式でも絵を描いているチャーリー。

 

 

チャーリーは、エレンが死んだ後、度々祖母の幽霊が見えるようになりますが、それを家族に言いませんので、チャーリーの異変に誰も気づきません!

 

↑夢遊病者のように外を彷徨うチャーリーの先には…

 

↑燃え盛る炎と、死んだはずのエレンが!!

 

 

 

…何だか不気味な展開ですね汗

 

 

 

そんなチャーリーを気味悪がっているアニーは彼女と一緒に遊ぶのを嫌がっており、ある晩、友達の家で行われるパーティーに行こうとするピーターに、チャーリーも一緒に連れて行けと命じます!

 

ですがピーターは高校生なのに対して、チャーリーはまだ13歳!!

 

 

親なのに、高校生の夜のパーティーに妹を同行させるってどうなの😟

 

そんな観客の不安は案の定的中し、ナッツ・アレルギーのチャーリーはパーティー会場でナッツ入りのケーキを食べて痙攣をおこし、チャーリーを病院へ連れて行こうと夜道を運転していたピーターの車内で、事故死してしまったのです!!

 

↑車内で悶絶したチャーリーは、車から身を乗り出して…

 

↑あまりの出来事にバックシートにいたチャーリーを

 確認する事ができないピーター。

 

 

 

 

さて、実母を嫌悪して死後涙も流さなかったアニーは、突然事故死した娘には、一体どんな反応をしたのでしょうか?

 

そして、遺伝性という意味を持つへレディタリーというタイトルにはどんな意味が隠されていたのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑ミニチュア・ジオラマ作家のアニーは、

 エレンを嫌っていたのに実母の病室を再現していました…

 

↑そんなアニーがチャーリーの死後取り組んだのは

 なんとチャーリーの事故死した現場のミニチュア!!

 …アニーの精神は大丈夫なのでしょうか…汗

 

 

 
伝説のホラー映画の換骨奪胎監督!

 

本作は大変完成度の高い映画であり、絶対にオチを説明してはいけない作品だと思いますので、これ以上詳細を説明するのは差し控えさせて頂きますが、本作のカット割りや、登場人物や、小道具に、ある有名ホラー映画と酷似したものが忍ばされています。

 

 

できるだけネタバレしないシーンを抽出すると…

 

 

 

不思議な紋章が刻まれているブローチ…

 

↑ある有名ホラー映画に登場する不思議なブローチ!

 

↑埋葬された時エレナがつけていたブローチ!

 

 

妙に親し気にアニーに近づいて来る老婆…

 

↑どちらの作品にも、妙に親切な老婆が登場します。

 

 

怪しげな降霊術に入れ込んでゆくアニー…

 

↑ある有名映画に登場する降霊術!

 

↑本作に登場する降霊術!!

 

 

 

そしてラストで反転するアニーの心…
 

↑主人公の女性が、ものすごい顔で恐怖した後、

 心が反転するホラーと言えば「シャイニング」ではなく…

 色白でベリー・ショートで小顔の神経質っぽい女優さんです!

 

この類似した展開の映画が何という作品なのかが分かると、本作で描かれている恐怖が何なのかもご理解頂けると思いま😊

 

 

 

…という事は、本作は元ネタがあるリメイク作品??

 

 

 

いいえ。

 

そうではありません!!

 

 

 

私見ですが本作は、過去の有名作品を愛しているアリ・アスター監督が生み出した、全く新しいオリジナル作品!!

 

ですが過去の有名作品と細部が似いてるからこそ、それに気づいた観客たちは、観終わった後2つを比較して、類似点やオリジナル要素を見つけ出し、両方の作品を愛するようになる過去の名作をリスペクトしたオリジナル作品なのだと言えると思います!!

 

↑ん?こんなシーン有名映画にあったっけ?

 もちろんありませんよ!

 だって、リメイク作品じゃないんですから😄

 

 

 

そんな本作のタイトルが「遺伝性」であるのは、劇中に次世代へ受け継がれる遺伝の恐怖が描かれている事だけでなく、本作は過去の有名作品の遺伝的な作品ですという意味が隠されているのかもしれません…

 

↑超残酷ですが練り込まれたホラーを是非堪能して下さい!

 

 

 

 

おまけ①

今宵のレイト・ナイト・サウンドトラック (late night soundtrack)

 

本作のラストは不気味な曲の後、ジュディ・コリンズの「青春の光と影」という70年代の名曲へと変わります。

 

この歌は、ジョニ・ミッチェルによって作られた曲で「物事には2つの側面があるの」という事を歌っています!

 

一見恐ろしいへレディタリーのラストにこの歌が流れる事で、アニーに嫌われていたエレナは、実はアニーを深く愛していたのだという事が伝わり、さらにゾッととした気持ちになってしまうのです…

 

70年代の名曲に恐ろしいイメージを新たに植え付けてしまったアリ・アスター監督の手腕は正に、過去の名作をリスペクトしたオリジナル作品にでる異才なのだと思います😄

 

↑怖~い曲からのジュディの歌への変遷を是非お楽しみください!


 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

アリ・アスター監督の

新たなる挑戦(前編)

 

というテーマで

 

ウィッカーマン(1973年版)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

 

 

おまけ②
「がんばれ、リアム」を推敲しました!

 

2020年1月14日にアップした「がんばれ、リアム」という作品の解説を推敲してアップいたしました😊

かなり読みやすくなった思いますので、興味がある方は是非!!

※本年の目標は2020年にアップしたブログを推敲して、より読みやすいものにしていきたいと思っております😆