こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊
 

本日は想像力とレイト・ナイト・テイルズというテーマで

 

シャドウ・オブ・ヴァンパイア

(原題:SHADOW OF THE VAMPIRE)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

ゴシック・ホラーの夜

 

 

本シリーズは、昼間に観るよりも夜更けに観る方が愉しめるタイプの映画をセレクトしていく

レイト・ナイト・ムービーのセレクション🎬😊🎬

 

 

1つのジャンルに偏らないように、様々な「夜におススメの映画」を選んでまいりましたが、ホラー映画は本作が初めて!!

 

 

そして、レイト・ナイトに相応しいホラーと言えばゴシック・ホラーなのではないかと思います👻

 

本作は、1922年に作られた「ノスフェラトゥ」というゴシック・ホラー映画の傑作をモチーフにした怪談話系ホラーなのです!

 

↑幻の映画「ノスフェラトゥ」を題材にしたホラー映画なのです!

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

吸血鬼のイメージを現在にまで浸透させた恐怖映画の古典「吸血鬼ノスフェラトゥ」。

その主役を演じたマックス・シュレックは、実は本物の吸血鬼だったという奇抜な着想から生まれた異色のホラー。

わがままな吸血鬼にウィレム・デフォー、変人の天才監督にジョン・マルコヴィッチが扮し、怪優対決を見せる。
 

 

…え?

 

役者さんが本物のヴァンパイアだった?

 

 

 

そんな展開の映画ならコメディじゃないの?と思われるかもしれませんが、マックス・シュレックさんが演じたノスフェラトゥという吸血がどんなものだったかというと…

 

↑マックス・シュレックさんが演じたノスフェラトゥ

 

…こ、これは得体のしれない恐ろしさを感じますねあせる

 

 

 

本作の主人公は、そんなノスフェラトゥという作品を監督したフリードリヒ・ヴィルヘルム・ムルナウ!

 

ドイツ表現主義の映画監督として名を馳せていたムルナウは、ブラム・ストーカーの「吸血鬼」の映画化を望んでいましたが、映画化権取得に失敗してしまいます。

 

けれど、どうしても「吸血鬼」を撮りたかったムルナウは、内容はそのままで、登場する吸血鬼の名前を「ドラキュラ」ではなく「オルロック」に変更して映画を製作する事を決定するのです。

 

↑どうしても俺は吸血鬼映画を作りたいんだ!!

 

 

…でもそれって版権問題に抵触するのでは汗

 

 

はい。

 

 

だからこそムルナウは、ノスフェラトゥを極秘にチェコスロバキアで撮影を敢行する事にします。

 

↑「なんでチェコなんて辺鄙なところで撮影を?」

 「もちろんリアリティを求めてさ!!」

 

 

ムルナウは、撮影チームはおろかマネージャにさえ何も知らせていなかったため、仲間たちでさえ、チェコでどんな撮影が行われるのか知らず、オルロック役のマックス・シュレックにも会った事がありません。

 

 

ですがチェコで撮影がスタートし、シュレックの演じる吸血鬼スフェラトゥの姿を見たスタッフたちは、この映画がとてつもなく恐ろしいものになる事を確信したのです!

 

↑ハーカー役のトーマス・フッターが、シュレックと初めて

 顔合せをしたのはロケ地の古びた屋敷の前!!

 …こ、この人メッチャ怖いんですけど汗

 

 

シュレックがどんな人間だか知らないスタッフたちは、常に夜にしか活動せず、衣装もメイクも全部自分で行うシュレックに恐怖を感じますが、ドイツ表現主義の監督であるムルナウが連れて来た役者ですので少々変わっていても不思議はないと結論づけ、撮影を続ける事にするのですが、数日するとカメラマンが真っ青になって昏倒してしまったのです!

 

↑みんな!シュレック君は役に埋没するタイプなので

 ちょっと変わっているが気にしないでくれたまえ😄

 … … … 汗汗

 

 

 

さて、伝説の「吸血鬼ノスフェラトゥ」の撮影風景は、一体どんな状況だったのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑シュレック君。いやオルロックさん。どうぞ自由に演技を!

 

 

 

焼き捨てられたノスフェラトゥ!

 

 

勘の良い皆様ならもうお気づきだと思いますが、ムルナウが連れて来た謎の俳優マックス・シュレックは本物のヴァンパイア!!

 

本作は、もし実物の吸血鬼がノスフェラトゥの撮影に協力していたとしたら、現場はどんな状態となっていったのかを想像して作ったメタ・フィクション!!

 

 

観客である私たちはシュレックが恐ろしいノスフェラトゥである事を知っていますが、何も知らない役者やスタッフたちは、次々と吸血鬼の犠牲になってしまうのです!

 

↑はい。オルロックとハーカーの食事シーン撮りますよ!

 

↑あ。アクシデントでハーカーが出血した!

 いいぞオルロックくん!迫真の演技だ!!!

 

 

…だけどどうしてムルナウは、みんなを犠牲にしてまで本物の吸血鬼で映画が撮りたかったの?

 

 

劇中ではその理由についてハッキリとした説明はありませんが、恐らく理由は2つ!!

 

 

一つは、ブラム・ストーカーの「吸血鬼」の映画化権を与えなかった人たちに対しての対抗心!!

 

そしてもう一つは、ムルナウがシュールな映像を好むドイツ表現主義に魅了された男だからだったと思われます!

 

 

そう。

 

 

芸術家とは、時に命よりも作品を優先するもの!!

 

 

 

真のヴァンパイア映画を撮りたいと思っていたムルナウにとっては、例え自分を含めたスタッフ全員が犠牲になったとしても、伝説の吸血鬼映画が完成すれば本望だったのではないでしょうか?

 

↑俺しか撮れない伝説の吸血鬼作品を作ってやる!

 

 

 

ちなみに完成した「吸血鬼ノスフェラトゥ」は、当然ですが著作権問題で裁判沙汰になり、裁判で勝訴したブラム・ストーカーの未亡人は、「吸血鬼ノスフェラトゥ」のフィルムを回収して焼き捨てしまい、ノスフェラトゥは名実ともに伝説の作品となってしまいます…

 


↑なんか1922年に、こんな怖い映画があったみたいだよ…

 

 

ちなみにフランスの映画図書館で、焼き捨てられなかった「吸血鬼ノスフェラトゥ」のフィルムが発見されたのが2005年頃!

 

本作は2000年公開の映画ですので、本作が作られた事で伝説のノスフェラトゥが灰の中から蘇ってきたという新しい怪談話も作れるかもしれませんね😅

 


 ↑私らによって召喚されノスフェラトゥが復活じゃ!

 

↑1922年の恐怖を、21世紀に味わうが良い!!

 

 

おまけ①

今宵のレイト・ナイト・サウンドトラック (late night soundtrack)

 

本作のサウンド・トラックは、ゴシック・ホラーを演出するのに相応しい、物悲しいクラシック!

 

レイト・ナイトに暗い部屋で一人聴いていると…

 

ほら、あなたの後ろにオルロック伯爵が!!

 

↑「Shadow of the Vampire Soundtrack」 Track 1より

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

レスバトル黎明期

 

というテーマで

 

トーク・レディオ

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆