こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力とマカロニ大活劇というテーマで
スペシャリスト
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
本日の作品は、本シリーズでご紹介してきたマカロニ・ウェスタンの中で、最も恐ろしく、そして引きずる映画!
この映画を観終わった後に爽快感やカタルシスは一切なく、人間の醜い部分を見せつけられたようなイヤ~な気分になると思います。
けれどだからこそ本作は一度は観ておいて損のない、隠れた名作ではないかと思うのです…
↑全裸でうつ伏せになっている人々の前に立つ一人の男!!
本作は、こんな異様な作品なのです!!
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
…縛り首にされた兄の怨みを晴らすため、単身無法の街に乗り込むさすらいのガンマンの活躍??
えっと。
まず主人公のハットは、さすらいのガンマンではなく、幼い頃にブラックストーンという街に住んでいた男!
彼は賞金稼ぎとして名の通っていた男ですが、実兄が街の住人にリンチされて殺されたと聞き、久しぶりに地元へと帰ってきました。
なぜハットの兄が街の住人にリンチされて殺されたのか?
それは、彼が銀行の金10万ドルを盗んだという容疑をかけられたから!
重傷を負った兄を捕えた街の住人たちは、彼が盗んだ金の在り処を喋らない事に激怒して、殴る蹴るの暴行を加えただけでなく、死体をバラバラにした上に埋葬を拒否して死体を放置していたのでした
…でも、暴行を受けても金の在り処を喋らなかったという事は、ひょっとしてハッドの兄は無罪だったのでは?
ハッドが久しぶりに故郷の街に帰って来た理由は、それを確かめたかったから!!
↑何故、兄はリンチされて殺されたんだ…
果たして兄は本当に金を盗んだのか?そして、もし兄が冤罪だったとしたら、兄を惨殺した町の住人には、正当な裁きが下されるのか?
真実を解き明かそうとするハッドですが、街の住人たちは、処刑した兄の復讐のために殺される事を怖れて、保安官にハッドを始末するよう強要します!
↑街の代表者たちはリンチの責任転嫁で大喧嘩!!
おまえが殺しんだろ!いや。お前だって!!
ブラックストーンを守るために、全ての人間に銃の所持を禁止していた保安官は、彼らの要望を聞き入れ、ハッドが街に入る前に接触し、武器を預かる事に成功するのですが、街に入ったハッドに向かって、住人の凶弾がハッドめがけて発射されたのです!!
↑なぁハッド、街の住人は銃を持っていない。
君も、ワシを信用して銃を預けてくれ😊
↑ところがハッドが街に入った瞬間に銃撃が!!
ハッドは咄嗟に保安官の銃で反撃!
「おい保安官。これが銃のない平和な街なのかい?」
さて、果たしてハッドの兄は、本当に銀行の金を強奪していたのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
↑兄をリンチした人間の中には、兄の妻の父親まで!
本当にこの街は平和な人々の暮らす街なのでしょうか…
なぜ、街の人々がハッドの兄をリンチしたのか?
それは自分の金を取り戻したいから!!
そう。
この街の人が愛しているは平和ではなく自分の金!!
だからこそ本作の後半では、金欲にまみれた街の住人たちの行いによって、街自体が崩壊し、人々の本性がむき出しになってゆきます!
↑俺の金!私の金!金!金!金!!!
保安官が理想としていた平和の街の実態は、金を奪い合う醜い人々が蠢く欲まみれの街!
誰も責任を取らず、街のために戦う者もおらず、クモの子を散らすように逃げ惑う街の住民を見て、ハッドは静かに去ってゆきます。
ハッドが探し求めた兄の無実も、正統な裁きも、この街には存在しなかったのです…
↑ハッドが手を下すまでもなく、
ブラックストーンは腐り果てていたのです…
という訳で次回は
メキシコ革命哀史
というテーマで
復讐無頼・狼たちの荒野
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆