こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力とマカロニ大活劇というテーマで
続・荒野の用心棒
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
本日会゛つさせて頂くのは、ジャンゴ伝説の元祖となった続・荒野の用心棒。
発掘良品にセレクトされている作品ですので、過去に一度ご紹介しておりますが、今回マカロニ・ウェスタン特集を行うにおいて、ジャンゴというキャラを説明しないのもどうかと思いましたので、今回は続・荒野の用心棒のストーリーを解説しながら、映画ではハッキリとは語られていないジャンゴというキャラを徹底分析してみたいと思います😄
★注意★
今回は、ジャンゴという人物を分析するために、映画前半部の詳細を解説していますので、ご覧になる際にはご留意頂ければと思います。
↑お棺を引きずるガンマンの正体とは!?
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
はい。
解説にもある通り、本作がクリント・イーストウッド主演の荒野の用心棒とは何の関係もない事はもうご存知だと思いますので、今回は言及しません。
続・荒野の用心棒は、どんな話なのかを時系列を追って説明すると…
①オープニングで、ジャンゴのテーマを背景に、男が一人お棺を引きずりながら荒野を歩いてゆく。
②男はドロドロのブーツとズボンを履いており、それは南北戦争時の北軍のものである事が確認できる。
↑映画開始10秒以内に分かるジャンゴの靴とズボンの秘密!
③南北戦争は北軍が勝利したので、男は凱旋して良いにも関わらず、只一人南軍の本拠地だったメキシコ付近の荒野を徘徊していると分かる。
↑勝者なのに、一体どうして徘徊しているの?
④そんなメキシコ付近の街は、南北戦争による敗者と、メキシコ革命によって亡命してきたメキシコ革命軍の農民たちによる権力争いが勃発し、無法地帯と化していた。
⑤ジャンゴが歩いて行くと、荒廃した街から逃げ出したマリアという娼婦が、荒野でメキシコ革命軍の下っ端に捕えられ鞭打ちされている。
⑥マリアは泣き叫び、背中は血にまみれになるが、見ていたジャンゴは助けようとはしないので、この時点でジャンゴはマリアに関心がない事が分かる。
↑メキシコ革命軍がマリアを拷問しても男は無関心。
⑦けれどその後現れた南軍の残党部隊が、メキシコ革命軍を殺害してマリアに近づいて行くと、男は南軍の残党を瞬殺する。
↑南軍が現れると男は豹変し、彼らを皆殺しにする!
⑧ここまでの展開で、北軍に所属していた男の標的は、マリアでもメキシコ革命軍でもなく、南軍の残党である事が分かる。
⑨男はマリアに対して自分の名をジャンゴだと名乗り、マリアにメキシコに逃げても良いし、自分と一緒に逃げて来た街に行って一仕事しても良いともちかけ、マリアはジャンゴと行動を共にする事にする。
↑その橋を渡ればメキシコ行けるが、俺と来てもいいぜ!
⑩マリアは、元南軍の娼婦で、メキシコ革命軍の元へと逃亡したが、そちらでも酷い扱いを受けていた女性。彼女が迫害を受けた理由は、白人とメキシコ人のハーフという孤立した存在であり、行き場のないマリアは、危険を承知の上でジャンゴと街に戻る事にする。
⑪たどり着いたマリアの街は、元南軍の残党と、盗賊のようになっているメキシコ革命軍の勢力争いでゴーストタウン化しており、酒場しか営業していない。
↑荒野以上に荒廃したマリアの住んでいた街。
⑫宿泊のためにジャンゴが酒場に入ると、訳アリのマリアが同行しているのを見た店主は、彼女の宿泊を拒否するが、ジャンゴは強引に宿泊させる。その後、南軍の三下に成り下がっていた牧師が、みかじめ料を徴収するために酒場を訪れると、ジャンゴは彼を侮辱し、南軍の残党を率いるジャクソン少佐を連れて来るよう挑発する。
⑬ジャクソン少佐率いる南軍の残党は、すでに暴徒と化しており、遊び半分にメキシコ人を撃ち殺してい遊んでいたが、ジャクソン少佐は牧師の話を聞き、ジャンゴを脅しに酒場へ向かう。
⑭ジャンゴは、酒場にやって来たジャクソン少佐の部下を瞬殺し、残っている部下の数をジャクソン少佐に尋ねる。少佐が40人だと答えるとジャンゴは、全員を連れてこいと言ってジャクソンを逃がす。
↑ジャンゴを取り囲んだ部下たちはあっという間に全滅!!
⑮約束通りジャクソン少佐は、フル武装し40人の部下と共に現れるが、ジャンゴは棺桶に隠しておいたガトリングガンを取り出して40人を皆殺し、少佐は再び逃走する。
↑今度は戦争だ!!
⑯その後、死体を墓場に埋葬している酒場の主人に向かってジャンゴは、自分は友人をジャクソン少佐に殺され、復讐しに来たと語ったのです。
はい😄
これで、西部の都市伝説ジャンゴとはどんなキャラなのか、大体お分かり頂けたかと思います。
ジャンゴ・ルール①
ジャンゴは、敵に友人を殺された元兵士。
ジャンゴ・ルール②
友人の復讐だけを自制の目標にしているジャンゴは、
愛や歓びなどを放棄したリベンジャー。
ジャンゴ・ルール③
人間らしさが欠如しているので笑わず
まるで幽霊のような雰囲気。
ジャンゴ・ルール④
復讐者を自らの手で殺せる腕を持っている。
と、こんな感じで大体のジャンゴ像はお掴み頂けたのではないでしょうか?
女性に色目も使わず、神の使徒である神父にも敬意を払わず、復讐を遂げるまで、何人殺そうと躊躇しない。
それが、ジャンゴというキャラクターなのです😄
↑ジャンゴは復讐者(リベンジャー)なのです!
けれどジャンゴには、リベンジャー故の弱点が存在します。
それは復讐後の人生プランが全くないという事!
ですので映画の後半では、私利私欲に走ったジャンゴは、彼の手に入れた金も、銃の腕も、自尊心も、全て失ってしまう事になるのです…
さて、映画の後半でジャンゴは、一体どんな行動をしてしまったのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
↑映画後半のジャンゴ。一体彼の身に何が!?
本作は、登場人物が自分の心情を全く語らない映画。
ですので、画面で起こっている事だけを見ていると、何がどうなったかのかよくわからないままエンディングを迎えてしまうかもしれません
けれどもし観客がジャンゴ自身の立場になって、友人を殺された復讐者とは、どんな心情なのだろうとか、なぜハーフのマリアは、危険を承知で街に戻る事にしたのだろうとか、復讐をほぼ終えたジャンゴが失敗した理由は何だろうとか、大混乱の中、死を覚悟していた酒場の店主の心情はどんなものだったのだろうと考えた時、本作の面白さは、きっと数倍に跳ね上がると思います。
そう。
映画の登場人物の心の中を想像する余地が残されている映画というのは、観客自身に映画の内容を補完する楽しさを残してくれている素敵な映画でもあるのです😘
↑最初マリアを煙たがっていたはずの酒場の主人は
彼女を救うために何故命を投げ出したのか?
語られない彼の心情を想うと泣けて来るのです…
という訳で次回は、折角ですので本作にオマージュを捧げたタランティーノ監督作品である
ジャンゴ 繋がれざる者
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆