こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘というテーマで

 

ベルベット・ゴールドマイン

 

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

異星より来た架空のスーパースター

 

皆さんは故デヴィット・ボウイ氏のジギー・スターダストというアルバムをご存知でしょうか?

 

 

ジギー・ダストの原題は

The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars

 

↑「The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars」

 

 

とても長いタイトルですが、翻訳すると

 

ジギー・スターダストと

ザ・スパイダーズ・フロム・マーズの栄光と転落

 

という感じでしょうか?

 

↑ちなみに1972年リリース時の邦題は

 「屈折する星屑の上昇と下降、そして火星から来た蜘蛛の群」

 …だそうです汗

 

 

このアルバムは、人類滅亡の危機に、異星よりやって来たバイセクシャルのロックスターのジギー・スターダストの物語を描いたコンセプトアルバム!

 

 

ビートルズが、サージェント・ペッパー・ロンリーハーツ・クラブバンドという架空のバンドのコンセプトアルバムを作ったの同様、本作もデビッド・ボウイとしてではなくジギー・スターダストのアルバムとして作られています。

 

↑こちらがジギー・ダスト氏!

 

 

そして本日ご紹介させて頂くベルベット・ゴールドマインという映画は、このジギー・ダスト伝説と極めて深い関連性がある作品なのです…

 

 

 

 アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

70年代前半に流行したグラム・ロック・ムーヴメントを背景に、あるスーパースターの肖像を描き出した一編。監督・脚本は「ポイズン」のトッド・ヘインズ。製作は「ポイズン」「KIDS」「I SHOT ANDY WARHOL」のクリスティーヌ・ヴァション。製作総指揮は「愛・アマチュア」のスコット・ミークと、アメリカを代表するロック・バンド“R.E.M.”のヴォーカリストであるマイケル・スタイプ、そしてサンディ・スターン。原案はジェームズ・ライオンズとトッド・ヘインズ。撮影は「ポイズン」「クラム」「モハメド・アリ かけがえのない日々」のマリース・アルベルティ。音楽監修は「KIDS」「普通じゃない」「ガンモ」のランドール・ポスター。作曲はカーター・バーウェル。美術はテレク・ジャーマン作品で知られるクリストファー・ホッブス。編集は「ポイズン」のジェイムズ・ライオンズ。衣裳は「マイケル・コリンズ」のサンティ・パウエル。出演は「普通じゃない」のユアン・マグレガー、「マイケル・コリンズ」のジョナサン・リース・マイヤーズ、「ハッピィブルー」のトニ・コレット、「ある貴婦人の肖像」のクリスチャン・べール、「アベンジャーズ」のエディ・イザード、「フル・モンティ」のエミリー・ウーフ、「英国式庭園殺人事件」のマイケル・フィーストほか。舞踏界の大物リンゼイ・ケンプも特別出演している。

 

 

おお。

 

ものすごい顔ぶれが集まって作られた映画ですね汗

 

 

 

本作は、70年代のグラム・ロックにおける伝説的大スターのブライアン・スレイドという人物について探っていくヘラルド紙の記者アーサーが主人公。

 

 

80年代になって音楽と一線を画した生活を送っていたアーサーですが、彼が青春を過ごした70年代はグラム・ロックが世界を席巻していた時代。

 

 

ブライアン・スレイドは、そんな時代に神のような存在として君臨していたカリスマ・ミュージシャンであり、アーサー憧れの人でもあったのですが1974年のライブ中に客席から銃撃され、コンサート中に死亡したと報じられていたのです!

 

↑伝説のグラムロッカーであるブライアン!

 

↑そんな彼はコンサート中に息を引き取りました…

 

 

 

 

えっ!

 

それって本当!?

 

 

 

いいえ。

 

世界中のファンが、ブライアンの死を嘆き悲しんでいた時、実はブライアンが殺されたというのは舞台上での狂言だったと判明し、ファンたちは怒り狂い、ブライアンはその後、音楽業界を去って音信不通となってしまったのです。

 

↑ファンを欺いたブライアンは行方不明に…

 

 

アーサーは、ブライアンの元マネージャーや、離婚した妻、そしてメンバーたちにインタビューを重ねながら、彼の実像を探る事にしたのですが、インタビューで浮かび上がってきたのは、社会に受け入れられない自分を、グラム・ロックの力で認めさせようとしていた美しくも悲しい、迷える求道者のようなブライアンの姿だったのです!

 

 

さて、アーサーのブライアン探しの旅には、一体どんな結末が待っていたのでしょう?

 

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑退廃的で物議を醸し続けたブライアンのパフォーマンス!

 

 ↑アーサーは、ブライアンのどこに魅力を感じていたのでしょう?

 

 

 

 

生きているレジェンドの映画ではなく…

 

もう皆様もお気づきだとは思いますが、ブライアンのモデルは明らかにデビッド・ボウイ!

 

↑こちらデビッド・ボウイ!

 

↑こちらブライアン・スレイド!

 

 

70年代初頭、デビッド・ボウイが、宇宙からやって来た救世主ジギー・ダストと名乗っていのと同様、ブライアンもマックスウェル・デイモンという宇宙的なキャラになっていたり、当時ボウイの恋人だったイギー・ポップによく似たカート・ワイルドというミュージシャンが登場したり、デビッド・ボウイ自身がある日突然、ジギー・ダストである事を辞めてしまったのと同様、マックスウェル・デイモンである事を辞めてしまったりという展開は、まるでデヴィッド・ボウイの半生を映画化したような内容なのです!

 

↑イギー・ポップとドラッギーな生活をしていたのと同様に

 カートと破滅的な生活を始めるブライアン!

 

 

という事は、本作はデビッド・ボウイの自伝映画?

 

 

いいえ。

 

 

本作においてブライアンがデビッド・ボウイという名前でないのは、ポウイ本人から許可が下りなかったから!!

 

 

 

…という事は、本作が自伝の訳がないですね汗

 

 

つまり本作は、デビッド・ボウイ半生を描いた映画ではなく、デビッド・ボウイのような存在に触発され青春時代を過ごしたアーサーの物語なのです!

 

↑主役はブライアン(デビッド・ボウイ)ではなく…

 

↑バイセクシャルな衣装を着たブライアンを観て

 「これは僕だ!」と叫んでいた若き日のアーサーの物語!

 

 

自分がゲイである事を隠して生活していたアーサーは、ブライアンがマックスとして活躍してくれた事で、誰にも明かす事ができなかった自身の嗜好をカミングアウトする勇気をもらいます!

 

↑そう。僕もブライアンみたいな存在なんです。

 

 

 

そう。

 

 

アウトサイダーな人間にとっての常識的な世界とは、自分の性格や嗜好を異常だと断罪する孤独な世界!

 

 

けれどそんな世界に、宇宙からやって来たミュージシャンが現れ、君のような生き方でも良いんだと言ってくれたならきっと、マックス=ブライアン(デビッド・ボウイ)は、本物の異世界から来た救世主だ゛ったのではないでしょうか?

 

↑ああ。彼のように生きていいんだドキドキ

 

 

本作を作ったトッド・ヘインズ は、芸である事をカミングアウトされている監督。

 

だからきっと本作は、デビッド・ボウイの半生を描いたものではなく、デビッド・ボウイによって救われたトッド・ヘインズ監督の半生を描いた自伝なのだと思います…

 

↑ある日、ジギー・スターダストというキャラを辞めたボウイ。

 アーサーを救いに来た救世主は、突如消えてしまいました!

 本作は、、そんなデビッド・ボウイという存在との出会いと別れを描いた

 私小説のような作品なのです…

 

 

 

という訳で次回は

 

諦観した子供

と言うテーマで

 

クリスマス・ツリー

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

合格おまけ合格

 

①デビッド・ボウイの出演している映画に興味がある方へ…(その1)
 「ラビリンス/魔王の迷宮」



音譜ラビリンス/魔王の迷宮の回はコチラ

 

②デビッド・ボウイの出演している映画に興味がある方へ…(その2)
 「ハンガー」




音譜ハンガーの回はコチラ

 

①イギー・ポップの出演している映画に興味がある方へ…(その1)
 「SUCK」



音譜SUCKの回はコチラ