こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日も
想像力とタイトルの女
2019
というテーマで
悪い女
という映画を
ご紹介させて頂ければと思います。
寂しい女性
悪い女という邦題は
インパクトがあるタイトルですね!
けれど、本作に登場するのは
悪い女ではなく、孤独で寂しい女性なのです…
↑寂しい女性が主人公なのです…
アバウトなストーリー
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば
本作の解説は以下の通り
SEXすることで
他人との繋がりを確認していたTamar。
彼女は村に戻って来たShayと恋に落ち、
自らの行動も改めようとする。
だが妊娠と共に情緒が不安定になり…。
身体を重ねることでしか安心できない、
不本意に男を弄ぶ女を描いたエロスドラマ。
…こ、これは
あまりにも男性視点の解説ですね
(-"-;A
本作の主人公は
イスラエルの辺境で卵を売って暮らしている
シングルマザーのタマラ。
↑鶏に卵を産ませて売っています。
二人の娘はかわいく
家族は幸せそうに見えますが
村の複数の男たちと関係を持っているタマラは
娘たちの目の届かないところで
昼も夜も、男に身を任せて暮らしていました。
↑人がめったに来ない卵売り場は
絶好の逢瀬スポットです。
けれど、そんなタマラの前に
シャイという村外から来た男が現れます。
獣医をしているシャイは誠実で
とても優しい男。
実母が死に、遺品を処理するために
久しぶりに帰郷したシャイは
タマラに恋し、二人は相思相愛となって
家族として暮らすようになります。
↑タマラ。君の事が大好きだ
獣医としての仕事もあるシャイに
二人の娘もすっかり懐き
4人は、本物の家族の様になりますが
そんな幸せに反比例するように
タマラの顔から笑顔が消えていったのです…
↑愛のある日々となったはずなのに…
↑一人物思いに耽るようになるタマラ。
さて、幸せになったはずのタマラの心の中は
一体どうなってしまったのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目で
ご覧になって頂ければと思います。
↑二人は一体どうなってしまうのでしょう…
実存不安
本作の原題は
THE SLUT
SLUTとは、ふしだらとか
誰とでも寝る女という意味の蔑称。
本作は、状況説明がされない作品なので
それまでのタマラの生活は
観客の想像に委ねられる事になるのですが
二人の娘の容姿が全く違うので
恐らく二人は私生児。
↑こちらが、おねぇちゃん。
↑そして、こちらが妹。
髪の色も、顔の輪郭も全く違いますね…
彼女たちの父親は、村の誰かであり
タマラはそれを享受して
シングルマザーとして、二人を育てていますが
裏をかえせば、そんなタマラは
村の男性たちみんなから愛されているという事。
↑父親を探そうともせず
産まれた子供を受け入れているのですから
彼女と関係を持っている男性には都合の良い存在。
つまりタマラにとって
複数の男性を受け入れるというのは
村において、必要とされる存在でいられるという
実存の問題だったのです!
もちろん、そんな人生は
あまり良い生き方とは言えませんよね。
でも、そんな生き方を辞めるなら
タマラは、村に居場所がなくなってしまいます。
果てしない荒野のような辺境の村で
鶏の卵を拾って売る女性が
居場所がない存在となってしまったとしたら…
↑タマラは養鶏場を持っている訳ではなく
卵を拾って売っているだけです…
そう。
例え、シャイと幸せな生活が遅れても
村におけるタマラの存在理由は
なくなってしまうのです!
↑今まで村の男たちから受けていた寵愛を
すべて失ってしまうタマラは
この先どうやって暮らしていけば良いのでしょう…
タマラを、悪い女とか
ふしだらな女と断罪するのは簡単な事!
けれど、長年彼女と関係を持っていた
複数の村人は、悪い男とかふしだらと言われず
村での存在意義を見出していた
タマラだけを断罪するのはいかがなものでしょう?
本作のラストでは
実存不安に陥ったタマラの行動によって
衝撃の展開が待っています。
けれどそれは
決してタマラが悪い女だからではなく
村で生きて行くためには
これしか選択肢がなかったから!
人間は生きる場所を奪われてしまうと
人は実存不安を掻き立てられ
例え愚かな選択だったとしても
元の状態へと戻ろうとするものなのです…
↑その人にとって幸せな生活とは何なのかは
生きている状況が違う余人には
理解できないものかもしれないのです!
という訳で次回は
アリスとマルティン
というテーマで
溺れゆく女
という映画を解説してみたいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
おまけ
①「ふしだら女」というタイトルの映画に
興味がある方へ…
②自分の実存不安を超越し
死を選択できる女性が登場する映画に
興味がある方へ…
③自分の存在意義を構築する意義に
興味がある方へ…
悪い女 [DVD]
3,000円
Amazon |