こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日も
想像力とタイトルの女
2019
というテーマで
噂の女
ご紹介させて頂ければと思います。
邦画の〇〇の女
本シリーズでは基本的に
〇〇の女というタイトルの洋画をご紹介し
タイトルのイメージと
実際の内容のギャップを考察していく企画。
何故ならば、邦画における
〇〇の女というタイトルの裏側には
エロティックなイメージや
やさぐれた女性への侮蔑が含まれる場合が
少なくないからなのです!
↑邦画の〇〇の女の例:「0課の女 赤い手錠(ワッパ)」
内容は……エロティックな劇画です。
けれど、そんな邦画における
〇〇の女の持つ負のイメージを逆手にとって
観客に先入観を持たせる
本作のような珍しい作品も存在するのです
ヽ(=´▽`=)ノ
アバウトなストーリー
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば
本作の解説は以下の通り
「山椒大夫」の依田義賢と
「花のいのちを」の成澤昌茂が脚本を書き、
「山椒大夫」に次ぎ溝口健二が監督、
同じく宮川一夫が撮影を担当、
音楽は「昨日と明日の間」の黛敏郎が当っている。
主演は「女の園」の久我美子、
「股旅わらじ 恋慕笠」の大谷友右衛門、
「女の暦」の田中絹代、「昨日と明日の間」の進藤英太郎、
「殴り込み孫悟空」の峰幸子、阿井三千子等である。
えっと…
( ̄_ ̄ i)
作品の内容について
全く興味がなさそうな解説ですね
本作は、京都島原の廓を
女一人で切り盛りしている母親と
母の仕事を蔑み
東京で自殺未遂して帰って来た娘の映画。
↑ちなみに娘を演じている久我美子氏は
本作ではまるで
オードリー・ヘプバーンのようなのです
(*´∇`*)
娘が自殺未遂をした理由は
結婚を約束した相手の家族が、母親の仕事を知り
結婚を断って来たから!
娘にとって母の家業は
酔客に体を売る女性を斡旋している
女衒として映っていたのです。
↑こんな家に育ったばっかりに…
お母さんが恨めしい!
実家に戻って来た娘は
当初、廓の女性たちを軽蔑していますが
貧農の家の出身の彼女たちは
給金をもらって生活できる廓の生活に満足し
女性目線で彼女たちを養う母親に対して
とても感謝をしていたのです!
↑たくさんの太夫を養っている母親。
彼女たちは、人間的な生活できる暮らしに満足し
母親にとても感謝していました。
けれど、そんな母親は
廓と娘の幸せのために人生を捧げてきた女。
そんな彼女にとって
最近街にやって来た若い医師との関係は
人生で初めて訪れた本物の恋。
↑母親は、街の寄り合いで親しくなった医師と
相思相愛となっていました。
母親は、廓を担保にしてお金を借り
立派な診療所を借りる決意をしていましたが
そんな時、肝心の医師は
帰郷した娘と意気投合してしまったのです!
↑神経質だった娘を診察するうちに
親密になっていく二人!
二人は、母親に黙って逢瀬を繰り返し
一緒に東京で暮らす事にしようと相談するのですが
その話の一部始終を
二人の関係を怪しむ母親は、聴いていたのです!
↑あまりにも恐ろしい、この状況
さて、この母娘で男性を取り合うという
救いのない展開には
一体どんな結末が待っているのでしょう?
それは是非、皆さん自身の目で
ご覧になって頂ければと思います。
↑実家に帰り、次第に笑顔になっていく娘と
逆に鬼の形相になっていく母!
この二人の関係は、一体どうしなってしまうの?
噂の女は誰だ?
本作は邦題が「噂の女」ですので
作り手側としては
誰が噂の女なのかを観客に問いかける映画!
映画の冒頭では
東京で自殺未遂をして帰って来た娘が
地元で噂になっている感じですが
物語が進むうちに
廓を担保に入れてまで、若い医師に入れあげる
母親が噂の女に見えてきます。
↑劇中、狂言を観に行った母親は
老女の面をつけた役者が
年甲斐もなく恋に堕ちて笑われる劇を観て
いたたまれなくなって
劇場から出て行ってしまいます!
そう。
人生に絶望し自殺未遂をした娘も
若い医師に人生初めて恋心を抱いた母も
生き方としては真剣!
にもかかわらず部外者の目から見ると
自殺未遂の出戻り娘も
いい年なのに若い男に入れあげる母も
噂や嘲笑の対象なのです…
そして本作のすごいところは
そんな他者からの噂を気にしなくなった時に
女性は、それまでとは異なる
全くちがう人格へと変貌する可能性があると
描き切っているところ!
映画のラストシーンは
平和になった廓の遠景が移されるのですが
その時流れている音楽は
ちょっと怪談っぽい、不気味な音色!
本作のラストをハッピーエンドと観るか
それとも、人間の本質が描かれたものと観るかは
意見が分かれるところですが
皆様は、どんな印象を持たれるのでしょうか…
↑平和になった廓の遠景に流れる音楽は、
平和な雰囲気とは異なる
心の中が不安によるような奇妙な曲なのです…
という訳で次回は
ネタバレなタイトル
というテーマで
セリーナ 炎の女
という映画をご紹介したいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
おまけ
①ヘプバーンが噂の女となった映画に
興味がある方へ…
②変な噂で途方に暮れる父親の映画に
興味がある方へ…
③噂によって苦悩する女性の映画に
興味がある方へ…
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