こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日も
想像力と幽霊奇譚
というテーマで
ダゲレオタイプの女
という映画を
ご紹介させて頂ければと思います。
特定の人にしか見えない幽霊とは
一体どんな存在なのでしょう?
このシリーズで
本作品を選ばせて頂いた理由は3つ。
推薦理由①
特定の人だけに見える幽霊は
その人の心の闇から
生まれて来るのかもしれない
という事が
理解できる映画だから
主人公のジャンはごく普通の青年。
↑無職の青年ジャン。
ジャンはステファンという写真家の
アシスタントとして働く事になりました。
↑気難しい感じのステファン。
ステファンの撮影方法は
ダゲレオタイプという世界最古の手法。
↑異様に大きなステファンのカメラ。
ダゲレオタイプとは
銀板に直接ポジ画像を
時間をかけて焼き付けていくという
時間を要する撮影手法。
静物を写すのは良いですが
被写体が人間の場合
長時間カメラの前にいる必要があるので
結構大変ですね。
けれど出来上がった作品は
とても静謐な美しさのある写真なのです。
↑わぁ。すごく美しいですね。
ステファンのモデルになっているのは
一人娘のマリー。
↑作品の中のマリー。
ステファンは、より美しい作品を目指し
撮影時間を長くしていきます。
↑被写体が動くと写真がダメになるので
マリーは金属で固定されます。
20分、70分、120分…
反抗しないマリーに対し
ステファンは過酷な撮影を要求し
マリーは撮影の直後に意識を失ってしまうのです。
↑ずっとこの状態で2時間…
そんなマリーはある晩
突如、家の階段から転げ落ちます。
倒れて動かないマリーを見て
ステファンは、マリーが死んだと嘆きますが
ジャンが見ると意識を失っているだけ!
ジャンは病院に連れて行くために
意識のないマリーを車に乗せるのですが
夜中の運転でスリップし
車からマリーは投げ出されしまいます!
うわっ。
マリーは死んじゃった!?
いいえ。
なんと、マリーは意識を取り戻し
ジャンとも話せるようになり
ジャンは、マリーをステファンから守るために
自分の家に匿う事にします。
↑マリー。しばらく僕の家に泊まれよ。
ありがとうジャン。嬉しいわ!
良かったね!ジャン。
ヽ(=´▽`=)ノ
けれど、この映画は
この後、不可解な展開となっていくのです。
一体、どんな内容に?
それは是非、皆さん自身の目で
ご覧になって頂ければと思います。
↑マリーが死んだと思っているステファンに
事実を知らせず暮らす二人。
果たして二人は幸せになれるのでしょうか?
本作は、やや難解な映画。
ストーリーを説明するセリフがないので
何がどうなっているのか分からず
画面だけを観ていると
意味不明な映画のように感じられます。
けれど、描かれている事が分かると
本作は、ホラーというより
とても哀しい幽霊奇譚だと分かります。
↑ステファンとジャンという哀しい二人の男の
幽霊奇譚です。
ステファンは、マリーをモデルにする前
妻を被写体にしていましたが
彼女は突然、自殺してしまったんだと
ステファンはジャンに説明します。
けれど、それは本当なのでしょうか?
ステファンは、美しい作品作りのために
妻に長時間のポーズを要求し
その為に、筋弛緩剤を投与していたという事が
後になって判明します。
↑芸術のためには薬もやむなし。
筋弛緩剤は、人を殺す事もできる劇薬。
だからもしステファンが
長時間のポーズを保たせるために
致死量の筋弛緩剤を
妻に投与していたとしたら…
そして、その行為を
マリーにも行っていたとしたら!
↑撮影の直後、身動きできなくなっていたマリー。
本当に、単に疲れたから?
そう。
マリーが階段から落ちた時
彼女のまた母と同じく
命を失ったのではないでしょうか?
推薦理由②
人間が話す事は
常に真実とは限らない
ん?
でも、後にマリーは
意識を取り戻したんでしょ?
↑だって、ジャンの家に行った後
二人はとっても幸せそうに暮らしているよ!
えっと…
車から投げ出されたマリーが
意識を取り戻して元気になった理由は
映画で一切説明がありません。
そして、マリーが
ジャン以外の人と会話しているシーンも
一切出て来ないのです。
という事は
ジャンの見ているマリーは…
後に、ジャンが車で
事故を起こした場所を通りかかると
近くの住人がジャンに向かって
近くの川に何かが沈んでいるみたいだ
と言うのですが
ジャンは特に反応せず立ち去ります。
その何かはきっと
ジャンが見てはいけないもの。
だって、彼の目の前には
マリーが微笑んでいるのですから…
推薦理由③
辛い現実が
受け入れられない時
人は心の中で
理想の世界を作り上げる
↑あそこに沈んでいるものは、見ちゃだめだ…
ダゲレオタイプの作品は
どことなく死の匂いのする写真。
↑ステファンは、ダゲレオタイプを使って
仕事として、早逝した赤ん坊の写真を撮ってていました。
ステファンと共に仕事をし
写真のマリーに魅了されてしまったジャンは
彼女の死をうけいれられず
写真の中で生き続けているマリーと共に
暮らす事を選んだのです。
そう。まるで幽霊と暮らすように…
↑ダゲレオタイプは死の匂い…
と言う訳で次回は
キリスト教の
罪と罰
というテーマで
ギャザリング
という映画を解説してみたいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
↑本作は、ダゲレオタイプの写真に魅入られた
二人の男の全く違う悲劇が描かれている映画なのです。
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