こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日も
想像力と
発掘良品の発掘
というテーマで
ミザリー
という映画を
ご紹介させて頂ければと思います。
本作は、発掘良品には珍しく
みんなが知っている超メジャー作品!
ジャンルとしては
サスペンスやホラーに分類される映画ですが
実は、一部の方にとって本作は
自分の人生とシンクロして辛くなってしまう
哀しい映画でもあるのです!
このシリーズで
本作品を選ばせて頂いた理由は3つ。
推薦理由①
サイコホラーとしてだけでなく
主体性を奪われた作家の悲劇としても
側面もある映画だから
本作は主人公が雪山のロッヂに監禁され
孤立無援となるサスペンス映画。
↑人里離れた家に監禁される主人公!
けれど主人公を監禁した人間は
暴行や殺害目的ではなく
事故に遭い大怪我をしていた主人公を
救出して介抱してくれるのです。
↑暴行目的の監禁映画の例
純粋悪意の若者2人が善良な一家を監禁する
「ファニー・ゲーム」
↑殺害目的の監禁映画の例
狂人一家が家に近づいた人を皆殺しにする
「悪魔のいけにえ」
↑けれど本作の場合は
雪山でスリップした車に乗っていた男は
怪我を手当してもらい
暖かいベッドに寝かせてもらえるのです
ヽ(=´▽`=)ノ
… … …
(-"-;A
監禁者じゃなくて良い人じゃない?
はい。
事象だけを見ると
主人公を助けた元看護婦のアニーは
事故のあった現場の近くの山小屋に
一人で住んでいた善意の第三者。
↑アニーの適切な処置と介護によって
主人公は命を取り留めました。
けれどそれは主人公とアニーが
本当に無関係の第三者だった場合の話。
実は、主人公ポール・シェルダンは
ミザリーという大河ロマンス小説の作家であり
アニーが、ミザリーの大ファンだと分かって来ると
彼女の献身的な行動の裏に
熱狂的ファンならではの狂気が見えてくると
ポールの置かれている状況が
極めて危険なものである事が分かってきます!
↑私、ミザリーシリーズが大好き
あなたの一番のファンよ!
と告白された時、ポールは複雑な顔をするのです…
ポールにとってミザリーシリーズは
鬼っ子のような作品。
作家として芽が出ていなかった時に
食いつなぐために書いたミザリーシリーズが
思いがけず大ヒットしたために
彼は人気作家となり裕福になれたのですが
その結果、彼はラブロマンス作家として認識され
彼が本当に書きたかった小説を
書くことができなくなってしまったのです!
↑ライトな読み物っぽいミザリーシリーズ。
これが俺の代表作…
ポールは、そんな人生と決別するため
シリーズを完結させる事を決意し
小説の中でミザリーを殺してしまっていたのです!
↑最終巻「ミザリーの子供」は、まもなく販売開始!
けれど、熱くミザリーを語るアニーは
まだシリーズが終わってしまった事を知りません!
↑大好きなミザリーの作者を看病出来て感激!
もうすぐ新刊が発売ね
ミザリーがどんな活躍するか楽しみなの
できれば逃げ出したい状況ですが
事故で両足を複雑骨折しているポールは
外に出る事はおろか
部屋から出る事できなかったのです。
そして新刊が発売され
興奮して読み進めていたアニーですが
ラストまで読み終えた後
表情が般若のようにって怒り狂い
なぜミザリーを殺した!
とポールを攻め立て始めたのです!!
↑新刊読ませて頂くわ~
そして…
↑このヤロー!私のミザリーを殺しやがったな!!
ミザリーの熱狂的ファンのアニーは
大好きな作家とずっと一緒にいたいと思い
彼を保護している事を
誰にも教えていませんので助けも来ません。
さて、最愛のミザリーを
ポールによって殺されたアニーは
一体、どんな行動に出るのでしょう?
それは是非、皆さん自身の目で
ご覧になって頂ければと思います。
↑一人では歩く事はおろか
食事もトイレもできないポールにとって
激怒した熱狂的なファンは
生殺与奪の権利を持った存在となりました!
推薦理由②
籠の鳥の命は
飼い主に握られている!
映画の後半
アニーは熱狂的ファンであるだけでなく
過去に何度も、気に喰わない人間を殺害した
サイコパスだという事が分かり
ポールが絶体絶命である事が分かってきます!
↑看護学校時代および病院勤務時代に
気に喰わない人を殺し続けていた殺人看護婦アニー!
けれどよく考えてみると
作家ではない我々一般人にとっては
アニーはそんなに恐ろしい存在はない事が
分かってきます。
アニーはポールのファンではなく
ミザリーのファン。
だからこそ、ミザリーを殺したポールに怒り
憎しみをぶつけてきます!
↑てめぇ、いい気になりやがって!
ファンの私に断りもせず
何でミザリーを殺しやがったんだ!!
だから、小説を書かない人は
アニーに監禁される理由がありません。
つまり本作は
作家と作品のファンとの心の乖離を描いた
クリエイターのホラー映画
でもあるのです!
作家とファンとの関係とは
本来良好であるもの。
↑私の好きな小説を書いてくれて
どうもありがとう!
けれど、ファンに支持されていた作家が
期待そわない作品を書き始めると
ファンは突然、作家の敵となって襲いかかります!
曰く…
前の作品の方が良かった!
才能が枯れちゃったのかな?
もうオワコンでしょ。
最近の作品は読む価値ないよね。
…こんな事を言われ
作家の新しい挑戦に唾するファンは
作家にとって恐怖の存在!
ポールは、凶暴なアニーに
新しいクリエイションを全否定され
ミザリーシリーズを終わらせるな!
続編を書け!
と宣告され、有無を言わさず
ミザリー復活編を欠かされる事となります。
↑命の危険を感じたポールは
アニーのために、ミザリーの復活という話を書き
アニーは狂喜乱舞します!
でも、これと同じ状況って
監禁されてなくてもあるのではないでしょうか?
世の中の多くの作家たちは
実は、本当に書きたいもの書いているのではなく
ファンや出版社が望むものを
期待通り書かされ続けているのだとしたら…
そう。
本作の恐ろしさは
実はアニーに監禁されていなくても
作家の多くは生きていくために
強制的にファンの期待に応える作品を
書かされ続けているという
入れ子構造となっているからなのです!
↑ポールの命を握っているアニーは
自分が気に入った展開になっているかをチェックします!
まるでアマゾンなどで
ファンが身が手に作家の作品を批評するように…
推薦理由③
作家にとって一番恐ろしいのは
ファンなのかもしれない
本作の原作はスティーブン・キング。
人気作家である彼も、きっと心の中で
ファンの期待に応えなければ作家生命を奪われる
という恐怖を感じながら
小説を書いていたのだと思います。
と言う訳で次回は
セルジオ・レオーネの
マカロニ魂①
というテーマで
夕陽のガンマン
という映画を解説してみたいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
↑ファンは身勝手に作家の生命を弄び
作家はファンを憎みながらも彼らに依存して生きている。
アニーに監禁されるポールの姿は
全ての作家たちの心象風景でもあるのです!
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