こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日も
想像力と貴君の名は。
というテーマで
御先祖様万々歳!
という作品を
ご紹介させて頂ければと思います。
前回のマイマイ新子と千年の魔法は
映画の表現手法を取り入れたアニメ映画!
↑「ニューシネマ・パラダイス」の
映画に夢中になっていた昔を思い出させるシーン
「マイマイ新子と千年の魔法」でも使用されています。
では、演劇の手法を取り入れたアニメは
存在するのでしょうか?
このシリーズで
本作品を選ばせて頂いた理由は3つ。
推薦理由①
会話主体の演劇の手法を
アニメに応用した
極めてロジカルな作品だから
本作の副題は
「超時空家族四方田家の栄光と没落」です。
そう!
本作は1983年の映画「積木くずし」などで
問題が顕在化しつつあった
家庭崩壊をテーマにしたアニメなのです!
…というと
子供の暴力の映画?
( ̄_ ̄ i)
いいえ。
本作で描かれているのは
直接的な暴力による家庭崩壊ではなく
平凡な家庭の中に潜んでいる崩壊のキッカケと
崩壊した後の家族の行く末を描いていく
滑稽でもあり、同時に恐ろしくもある
皮肉に満ちた寓話なのです。
↑ある日突然やって来た一人の美少女によって
父、母、息子の3人家族が
家族の絆を崩壊させて破滅していく話です。
本作で描かれるているのは
家族一人一人が
自分の主張をギリギリのところで抑え
なんとか家族としてのカタチを保っている
四方田家の人々。
親との関係にうんざりして
何かキッカケをみつけて
早く、家から出て自由に暮らしたい息子
↑今の暮らしにウンザリの息子、四方田犬丸。
家族への愛情はとうに覚め
義理と諦観で父親を演じている無気力な父親
↑休日に家でゴロゴロしている父。
理由は、とっくの昔に
家族との対話に希望を見出せなくなったから。
家族を恫喝し統括する事で
自分の生き方を押し通そうとしている母親
↑ガミガミと家族を恫喝する妻。
けれど、彼女の恫喝がなかったとしたら
共に住む目的を見失っている家族は
崩壊していたはずなのです…
ああ。
こういう家庭って、ありますよね
(-"-;A
自分の家は希望に満ちた家庭でない事を
家族全員がなんとなく理解していて
それでも家庭を崩壊させるほどの理由もなく
なんとなく惰性で家族でいる…
そんな家族の元に突如
自分はタイムマシンで
未来からやった来た犬丸の孫であり
御先祖様と一緒に暮らしたい!
という美少女が現れたとしたら
家族は一体どうなってしまうのでしょう?
それは是非、皆さん自身の目で
ご覧になって頂ければと思います。
↑突然、犬丸の事を「おじい様~」と
抱き着いて来た少女!
さて、今の家族にうんざりしていた犬丸は
どんな反応をするのでしょう?
…そんな、バカな話あるか!!
ヽ(`Д´)ノ
そう思うかもしれませんが
ちょっとだけ考えてみてください。
もし犬丸くんが
今の家族にウンザリしていたとしたら
この女の子を嘘つき呼ばわりして
追い出してしまったら
また、前と変わらない生活に戻るだけですね。
そして、父親の場合は
礼儀正しく自分を尊敬してくれるひ孫が
傍にいてくれるようになったら
絶望的だった人生に輝きが戻りませんか?
↑すごく素直で礼儀正しい女の子は
四方田麿子と名乗ります。
けれど、この状況を受け入れると
母親は自分の居場所とイニシアチブを失ってしまいます。
当然は母親は彼女を追い出そうとして
麿子が身内だという証拠を見せろと言いますが…
↑突然の訪問者に
未来から来た子孫だという証拠を見せろ!
と恫喝する母親。
麿子は、証拠を持っていたのです!!
↑勝ち誇ったように証拠を見せる麿子。
焦った母親は、父親に対して
自分を選ぶか、麿子を選ぶかを問いますが
答えは…もうお分かりですね。
本作は、倦怠期にある家庭の脆さや
崩壊の端緒を描いていくのです。
↑父と息子の結論に絶望して家を出ていく母親。
ああ…ささいなキッカケで
家族は簡単に崩壊していくものなのです。
推薦理由②
倦怠期の家族は
崩壊するキッカケの発生を
待っているかもしれない
本作は、そんな家庭崩壊の様子を
会話中心の演劇のように
徹底して論理を駆使して描写していきます。
↑犬丸は、麿子の言葉を信用していませんが
手詰まりの家族の物語に
新しい展開を呼び込むために信じたフリをします。
けれど、手詰まりになった時
無理矢理新しい展開を望むことは
逃避しただけなので
更なる手詰まりを引き起こすだけ
という事を、後に言葉で説明するのです!
本作を監督した押井守氏は論理の人!
頭の中で徹底的に考察して
導き出された答えを映像にしていく
ロジカルなアニメ監督。
そんな押井氏の頭で考え尽くされた
感情と惰性と甘えと責任で複雑に結ばれた
家族という不思議な関係の考察は
一聴に値するものとなっているのです。
↑ずっと犬丸の言う事を素直に聞く麿子。
果たして彼女の目的は…
推薦理由③
徹底的に考察していくと
家族という何気ない存在の
価値に気づける!
本作は、1989年の作品ですが
10年後の1999年に
本作とよく似た、家族崩壊の映画が
アメリカで公開されます。
その作品の名は
アメリカン・ビューティ
↑コメディと言われていますが
本作もまた「明朗家庭崩壊喜劇」なのです。
娘の友達に恋してしまった父親は
崩壊しかけていた家族で
唯一、父親という役割を任じていのですが
ついにそれを辞めてしまいます。
↑お前らの身勝手にはウンザリだ!
俺も夫や父親を辞める!!
家庭を崩壊さてしまえば
家族という関係は消滅します。
けれど、その先に待っているのは
誰とも繋がれなくなった
空き缶のような虚ろな人生ではないでしょうか…
↑家族を崩壊させれば
残されるのは自分だけなのです…
と言う訳で次回は
60年代タッチの再現
というテーマで
LUPIN THE IIIRD
血煙の石川五ェ門
という映画を解説してみたいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
↑「御先祖様万々歳!」は全5話からなるOVAですが
後に「MAROKO」という
1本の映画にまとめられました。
けれど、ストーリー展開や間の取り方
そしてオープニングに挿入される
都々逸で語られる鳥の家族の物語など
OVAの方が優れていますので
可能でしたら、OVAをご覧いただくことを
お勧めいたします
ヽ(=´▽`=)ノ
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