こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日も
想像力とタイトルの女
というテーマで
私は「うつ依存症」の女
という映画を
ご紹介させて頂ければと思います。
人間の心の中とは
明快に分析できるものなのでしょうか?
分析とは、複雑な事柄の原因を見つけ出して
どうなっているのかを明確にする事。
けれど、人間の心の中は
他者がどうなっているかが分析できてしまうほど
単純なものではない気がするのです…
↑人の悩みを、他者が分析して解決する事は
事実上不可能なのでは…
このシリーズで
本作品を選ばせて頂いた理由は3つ。
推薦理由①
著者自身が体験した
うつ状態の自分の精神状態を
第三者の目ではなく
当事者の視点で
映像化した映画だから
本作の主人公のエリザベスは
ハーバート大学の学生。
エリザベスには文学の才能があり
幼い頃に自身の身に起こった
父母の諍いを文章化したものが評価され
ライターとしての未来を期待され
ハーバートに入学が許可されたのでした!
↑心の中を描くことができる才女エリザベス。
けれど彼女は才能と一緒に
他者には分からない悩みを心に宿している
少女だったのです。
↑高校時代は変わり者として扱われ
友達がいなかったエリザベス。
大学初日にも、彼女の心は動揺しています。
「他者との乖離」ですね。
そんな彼女の母親は
彼女の未来に対して過剰な期待を抱き
あらゆる事に意見してくるタイプ。
↑あなたは天才なのよ!
才能を無駄遣いしないで!
学校生活で堕落しないよう気をつけて!
一方的に理想を押し付けてくる母親に対し
エリザベスは厳しい事で言い返し
その言葉に激高した母は
更に厳しい言葉でエリザベス言い返して…
二人の会話は
緊張感と苛立ちと自己主張で
落としどころのない
グチャグチャなものとなっていくのです!
↑母の過剰な期待は…
↑エリザベスの心を苛立たせ…
↑そんな娘の態度に激高した母親は暴言を吐き…
↑その暴言に対して、更なる暴言で返し…
… … …
(-"-;A
ひょっとして二人は憎み合ってるの?
いいえ。
むしろ二人は
お互いを労わり大切にしている間柄。
↑二人はお互いを大切にしています。
けれど彼女たちは二人とも
感情を制御できない性格だったのです。
↑さっきまで楽しそうだっのに…
↑一瞬後には癇癪が爆発!!
そんな彼女だからこそ
他者には見えない他者の心も感じ取れ
大学ではミュージシャンの
ルー・リードに対する評論を書きあげて
ジャーナリズム賞を受賞します。
↑他者と異なる視点で世の中が見えるからこそ
優れた評論はできるのです!
けれど、その後
雑誌にコラムを寄稿して欲しいと頼まれると
彼女は行き詰ってしまいます。
↑想いをコントロールできない時は駄文の山!
ある日突然、想いを文章に託すことも
他者と仲良く会話する事も
制御不能になってしまうエリザベスは
一体どうなってしまうのでしょう?
それは是非、皆さん自身の目で
ご覧になって頂ければと思います。
↑私なんてクズだ!死に絶えたい…
本作の原作は
エリザベス・ワーツェル自身!
↑エリザベス・ワーツェル。
つまり本作は
彼女自身の心の中の状態を
赤裸々に綴った自伝の映像化なのです。
↑もちろん恋もしますが
彼氏との関係も、心が邪魔をします。
ですので、もし皆さんが
彼女のような心の悩みを持っていないのなら
本作は、意味が分からないかもしれません。
けれど、エリザベスと同じように
心が制御できずに自分や他人を傷つけたり
神経過敏な方が周囲にいらっしゃる方にとっては
本作は、彼らの心の中が描かれた
誰も読むことができなかった
心の中を描いた日記
のようなものなのです。
推薦理由②
他者の心の中は
その人自身が表現しなければ
理解する事ができない
↑3つ以上の感情が同時に存在し
制御する事ができない状況を映像化したシーン。
彼女は、苦しみながらも
その苦しみを他者と分かち合う事ができないのです。
本作の原題は
PROZAC NATION
(プロザック・ネーション)
↑心がバラバラになる映画のタイトル。
プロザックとは抗うつ薬の事。
ネーションは国家ですので
これは、プロザックの処方する人が多い
アメリカの現状を描いた作品。
↑多くの人が抗うつ剤を処方してもらい
心を薬によって制御しなければ生きていけない現代。
エリザベスが自分と人を傷つけ続けるのは
性格が悪いからではなく
心の抑制が上手くいかずに暴走してしまうという
他者が治す事ができないもの。
そして、そんな人がいる事を理解し
彼らを追い詰めない事が
現代社会には求められるのだと思います。
心の苦しみが悲劇に繋がらないために…
推薦理由③
他者の心の中の苦しみを
第三者が治療できると考えるのは
不幸な結果を招く可能性がある
↑本作と前後した時期に作られたソフィア・コッポラの
「バージン・スーサイズ(少女の自殺という意味)」も
若い女の子の心の苦しみの映画。
↑周囲の人が治せると考える事こそ
心の病を追い詰めていくのかもしれません…
と言う訳で次回は
傷んだ心のさ迷う場所
というテーマで
虹蛇と寝る女
という映画を解説してみたいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
↑エリザベス・ワーツェル自身は
自分の心の中を文章化する事によって
理解され、結果的に救われたのではないでしょうか。
ブログなどの現代のツールは
そんな心の痛みの処方箋となるものかも
しれませんね…
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