こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日も
想像力も
発掘良品の発掘
というテーマで
オール・ザット・ジャズ
という映画を
ご紹介させて頂ければと思います。
ミュージカル映画の一般的なイメージって…
明るい!楽しい!感動的!
↑ロケーションを極めた野外ミュージカル「ラ・ラ・ランド」は
明るく、楽しく、感動的なミュージカルです
ヽ(=´▽`=)ノ
そしてもう一つのイメージは
女子向け!
↑トゥモロ~!は元気印の女の子の応援歌です!
(「ANNIE/アニー」より)
という感じではないでしょうか?
ところが発掘良品第二弾では
そんなミュージカルのイメージと正反対の
ダンディな男性向けだったり
政治的なメッセージが
込められていたり
異様な雰囲気だったりする
異端のミュージカルがセレクトされているのです!
このシリーズで
本作品を選ばせて頂いた理由は3つ。
推薦理由①
ダンディな男性の
語られざる内面を描いた
映画だから
オール・ザット・ジャズと言えば
シカゴという有名なミュージカルの冒頭で歌われる
オープニングで姉妹殺しのヴェルマが歌っている曲が
オール・ザット・ジャズです。
本作は、あのシカゴの脚本を担当した
ボブ・フォッシーという人の心の中を描いた
自伝的ミュージカルなのです。
自伝というと
自分の偉業を描いた作品?
いいえ。
本作の主人公は
ボブ・フォッシーがモデルのギデオン。
ギデオンは大人気の演劇の振付師ですが
とんでもない男!
彼の性格は
派手好き!
女好き!
超わがまま!
↑俺ってサイコー!!
本作は、そんなギデオンが
長年の無理がたたって死んでしまう
というミュージカルなのです。
( ̄□ ̄;)
なにそれ?
はい。
ギデオンは
絶対他者に弱みを見せない伊達男!
だから彼は
自分の体がどんどん弱っているに
誰にも何も言わずに死んでしまうのです!
↑周囲の人は知らない、彼の寿命…
ギデオンは、日々テンション120%の男!
朝起きると、熱いシャワーを浴び
大量の薬を飲み干し
目薬を差してスッキリとした男になって
仕事に向かいます。
↑朝一番、鏡に向かって決めポーズ
セリフは「イッツ、ショータイム!」
もちろんそれは
いつも通りのオレ様を演じるため!
大好きな酒もタバコも、絶対辞めません!
↑劇中ずっとくわえタバコ、そして痛飲!
そんなギデオンですので
演出している舞台の内容も破天荒!
なんと、別れた妻と今の愛人を
一緒に出演させるのです。
↑どうだ、こんな演出他の奴に出来るか!?
↑離婚した妻も出演させちゃいます!
家では別居している娘のダンスを鑑賞!
…普通これって修羅場ですよね。
( ̄_ ̄ i)
けれどギデオンにとってこれは
オレって
こなこともできちゃう
人間なんだぜ!
という自己アピールなのです。
↑オレ様だからできるんだぜ!イエイ!
推薦理由②
男子の本懐とは
一般常識を超越した
存在になれる事
けれど、そんな無茶ばかり続ける
ギデオンの心臓は、限界に来てしまうのです…
↑ああ。俺の人生は今日でフィナーレだ…
さて、伊達男ギデオンは一体
どんな最期を迎える事になるのでしょう?
それは是非、皆さん自身の目で
ご覧になって頂ければと思います。
ギデオンは周囲の人の声に一切耳を傾けず
自分の信じる道を突き進んでいきます。
↑今日も、振り付けを指導します。
ちなみに本作のダンスシーンは、本当にスゴイです!
彼は死に向かっていることを自覚していますが
何の対策も講じません。
当然、倒れて入院!
意識は次第に混濁し
最後の時を迎える事になるのです
(ノ_-。)
そんな、好きな事だけをして最後を迎えた
ギデオンの心の中って一体どんな感じなのでしょう?
ギデオンはダンディなので
自分の心の中で思っている本音を
元妻にも、愛人にも、娘にも
同僚にも、友達にも語りませんでした。
だとしたら観客である私たちにも
分からないですよね。
(-"-;A
けれど…
このミュージカルのすごい所は
そんなギデオンの心の中のラストステージを
キッチリと映像化しているのです!
↑さぁ、脳の中で人生のラストショーが開幕です!
心の中にはTVスタジオのような舞台。
MCを勤めるのはTVの人気司会者!
↑さぁ皆さん!お待たせいたしました、主役の登場です!
司会者の横で踊るのは右心臓と左心臓。
\(^▽^)/
↑お医者さんも脳内では舞台の盛り上げ役です!
主役はもちろんギデオン!
↑ギデオンさんの人生ラストステージです!!
(脳内ライブ中継!)
彼の人生最後のフィナーレは
彼の心の中で満場の観客に見送られて
派手に、そして華々しく終わりを迎えるのです…
↑娘にも祝福されるギデオン…
語られざる心の想いが映像となって駆け抜けます。
この映画を作った9年後
ボブ・フォッシーは60歳の若さで逝去します。
↑ボブ・フォッシー本人。
くわえタバコも、ギデオンにそっくりですね。
若くして逝ってしまったフォッシーですが
彼の心の中の人生最後の光景は
本作で映像化される事で
だれもが観る事ができる心象風景となり
永遠に残る事となりました。
俺の心は、こんな状態で死を待ってるぜ!
死ぬことを覚悟した人間が生前に
自分が死ぬ直前の心象を
ミュージカルとして作ってしまうというのは
普通出来ないこと。
言葉では語らず
自分のテリトリーであるミュージカルで
想いを残しておく。
これぞクリエイターとしての
ダンディズムの真骨頂ではないでしょうか?
推薦理由③
ダンディな男は
想いを言葉で語らず
作品で語る!
↑さらば、皆さん。
僕の人生の最後を観てくれてありがとう!
と言う訳で次回は
ジェンダーを超えた
ミュージカル
というテーマで
ロッキー・ホラー・ショー
という映画を解説してみたいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
↑本作のラストの脳内フィナーレは
涙なくして観れない感動のミュージカル!
ギデオンは歌います
Bye bye life
(さよなら人生)
Bye bye happiness
(さよなら幸せ)
Hello loneliness
(こんにちは孤独)
I think I'm gonna die
(俺はもう逝くよ)
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