こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日も
想像力と
ヒトラーの残影
というテーマで
シークレット・オブ・
モンスター
という映画を
解説してみたいと思います。
本日のテーマは
独裁者が生まれる生活環境。
アスリートや秀才は
教育する事によって生み出す事が可能ですね。
また信心深い人や、奉仕の精神を持つ人間も
教育によって生み出す事ができます。
では、独裁者というのは
教育によって生み出せるのでしょうか?
このシリーズで
本作品の推薦理由は3つ。
推薦理由①
独裁者的性格が育つ環境を
描いた映画だから
本作は
スートーリーを楽しむ作品ではなく
描いているテーマについて
観客がどう考えるかを問いかけて来る映画。
描いているテーマとは
独裁者的なマインドが
育くまれていく環境について
です。
この映画は
プレスコットという少年のお話ですが
彼には二つの問題がありました。
一人はプレスコット自身の性格的な問題。
↑プレスコット少年。
プレスコットは自我がとても強く
納得していない事には一切従わず
怒ると癇癪を爆発させ
何をしでかすか分からない少年。
↑思い通りにならない事をするのが
ものすごく嫌いな性格!
彼は、食事が気に食わなければ
母親がどんなに強く食べなさいと言っても
絶対に口にしようとしません。
↑食べない事を怒られると
自分の部屋に鍵をかけて出てきません。
…たしかに困った性格ですが
我が強い人だから
独裁者になるとは限りませんよね。
けれどプレスコットは家庭環境という
もう一つの大きな問題を抱えていたのです。
↑裕福な家庭環境のプレスコットですが
両親とプレスコットは上手くいっていません。
この映画の舞台は
第一次世界大戦終結直後のフランス。
アメリカ人の外交官の父と
ドイツ人の母親との間に生まれたプレスコットは
ヴェルサイユ条約締結のために
アメリカ大統領が訪欧したのに伴って
一家でフランスにやって来ました。
プレスコットにとっては
言葉も通じず友達もいないヨーロッパは
あまり楽しい場所ではありません。
↑映画内では同世代の子供遊ぶシーンは
一度も描かれません。
その上、父親は仕事のために外出
母親は教育を放棄しており
家族に楽しい会話はありません。
↑母親は、プレスコットと交流しようとせず
フランス語が話せるにも関わらず教えてあげず
気にくわない事がある度に罰を与えます!
そんな環境の中、様々な出来事によって
プレスコットの心の中には
憤怒と絶望と憎しみが育っていくのです…
↑怒りと絶望と不信と癇癪と憎しみと…
一体プレスコットはどんな体験をするの?
それは是非、皆さん自身の目で
ご覧になって頂ければと思います。
↑プレスコットの心の闇は
深く静かに積み重ねられていくのです…
本作は、一度最後まで見終わった後
もう一度見直してみると
プレスコットの心の中が分かるよう作られた
分析を楽しむタイプの映画。
父親は、妻を愛しているフリをしながら
他の女性と関係を持ち
それをプレスコットに見られたにも関わらず
嘘をつき通そうとします。
↑母親がいない間に
プレスコットの家庭教師と関係を持つ父親。
そんな夫にイラつきを覚える母親は
結婚した事自体を後悔し
そのイライラを周囲の人間にぶつけます。
↑何も動じていないようなフリをしつつ
周囲に悪意を振りまく妻。
もちろんその怒りは
プレスコットへも向かいます。
その上、夫の友人に恋しており
こっそり会っているのです。
↑夫は年寄り、恋した相手は同世代。
アメリカに留学した時
夫の求婚を受諾してしまった事に
妻は後悔していたのです。
けれど二人はお互いを攻めません。
まるで普通の夫婦のように振舞いながらも
ドス黒い欲望を抱える夫婦の間で
プレスコットは、その不穏な空気を吸いながら
自我を育成していくのです…
推薦理由②
夫婦の不和は
表面上隠していても
子供の精神に影響を与える
↑嘘と緊張感が満ちている家で
癇癪持ちで自我が強い子供は何を想う…
本作に描かれているのは
実在の独裁者たちの幼少期にあった出来事を
組み合わせて描いた映画。
自身の性格
友達のいない環境
親の不和
嘘で固められた環境
子供への無関心
ヒステリックな躾
大切にしていた人の否定
様々な要素が組み合わさって生まれるのは
人間らしい感情の欠落
そう…
独裁者とは
人間を人間として認識する必要を感じない
虚無の世界に生きる生物
なのかもしれないのです…
↑感情?何それ。
推薦理由③
独裁者とは
孤独を受け入れられる
人生経験によって生まれてくる
と言う訳で次回は
ヒトラー自身は
どんな子供だったのか?
というテーマで
我が闘争
若き日のアドルフ・ヒトラー
という映画を解説してみたいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
↑母親の恋人の存在は
後にプレスコットの人間らしさを断ち切る
最期の一押しになりますが
その詳細は映画では語られません。
ヒントは、映画の最終章のタイトルと
大人になったプレスコットの俳優。
この二つが理解できた時
人間を全く愛さない独裁者の誕生が
ご理解頂けると思います。
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