こんばんは

ご覧頂きありがとうございます

\(^▽^)/

 

 

 

 

 

本日も

 

想像力と

ヒトラーの残影

 

というテーマで

 

ナチス、偽りの楽園

ハリウッドに行かなかった天才

 

 

という映画を

 

解説してみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

ナチスドイツは

 

自国がいかに優れていたかを宣伝するのに

 

とても力を入れていました。

 

 

 

 

 

 

第一次大戦の敗戦からの復興!

 

ドイツ人至上主義のナチスの素晴らしさ!

 

ニュルンベルク党大会!

 

ベルリン・オリンピック!

 

そして

 

戦争初期の連戦連勝!

 

 

 

どれもが輝かしいナチスの業績として

 

宣伝材料となっていきます。

 

↑天才レニ・リーフェンシュタールによる

ベルリン・オリンピック記録映画「意志の勝利」

 

 

 

 

 


けれどそんなナチスにも

 

広報活動をしたくない事があったのです…

 

 

 

 

 

このシリーズで

 

本作品の推薦理由は3つ。

 

 

 

推薦理由①

プロパガンダ用に作られた

テレージエンシュタット強制収容所の

記録映画について

描かれている映画だから

 

 

 

 

 

 

広報活動したくない場所とは

 

もちろんユダヤ人の強制収容所の事!

 

 

 

 

 

 

 

当初は、ドイツ国内からユダヤ人を一掃する

 

という目的で作られたはずだった強制収容所は
 

ヴァンゼー会議での決定によって

 

ユダヤ人を虐殺していく場所となっていきました。

 

 

音譜ヴァンゼー会議についての映画

謀議の回はコチラ音譜

 

 

 

 

 

 

けれどユダヤ人の抹殺は

 

海外は元よりドイツ国民にさえ知らせておらず

 

捕らえられたユダヤ人たちを

 

ナチスがどのように取り扱っているのかについては

 

国際的に強い疑念を持たれていたのです。

 

 

 

 

 

 

その疑念を払拭するためにナチスが行ったのは

 

プロパガンダ用の収容所を用意する事。

 

 

 

 

 

 

そこで楽しく暮らすユダヤ人たちを公開し
 

迫害の実態を隠す隠蔽工作を計画するのです!

 

↑ほら!ユダヤ人たちは

こんなに楽しそうに暮らしています。

 

 

 

 

 

 

プロパガンダ用の収容所として選ばれたのは

 

テレージエンシュタット。


↑テレージエンシュタットの入り口

 

 

 

 

 

 

テレージエンシュタットは

 

何かの才能に長けたユダヤ人たちを集めた
 

使えるユダヤ人収容所だったので

 

他の施設よりも比較的簡単に

 

理想の収容所に改修することができたのです。

 

↑テレージエンシュタットも死体の転がる

強制収容所でしたが

赤十字の監査を受けるために

素晴らしい収容所のように見せかけました。

 

 

 

 


そして…

 

そんな嘘の楽園に収監されていた

 

ユダヤ人の映画関係者も存在したのです。

 

 

 

 

 

 

 

その人の名前はクルト・ゲロン。

 

↑ユダヤ人コメディ俳優クルト・ゲロン。

 

 

 

 

 


ナチスが台頭する前のドイツ映画界で

 

人気俳優だったゲロンですが

 

ドイツがナチス政権下になった後は

 

ドイツにいられなくなり

 

パリ、オランダなどのヨーロッパ各地を

 

転々とするようになります。

 

 

 

 

 

 

きっとすぐに

ナチスの時代なんて終わるさ。

 

 

 

 

 

そう楽天的に考えていたゲロンですが

 

ヨーロッパ全域を支配領域を拡大したナチスは

 

各地でユダヤ人狩りを行い

 

ゲロンもテレージエンシュタット送りとなったのです。

 

 

 

 

 

 

ちょっとでもナチスに反抗すれば

 

問答無用で殺されてしまう強制収容所でしたが

 

ゲロンにはコメディ俳優としての才能があり

 

その才能をナチスに提供する事で

 

収容所内で生き残ることができたのでした。

 

 

 

 

 

 

 

テレージエンシュタットで彼に与えられた仕事は

 

処刑のために移送されるユダヤ人の

 

警戒心を解くために笑いを提供する事!

 

 

 

 

 

 

人気俳優のゲロンが移送される人たちに

 

では皆さん、楽しんで来て下さい!

 

と言って送ってくれたから

 

人々は安心して死刑場行きの列車へと

 

乗り込んでいったのです!

 

 

推薦理由②

人間は自分の身が危うくなれば

悪魔にも魂を売り渡す

 

↑あの有名なゲロンさんがおススメなら

きっと次は良いところね!

 

 

 

 

 

 

仲間を騙し続けていたゲロンですが

 

ある意味これは仕方がない事。

 

 

 

 

 

断ればゲロンが殺されますから

 

苦渋の決断を下していたのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

けれどゲロンはその後

 

ナチスからの依頼に応じて

 

テレージエンシュタットの魅力を伝える

 

記録映画まで作るのです。

 

 

 

 

 

それも、かなり本気で作られた作品は

 

ユダヤ人たちを強制的に笑わせ

 

理想の天国で楽しんでいるように描いたのです。

 

 

↑クルト・ゲロンの作ったニセの収容所映画(一部)・。

みんな幸せそうです!

 

 

 

 

 

本気で作らなくても良いものにも関わらず

 

かなり力を入れてナチスのために

 

ニセの楽園のプロパガンダ映画を作ったゲロンの努力は

 

果たして報われたのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

それは是非、皆さん自身の目で

 

ご覧になって頂ければと思います。

 

↑ナチスの皆様。

私は素晴らしい映像を撮りますから

是非、これからもクルト・ゲロンをご活用ください!

 

 

 

 

 

 

ゲロンは誠心誠意ナチスに協力しました。

 

 

 

 

 

 

けれど戦争の末期、敗戦を察知したナチスが

 

全ての悪行を闇に葬ろうとした時に

 

クルト・ゲロンもまた

 

闇に葬られるべき存在として

 

情け容赦なく処理されていくのです…

 

 

推薦理由③

狡兎死して走狗烹らる

 

 

 

 

 

と言う訳で次回は

 

ナチス 宴の始末

 

というテーマで

 

ヒトラー

~最期の12日間~

 

という映画を解説してみたいと思いますので

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

 

↑歌手としても人気のあった

クルト・ゲロンの代表曲である「モリタート」は

 

誰も知らない殺人鬼の暗躍を

楽しい曲調で歌ったゾッとするような印象深い曲!

 

まるで彼のテレージエンシュタットでの人生を

先取りしたような内容なのです。

 

 

ちなみにこの曲は、悪の教典のサイコパス

蓮見先生が好んで聞いていた曲でもあるのです…