こんばんは
ご覧頂きありがとうございます

\(^▽^)/
 

 

 

 

 

 

本日も
 

想像力と
ヒトラーの残影

 

というテーマで
 

THIS IS ENGLAND
 

 

という映画を
 

解説してみたいと思います。






前回のアメリカン・ヒストリーXは
 

アメリカのネオナチ映画








そして本日のTHIS IS ENGLANDは
 

イギリスのネオナチ映画です。






アメリカもイギリスも
 

どちらも第二次大戦でドイツと戦った国なのに
 

何故ナチズムを支持する人が存在するのでしょう?






それはナチズムに
 

孤独な人の心の拠り所となる要素が
 

含まれているからなのです。






このシリーズで
 

本作品の推薦理由は3つ。



推薦理由①
ナチズムは
孤独な人の心の拠り所になる
可能性がある事を描いた映画だら






主人公のショーンは8歳の子供。








ショーンは母子家庭。

お父さんは、フォークランド紛争に出征し
 

死んでしまいました。


↑フォークランド紛争とは

南米のフォークランド諸島の領有権を巡る戦いで

イギリスは兵士を派兵していました。






フォークランド諸島という

 

見たこともない南米の島々での戦いは

 

イギリス本土の人たちとって
 

それってどこ?という感じの戦争。






だからショーンの父親の死に
 

周囲の人は関心を持ってくれませんでした


↑枕元には父親の写真。

けれどお父さんはもういないのです…






お前の父親は無駄死にだ!
 

と父をバカにした上級生に対して
 

殴りかかるショーン。






ショーンは、父がいない寂しさと
 

父の事を分かってもらえないを抱えて
 

孤独に生きていたのです。



↑ショーンはいつも一人ぼっち。
近所の雑貨屋でマンガを立ち読みして
パキスタン人の店主に追い出されています。







けれどそんなある日ショーンは
 

町の不良たちと出会い、仲良くなります。



↑不良のリーダーはウディ!
不良だけど、いいヤツなんです
ヽ(=´▽`=)ノ







彼らはドクターマーチンのブーツを履いた
 

スキンヘッドの男たち!






いつも、煙草と酒と麻薬をやっているのですが
 

いじめられているショーンに同情し
 

仲間に入れてくれるのです。



↑おう!
俺たちの仲間にならねぇか?







と言っても彼らの日常は
 

廃墟でサバイバルゲームしたり
 

誰かの家に集まってグダグタしたりという

 

子供っぽいもの。



↑こんな感じで遊んでくれる
お兄ちゃんたちができて嬉しいショーン。







ショーンにとっては、一緒にいる友達ができ
 

寂しさは薄らいでいくのでした。


↑ショーンも、みんなと同じスキンヘッドに!
 

 

↑そして仲間と一緒にギャング歩き\(^▽^)/






良かったねショーン!
 

(*´∇`*)






けれどその後、ウディの仲間が分裂する
 

大変な事態が起こるのです。






昔の彼らの仲間で刑務所に入っていた
 

コンボという男が服役してきます。



↑コンボは「たのしい不良」ではなく
「暴力的な不良」でした。







コンボはネオナチ思想バリバリの
 

過激なアジテーター。





彼はウディたちの世界に


政治問題を持ち込んでいきます。







なんで俺たちの仕事がないんだ!?
 

そりゃあ移民たちのせいじゃないか?

ここはイングランドだ!
 

パキスタン系、黒人系は出て行ってくれ!







政府はやつらを保護しているのに
 

国民はフォークランドで無駄死にしてるじゃないか!






あれれ?

 

(-"-;A

 

 

 


これってアメリカン・ヒストリーXの
 

セリフと同じですね



↑怒れるアメリカ白人デレクも

移民たちは出て行けと演説をしていました。






フォークランドの事を馬鹿にされて
 

カッとなってコンボに突っかかったショーンですが
 

ショーンの父親が
 

フォークランドで死んだのを知ったコンボは
 

ショーンに同情しこう言うのです。

父親の死を無駄にしないためにも
俺たちの国を取り戻す戦いに

お前も参加すべきだ!
 

と…


↑ショーンの死んだオヤジさんのためにも
戦わなきゃダメなんだ!







ウディなど他の仲間たちが
 

危険な思想のコンボを避けて離れていく中

ショーンはコンボに近づいていきます。
 

↑オレもイングランドのために戦うぜ!







さて、コンボと一緒に移民に対して
 

暴力を振るうようになっていくショーンは
 

一体どうなってしまうのでしょうか?






それは是非、皆さん自身で
 

ご覧になって頂ければと思います。



↑おう!パキスタン野郎!
この国で勝手に商売してんじゃねぇぞ
コラァ!







アメリカン・ヒストリーXでも
 

の父親は黒人に撃たれて死んでしまい
 

デレクは孤独と絶望の中で暮らしていました。






けれどそこに、ネオナチの男キャメロンが近寄って来て
 

デレクは過激になっていったのです。


↑ネオナチのキャメロンは

孤独なデレクに対して理解を示した男だったのです。






そう。






喪失と孤独に苦しむ人にとって
 

何よりも嬉しい事は
 

自分や家族の事に関心を持ち
 

評価してくれる存在がいる事なのです。


推薦理由②
疎外感がある人間は

自分の理解者に依存していく






父親が死んでしまったショーンにとって
 

父を評価してくれたコンボは
 

自分の孤独な心を理解してくれる存在。





だからこそショーンはコンボの極右思想にも

 

傾倒していくのです。



↑コンボたち極右との横一列は
あんまり楽しそうな感じはしませんね…







では、怒りや暴力で
 

孤独を癒す事はできるのでしょうか?






本作でもアメリカン・ヒストリーXでも
 

暴力の果てに待っていたのは
 

暴力の応酬による悲劇に他なりませんでした。


↑暴力の先に待っていたものは

取り返しのつかない悲劇だったのです…






寂しいから暴力を支持し
 

暴力を振るうことで
 

さらに悲惨な状況に陥っていく。






ナチズムの恐ろしさは

 

孤独な善人を凶暴に変えてしまうだけでなく

 

その結果として行動した人間たちに

 

一生残る心の傷を負わせてしまうことなのです。

 

 

 

推薦理由③

純粋な人間こそ

思想のために残虐になり得る

 

↑父が好きで、父の愛したイングランドを愛し

その結果として

取り返しのつかない過ちを犯したショーン。

 

そして、イングランドという国名は

あらゆる国に変更することが可能なのです。

 





という訳で次回は

 

ではナチス政権下においては

 

誰が孤独だったのか

 

というテーマで

 

アイアンクロス

ヒトラー親衛隊《SS》装甲師団

 

という映画を解説してみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

 

↑お父さんが亡くなったのは悲しい事ですが

お父さんにとってもっと悲しいのは

息子が不幸になっていくことではないでしょうか?

 

ネオナチ思想にハマっていくのを喜ぶ父親は

きっといないと思うのです…