こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日も
想像力と
発掘良品の再発掘
というテーマで
理由
という映画を
解説してみたいと思います。
法廷というのは
常に正しい判決が行われる場所とは限りません。
もし絶対的な正義が常に明確なら
裁判は必要ありません。
絶対正義判定人が
あなたは正義なので無罪!
あなたは邪悪なので有罪!
というジャッジをして断罪すれば良いのです。
↑バットマンは、独自のジャッジで悪を倒す
絶対正義判定人です。
けれど、人が人を裁く以上
ジャッジする人間の判定基準ではなく
この罪に対して
この罰が適当かどうか?
という検証を複数の人で審議する必要があり
それを行う場所が法廷なのです。
↑複数の人で審議しないと、こういう結果も…
だからもし
裁判に参加している人の多くが有罪と言えば
無罪の人も有罪になってしまいまし
有罪の人だって無罪にすることも可能という事。
そう!
裁判というシステムは
絶対正義以上に危険な結果を生み出す
可能性もあるのです!
このシリーズで
本作品の推薦理由は3つ。
推薦理由①
裁判とは
望んだ結果に導くための
ゲームのようなものである事が
描かれているから
本の冒頭
平和そうな黒人家族に突如警官がやって来て
問答無用で黒人青年を逮捕します!
↑おぃ、お前逮捕な!
逮捕後に取調べが行われますが
黒人に対する偏見に満ちた乱暴な取調べが行われ
青年は白人少女への強姦と殺害を
半ば強制的に自白させられてしまうのです。
↑お前、有罪な!
もし自分が、こんな目にあったら…と思うと
すごく怖くなってしまう展開です。
ちなみに青年は
拘置所に勾留され続けていますので
何もできません。
↑…あんまりだ
ですので、本作の主役は
そんな哀れな黒人青年を助けることにする
元弁護士の大学教授のポールです。
ポールは死刑反対論者。
黒人少年の祖母から直接依頼され
被告の取り扱いに義憤を感じて
この事件の弁護を引き受けることとするのです。
↑地元の人たちは、青年を死刑にしようとしています。
死刑反対のポールにとっては許せない状況です。
現地に調査に訪れると
地元の黒人刑事は苦々しい顔で
よそ者の死刑反対教授ポールを出迎えます。
↑とても警察官には見えない現地の刑事!
何も知らないくせに!
裁判を引っかきましに来たのか!
そんな厳しい言葉を浴びせられたポールですが
被告の黒人青年に会ってみると
刑事とは正反対の
誠実で知的な人間だったのです。
↑ポール教授、お忙しい中
僕のために本当にありがとうございます。
青年の話を聞くと
彼は以前、奨学金で大学に通っていたのですが
別件で逮捕され起訴されてしまい
無実になったにも関わらず
起訴を理由に奨学金を打ち切られてしまった
という過去もあったのです。
↑俺の人生、あんまりなんです…
その上、聞き込みをしていると
黒人青年が殺した決定的証拠がないだけでなく
被害者の少女が刑事の娘と仲良しだった
ということも分ってきます!
むむむ…
( ̄□ ̄;)
この逮捕は、本当に正当なの!?
さて、教授は裁判において
黒人青年を救う事ができるのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目で
ご覧になって頂ければと思います。
↑正義の国アメリカで
こんな偏見に満ちた裁判が行われていいのか!
推薦理由②
正義を貫くのなら
正当な手続きが必要である
ポールは地元刑事に対して
嫌悪感をむき出しにしていきますが
彼の怒りの源は
ポール自身が
死刑反対論者だからであり
黒人への差別に
憤りを感じたからであり
証拠のない断罪を
くつがえしたいという思いであり
ポール自身の正義を貫きたいから
…あれ?
裁判ってそんな理由で行われるもの?
(・_・;)
気がつけばポール自身が
裁判を自分の主張を押し通す場所として考え
証拠を集めて弁護しているのです。
↑みなさん!この青年は
偏見によって裁かれているんです!!
あれれ?
これじゃあ、ポール自身も刑事とは逆に
黒人青年の無罪ありきで裁判をしていませんか?
↑刑事「俺は有罪にしてぇんだ!」
ポールは「私は無罪にしたい!」
サスペンスですので詳細は解説しませんが
彼は自分の主義を貫く事に夢中になり
裁判を勝ち負けのゲームのように考えてしまいます。
けれどそれは
裁判が正義を裁く場所でなくなるという事。
裁判をゲームとして捉えれば
そこに正義が存在しなくなる可能性が
あるのですから…
推薦理由③
結論ありきの裁判は
正義を執行する場所では
なくなってしまう
↑一方の刑事にとって黒人青年を有罪にする意味は
町の平和を守るためであり
犯罪者を野放しにしないためであり
娘の友達の弔い合戦であり
彼自身の正義を貫きたいから…
ああ。
これでは裁判が、お互いの主張を通す
ゲームになってしまいます。
けれど、この展開に
ほくそ笑んでいる人間だっているのです。
と言う訳で次回は
裁判と私情
というテーマで
愛という名の疑惑
という映画を解説してみたいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
↑偏見に満ちた地元刑事をバカにするポールも
実は偏見の目で刑事を見ています。
この映画は、検察側と弁護側が
自分の立場ありきで主張を繰り広げている
現代の裁判の問題点を
浮き彫りにしている作品なのです。
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