こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日も
花様年華
という映画を通して
想像力と
ウォン・カーウァイ
というテーマで
お送りしたいと思います。
ウォン・カーウァイ監督の作品は
言わぬ恋
↑口にはしない恋…
相手を想っていても口にせず
想い続けるからこそ
いじらしくもあり、もどかしくもあります。
花様年華は
そんな
言わぬ恋を極めたような作品。
お互いが愛し合い始めているのに
絶対にそのことを口にしない男と女は
女の夫が海外から帰ってくることを知り
会うのを止めることを決意。
↑もう会わないことにしよう。
けれど
会えないのに近くにいることに耐えられない男は
シンガポールへ行くことを決意します。
↑会えないのに近くにいるのが
耐えられないんだ…
耐えられないんだ…
そして、それを伝えた夜
女は
女は
今夜は帰りたくない
と告げるのです。
↑今夜は帰りたくない…
と、ここまでの展開は
とっても分りやすいですね
ヽ(=´▽`=)ノ
けれど、この映画は
ここからラストまでの20分が
謎めいているのです
(-"-;A
★ご注意★
ここから先は
ラストまでの内容を説明しています
これからご覧になる方は
どうぞご留意頂ければと思います。
荒っぽく、この後の流れを説明すると
①
別々の部屋で
ラジオから流れる花様的年華という
曲を聴く二人。
②
切符がとれたら
僕と一緒に行こうという男
と
切符が取れたので
一緒に連れて行ってという女
③
話は唐突に
一年後のシンガポールに移る
④
シンガポールで
男に無言電話をかける女
と
部屋で何かを探す男。
二人は結局再開しない。
⑤
突然
3年後の香港の話になる
⑥
昔住んでいたアパートに
戻ってきた女は
そこで暮らし始める
⑦
同じアパートに男も訪ねてくるが
住んでいた部屋の家主も
別人になっていたので帰っていく。
⑧
時は移ろい
あの頃の名残は何もなかった
というテロップが入る
⑨
男はカンボジアに行き
人のいない寺院で
石壁に向かって何かしている
おしまい。
という展開です。
…
これは難解ですね
(;´Д`)ノ
では順番に、謎解きをしていきましょう!
①
花様的年華の歌詞
二人が聴いている歌の歌詞を見ると
彼らの心情は理解できます。
内容は…
ここから先は
ラストまでの内容を説明しています
これからご覧になる方は
どうぞご留意頂ければと思います。
荒っぽく、この後の流れを説明すると
①
別々の部屋で
ラジオから流れる花様的年華という
曲を聴く二人。
②
切符がとれたら
僕と一緒に行こうという男
と
切符が取れたので
一緒に連れて行ってという女
③
話は唐突に
一年後のシンガポールに移る
④
シンガポールで
男に無言電話をかける女
と
部屋で何かを探す男。
二人は結局再開しない。
⑤
突然
3年後の香港の話になる
⑥
昔住んでいたアパートに
戻ってきた女は
そこで暮らし始める
⑦
同じアパートに男も訪ねてくるが
住んでいた部屋の家主も
別人になっていたので帰っていく。
⑧
時は移ろい
あの頃の名残は何もなかった
というテロップが入る
⑨
男はカンボジアに行き
人のいない寺院で
石壁に向かって何かしている
おしまい。
という展開です。
…
これは難解ですね
(;´Д`)ノ
では順番に、謎解きをしていきましょう!
①
花様的年華の歌詞
二人が聴いている歌の歌詞を見ると
彼らの心情は理解できます。
内容は…
花様的年華(花のような歳月)
月様的精神(月のように丸い心)
氷雪様的聡明(氷のような聡明さ)
美麗的生活(美しい生活)
多情的眷属(情に厚い親戚)
圓満的家庭(円満な家庭)
驀地裏這孤島籠罩著(突然この孤島に立ち込める)
惨霧愁雲, 惨霧愁雲(ひどい憂いの霧)
啊, 可愛的祖国(ああ、愛すべき祖国よ、いつになれば)
幾時我能夠投進你的懐抱(あなたの懐に飛び込めるだろう)
能見那霧消雲散(この霧が晴れるのを見れるのだろう)
重見你放出光明(あなたの輝きを再び見れるのだろう)
花様的年華(花のような歳月)
月様的精神(月のように丸い心)
②
切符が取れたと言ったのは何?
ここは分りにくいのですが
切符がもう一枚取れたから
僕と来ないか?
ありえない内容なのです。
何故なら、切符は
彼女に購入を頼んでいる
はずですから
どうして彼が
もう一枚取れるのでしょう?
そして、もう一つ
このセリフのシーンでは
電話が鳴る音やタイプを打つ音がしますが
画面の受話器は
持ち上げられることはありません。
↑受話器は持ち上げられません。
そう…
僕と一緒に来ないか
は
彼の心の中で想ったことであって
実際には、口にしてはいないのです。
↑このセリフの後に映される彼の顔。
これは
僕と一緒に来ないか?
と誘う顔ではなないですよね…
また
タイプを打つ音もしますが
彼女がタイプを打っている形跡もありません。
女は、男がいなくなった部屋で
哀しい顔をしています。
↑こちらも
一緒に連れて行って
という顔ではありません。
つまり二人は
花様的年華のように相手を慕いつつ
本当の想いは口にせず
お別れしたということなのです。
だから当然
男はシンガポールに行くのです
③
④
では、何故女は一年後に
シンガポールに行ったのでしょう?
もし、終った恋なら
会いに行く必要はないですし
まだ続いている恋なら
会わないのはおかしいですね。
けれど女は
男の部屋までわざわざ行き
電話で男を呼び出したにも関わらず
結局会わずに帰ります。
何の理由もない訳ないですね。
ここに
前回の複線が登場するのです。
女が男の部屋を見回し
様々な物の匂いをかいでみますが
他の女性の形跡は見当たりません。
けれど唯一あったのは…
以前、男の部屋に置いてきた
自分のスリッパ
だったのです。
↑あ…
彼女は
そのスリッパを履いて少し考え
彼に電話をしますが
無言で帰ってしまいます。
↑何かを考えています…
↑その後、やっぱり言えない
という表情で
去っていくのです。
自分を愛している形跡があったのなら
喜んでもいいはずですね。
けれど
何かを伝えたかったけれど
伝えずに去っていった。
この何かは
3年後のシーンで明らかになります。
⑤
なぜ、3年後の香港なのか?
はい。
3年後である理由は
観客に
女がシンガポールに行った理由を
説明するため
なです。
⑥
香港で分ったこと(その1)
香港で久しぶりに
昔住んでいたアパートに行った女は
元家主に
夫とはまだ結婚しているが
今度はアメリカに長期出張だと言います。
つまり、一度帰ってきた夫は
またいなくなっているということです。
女は、家主が引っ越すことを知り
この家に住むことにします。
⑦
香港で分ったこと(その2)
男も香港に行き
昔住んでいた部屋に行きますが
彼の家主も既にいなくなっています。
男が、新しい住人に
隣に誰が住んでいるのかと聞くと
奥さんと可愛い子供が
住んでいる
と、教えられます。
はい。
もうお分かりですね!
女が一年後のシンガポールに行った理由は
子供を出産したことを
告げようとした
からだと思われます。
前述のように
彼女は夫とは別れていないので
この子供は恐らく
あの一夜で生まれた男との子供。
彼女はシンガポールに行き
そのことを伝えて
駆け落ちしようと考えていたようなのです。
↑シンガポールに来た時
彼女の薬指には結婚指輪がありません。
彼と一緒になろうという決意で
来たのではないでしょうか?
けれど、男がまだ
彼女だけを愛してくれているのを
スリッパで知り
彼女は、彼とのストイックな愛が
永遠に続くことを確信して帰って行ったのです。
一方の男は
彼女ことを愛し続けていましたが
訪れた香港には既に彼女の痕跡はなく
スリッパもなくなりました
⑧の時は移ろい
あの頃の名残は何もなかった
だから男も
女との関係を永遠のものにしようと
考えたのです。
⑨カンボジアに行った理由
彼はシンガポールで会社の仲間に
昔の人が、秘密を抱えた時に
山に行って穴をみつけ秘密を囁いた後
その穴を土で埋める
その穴を土で埋める
↑変なことをしているのではなく
大事な秘密を永遠のものにするという
ストイックな行動なのです。
大事な秘密を永遠のものにするという
ストイックな行動なのです。
そう!
彼女への愛を永遠とするために
彼が行った行為は
山ではなく、神聖な寺院へと行き
そこの穴に
彼女を愛している
という秘密を告げて土で埋めたのです。
そしてその穴には
今では草が生えているのです…
という訳で、この映画は
ウォン・カーウァイ作品には珍しく
二人は結ばれているのです
ヽ(=´▽`=)ノ
そして、このエンディングを
幸福と考えるか、不幸と考えるかは
観客の私たちに委ねられているのだと思います。
言わぬ恋とは
心の中で繋がり続ける恋の事。
彼ら二人は、会うことがなくても
一生、想い続けていくのではないでしょうか?
という訳で次回は
ウォン・カーウァイ
ワールド・ワイドへの道
というテーマで
マイ・ブルーベリーナイツ
という映画を解説してみたいと思います。
ではまた(*^ー^)ノ
↑一瞬だけ登場する子供。
この子供の成長を見せるために
1年+3年の年月が必要だったのです。
彼女はもう
孤独ではないですよね
ヽ(=´▽`=)ノ