こんばんは

ご覧頂きありがとうございます

\(^▽^)/




本日も

天使の涙


という映画を通して

想像力と
ウォン・カーウァイ

というテーマで

お送りしたいと思います。






前回の恋する惑星の回で

ウォン・カーウァイ作品鑑賞のコツとして

登場人物の心の中が
映像化されているのを鑑賞する

と説明させて頂きました。






悪夢やシュールな心の中なら

映像として描くことは可能だと思いますが

恋した気持ち


失恋した哀しさ

などを映像として表現するのは

中々難しいことだと思います。


↑「恋したシーンを撮る」のではなく
「恋した時の気持ち」を映像化する
といのうはこんな感じ!

これはミシェル・ゴンドリー監督の
「ムード・インディゴ うたかたの日々」







本日の天使の涙は

そんな

心の中の映像化

に加えて

彼の作品のもう一つの特徴である

人と人とは
離れてしまうもの

という

悟りの境地のような
考え方


色濃く描かれた作品です。







前回の恋する惑星は

二組のカップルが

不思議な距離感を持ちながらも

次第に近づいていく

明るくてPOPなストーリー。


↑「恋する惑星」は
距離感のある人たちが近づいていく
ハッピーなストーリーです
ヽ(=´▽`=)ノ






ああ。

こんな風に好きな人と繋がれたら
幸せだろうな


という気持ちになる

恋する惑星は

観ている人が誰でも入り込める

ウォン・カーウァイの入門編のような作品でしたが

似たようなテーマを扱っているハズの本作は

なんだかとても寂しい展開なのです。


↑観ていてとても寂しい気持ちになる
天使の涙。





一体、どんな話なのでしょう?





…実は

この映画を説明するのは

とても難しいのです


(-""-;)





主な登場人物は3人。






ですが彼らは全員

他者と上手くつながれない人ばかり。








だから彼らは

孤独と共に生きているのです。






誰とも親しくなろうとしない殺し屋は

パートナーに情報をもらい

その情報を元に

ターゲットを始末していきますが

パートナーとも親しくなろうとしません。


↑感情が欠落しているような殺し屋は
人を殺すのも躊躇なし!

そして
他者と関わらないことにも
躊躇がありません。






一方のパートナーは

殺し屋と距離をおいてはいるのですが

遠くから彼を恋し続けています。


↑仕事のやり取りはFAXや留守番電話。

彼を恋しているけれど
近づくことも話すこともできないパートナー。





そして、彼らとは別に

口が利けないけれど奇妙に明るい青年も

登場します。


↑口がきけない青年。





彼は人懐っこい性格ですが無職!




でも、仕事がしたいので

真夜中に勝手に人の店に進入し

お仕事ごっこのようなことをしています!


↑よし!今夜はお肉屋さん!
(不法侵入)






…当然彼も

人とは繋がれませんよね。


↑夜中の町で出会った
エキセントリックな女の子とも
結局仲良くなれませんでした。







ポリシーで
人と距離を持つ人



人との近づき方が
分らない人



相手に理解されない人






望むと望まないに関わらず

3人は3人とも

孤独

なのです。






その他の登場人物も

人との距離を縮めることができず

結果的に孤独となっていく…


↑突然、殺し屋に近づいてきた
風俗嬢らしき娘も…




↑奇行を重ねる
口のきけない息子に悩む父親も

だれもが
孤独を感じているのです。





みんなが孤独なのに

それぞれが生きている大都会、香港。


↑バスに乗っていても孤独…






そんな

寂寞とした世界



繋がりたいという心






この相反こそが
ウォン・カーウァイ作品
の魅力


なのです

ヽ(=´▽`=)ノ




↑人は孤独を感じながらも
繋がりたいと望み
けれど
人との繋がりを自ら断ち切っていく…





ウォン・カーウァイ作品
鑑賞のコツ②


人と人とは
繋がるのが不可能だが
求め合うものだ





…さて、一体

どういうお話なのでしょう?






それは是非、皆さん自身で

ご覧になって頂ければと思います。







けれどストーリーよりも

彼ら一人ひとりの行動や思い

そして行動を感じることこそ

この作品の魅力!






そして

そんな観方をしていると

気がつけば何度も繰り返して観たくなる

とても中毒性の高い

不思議な作品なのです。


↑何度も観ているうちに
登場人物一人ひとりを愛せるようになる
不思議な作品なのです
(*´∇`*)







という訳で次回は

ウォン・カーウァイの描く

他者への想いと
現実


というテーマで

ブレノスアイレス

という映画を解説してみたいと思います。






ではまた(*^ー^)ノ


↑人は繋がりたいと望みながらも
繋がることの難しさを
感じながら生きている生き物なのです。






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