本日も

「イリュージョニスト」


という作品を通して

想像力と
挑戦するアニメーション

というテーマについて

考えてみたいと思います。






皆さんは

人生の退場期

というものを

想像したことがありますでしょうか?






生まれた時を

誕生期




自立していない
子供時代を

幼年期




大人として
自分で生きている時代を

活躍期


と、するなら





退場期


最晩年

のこと。






もはや社会からは
必要とされなくなった自分


というのは

なかなか
想像しにくいもの

かもしれませんね


( ̄_ ̄ i)






本日の

「イリュージョニスト」


そんな

人生の退場期を
意識できるようになる


さびしく


けれど


とても
感動的な作品



です。







主人公は

年老いた奇術師


↑こういう感じの
「どこにでもいる奇術師」
です。






昔は人気者だったようですが

今では奇術の人気も落ち

観に来てくれる人もまばらです。



↑ジャジャーン!




↑あら… 汗






今の人気は

ロックグループ!


↑同じ舞台でも
コチラは大人気!!






奇術師は

都市での仕事が減り

地方巡業で

糊口をしのぐようになります。


↑村のパブでのマジック。
いわゆる
「ドサまわり」
ですね。





スコットランドの小さな離島を

訪れた彼は

そこで

一人の少女に出会います。






純朴で何も知らない彼女は

彼の奇術を

本物の魔法だ!

と信じてくれます。


↑おじさんは
魔法使いなんだ!!

尊敬する少女
(^^)






ちょっと嬉しくなった

老奇術師は

彼女のために

スペシャル・マジック

を用意します。







それは

ボロボロの靴を履いていた
少女のために

魔法で
靴を出してあげる!

というマジックです。

↑はい!どうぞ
ヽ(=´▽`=)ノ






もちろん本当は

魔法なんかではありません。






あらかじめ店で買っておいた靴を

奇術で隠しておいたのです。






驚き、そして喜ぶ少女!





老奇術師も

心がホッコリします

(*´∇`*)






そして

島からお別れの日が

やって来ます。






船に乗り込んだ

紳士なのですが…






なんと

少女がこっそり

ついて来てしまったのです!


↑あれ?
彼女がついて来てる!!






彼女は

老奇術師を魔法使いと信じ込み

魔法使いの付き人

になりたくて

ついて来てしまったのです!







…なんか

ライトノベルみたいな
展開

ですね

(^▽^;)






もし

奇術師が若ければ

きっと

少女のために
頑張って

もっと大きなマジックを
見せてあげよう!

という展開になったかも

しれません。



↑少女のために頑張る
というのは
映画の鉄板ですね(^^)






けれど

老奇術師にとっては

そんなマジックは

もう見せてあげられなかったのです…






一体二人はどうなっていくの?






それは是非、皆さん自身の目で

ご覧になって頂ければと思います。






この映画では

老人も奇術も

もはや

退場期






誰にも
振り返ってもらえず

忘れ去られつつある
老奇術師

にとって

少女の期待に
応え続けることは

もはや不可能

なのです。






この映画は

メメント・モリ

てう考え方に近い作品。






メメント・モリ

とは

汝の死を思え

という考え方。






人はいつか必ず死ぬ。


人生はやがて終わる。



だからこそ

自分が世界から
退場する日のことを
想像しながら
生きる


それこそが


人生というものを
意義深いものにしていくのだ

という

哲学的なメッセージ

です。






老人にとっては

少女との旅


奇術と共に生きてきた
長い人生


終わらせる時
なのだ

ということを

悟る旅
となっていった


のです。






この映画は

ジャック・タチ

という古い喜劇俳優&監督


娘へ遺した幻の脚本

を基に作られた映画。



↑パイプをくわえる
ジャック・タチ

彼自身も
一世を風靡した男です







ジャック・タチも

「プレイタイム」

という映画で失敗し

一時代と共に
去っていった人






そんな

タチ自身を主人公

とした雰囲気の

この作品は

古き良き時代の映画人
ジャック・タチ

美しい人生の
退場期

を映画にしたものなのです。






尊敬する人物の
人生の最後


美しい映画にして
遺していこう

とする

シルヴァン・ショメ監督の
挑戦と心意気


観る人の心にも

感動を与えてくれるのではないかと思います







という訳で次回は

超人気俳優の内面

を描きつつ

失われたジャンルである

西部劇

へのオマージュにあふれた映画

「ランゴ」

という映画について

解説してみたいと思います





ではまた(*^ー^)ノ




↑「彼女のための奇跡」
のために
夜な夜なバイトをするおじさん。

けれど
そんなウソの奇跡を続けることに
意味はあるのでしょうか…






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