本日も

「バッファロー’66」


という作品を通して

想像力と
色で魅了する映画

というテーマについて

考えてみたいと思います。





前回の

「かいじゅうたちのいるところ」


子供の憂鬱な心の
ねずみ色

でした。






けれど子供なら

ちょっとしたきっかけがあれば

ねずみ色の世界から
立ち直れる

ような気がします



(*´∇`*)
がんばれ!少年!!






けれど

心が傷ついたまま
大人になってしまった人



憂鬱な心の色



子供と同じねずみ色

なのでしょうか?






本日の

「バッファロー66」

の映画全体を覆っている色は

「かいじゅうたちのいるところ」

よりも

ずっと暗い
ダークグレー

なのです。






この映画の主人公は

かなり神経質そうな感じの

痩せた青年






映画の冒頭

彼は刑務所から出所してきます。






迎えは誰もいません。






彼は一人ぼっちでバスに乗り

町へとやって来ます。






なんで一人なの?







冒頭では

説明がないので

分りません?



↑バスを待つ青年ですが…


おい!大丈夫か!?






彼は町で

家に電話をかけます。


↑かなり意を決した表情で
電話をかける青年







そして言うのです。






「政府の仕事で
5年間遠くへ行っていた」



と…





( ̄* ̄ )





嘘じゃん!






彼は、口からでまかせで

調子の良いことばかり言います。






けれど

電話のやりとりが

ちょっとおかしいのです。






彼が一生懸命話しているのに

電話の向こうのお母さんは

なんだか関心が薄そうな感じなのです。






かみ合わない会話。

何度も同じ説明。

そして

TVの音を
もっと小さくしろよ!

というセリフ。






5年ぶりの子供からの電話なのに

TV観ながら話しているのです。






…彼も変ですが

なんだか

家族も変

ですね。






彼は勢いで

結婚もした!

妻もいる!

一緒に来てるから
これから家に連れて行く!

とまで言ってしまうのです。


( ̄□ ̄;)






刑務所から
出所したばかりなのに!




お金だって持ってません!






この電話だって

お金がなくて

見知らぬ女の子から
25セントかりて
(もちろん返す気なし!)


かけているのです。






( ̄_ ̄ i)

どうすんの?この後…







という訳で


彼は…



お金を貸してくれた
女の子を拉致!


↑てめぇ!さわぐんじゃねぇ!!






彼女の車に
無理矢理乗り込んで

こう言うのです。






おい!

俺の奥さんのフリをしろ!




と…


↑おれの奥さんのフリをしろ!
そしてオレのことは
すっごく良い人ですって言え!!







頭、大丈夫?


(-"-;A






彼は銃もナイフも持ってません。



町の中だから

彼女がドアから逃げて助けを呼んだら

それでおしまいです。





そもそも

そんな事をする理由が

彼女には全くありませんね…







けれど不思議なことに

彼女は

彼のことをじっと見て

わかった

と、言ってくれるのです。


↑わかった。やってあげる。






???






なんで!?

ヽ((◎д◎ ))ゝ






彼女も

ちょっと変ですね






さて

この変な展開の映画は

一体、どうなってしまうのでしょう?





それは是非、皆さん自身で

ご覧になって頂ければと思います。






一見すると

刑務所から出てきた彼は

何を考えているか分らない危ない男

にしか見えません。






言葉遣いも乱暴ですし

女性を拉致して脅迫もします。






けれど彼は

殴ったり、蹴ったりという

暴力は一切振るわないのです。






また

家に着いてみると

彼の家の問題も見えてきます。






彼の父母は

地元のフットボールチーム
バッファロー66



大大大ファン!






明らかに息子のとこよりも

バッファロー66のことにしか

関心を持っていないのです!


↑お母さんはフットボールを握り締め
チームのジャージとタオルで
完全武装してTVでチームを応援する

「バッファロー’66命!」

という人です。






子供の頃から家族に関心を持たれず

疎外感を持った青年は

いつしか

人と上手く交流できない人間

になってしまったのだというのが見えてきます。


↑無理矢理グッズを着させられた
関心を持たれなかった子供は
いつしか
人と上手く交われない青年に
なってしまったのです…






彼の心の中の
荒廃した世界

を写したように

この映画の色あいは

ザラリとした
ダークグレー

です。






でも

そんな彼に対して

一体何故女の子は

理解を示して
くれたのでしょう?






ヒントになるのは

彼女が突然

ボーリング場で
一人ダンスを始める
シーン


です。

↑突然、周囲には誰もいなくなり
彼女だけが踊るシーン。

つまりこれは
彼女の心象風景だと思われます。






彼女だけのシーン

なのに

ここでの色合いも、

とってもダーク






だから

彼女も恐らくは

孤独な人生の人

だったのです。






彼女は町で

ちゃんと生きていくことが出来ない

孤独な青年を発見し

自分と同じ色の世界の人間だと

理解してしまったのだと

思います。



↑偶然であってしまった
高校時代のガールフレンドに
学生時代のことを笑われても
何も言い返せない青年



それを同情の目で見守る
女の子







そんな時

みなさんだったら

どうしますか?






孤独の灰色 + 孤独の灰色


ひょっとすると

灰色ではない色


なのかもしれませんね








ではまた(*^ー^)ノ



孤独な人生 + 孤独な人生は
孤独なようで、実は孤独じゃないかも
しれませんよ(*´∇`*)