本日も

「ファーゴ」


という映画を通して

想像力と
色で魅了する映画

というテーマについて

考えてみたいと思います。




前回の

アンダー・ザ・スキン
種の捕食


艶やかな黒の映画





つるりとした質感の黒(闇)に

飲み込まれていく男たちの姿

とても印象に残るシーンでした。


↑「アンダーザスキン 種の捕食」
とても艶やかな黒の中に
沈んでいく男たち…
本日の

「ファーゴ」


黒とは正反対の


が印象深い映画。






この映画における白は

雪の白

であると同時に

人の心の
酷薄を描いたような白

でもあるような気がします。



↑「ファーゴ」は
こんな雪国が舞台の映画です(^^)







ストーリー




ある男が

お金に困っていました。


↑こちらが、ある男。
ごく平凡な感じですね(^^)





借金があり

返済できない状態です。





家が貧乏なの?






いいえ。

家は結構裕福なのです。








けれど、家のお金は

彼の財産ではありません。






裕福なのは奥さんの実家。






彼は、

義理のお父さんに

信用してもらえず

お金を自由に使うことが

出来ないダメ夫なのです。





けれど
借金は待ったなし!





だから彼は

一計を案じます。






妻を偽装誘拐して

義理の父に身代金を要求し

そのお金で借金を返済しよう!

と…






(・_・;)


妻を偽装誘拐?






そんな手荒い仕事を

請け負ってくれる友達でもいるの?





いいえ。






だから彼は

見知らぬ流れ者に頼んで

妻を誘拐してもらおうとするのです!






(゚_゚i)


ちょっと待って!






見知らぬ男って信用できるの?




いいえ全然。






ハッキリ言って

全く信用できない二人組み

です。

↑皆さんなら、この二人に
「妻を誘拐して!」
って言えます?







…ひょっとしたら

妻の命
あぶないんじゃない


( ̄Д ̄;;






あ~




彼は、そんな事

どうでもいい

ようなのです。





彼にとって、今大事な事は

借金を返済するための
金を用意する


ことだけ!





正直な話、

妻なんか
どうでもいい

のです。







こんな

かなり杜撰な

偽装誘拐計画。






けれど

彼の頭の中では

妻をちょっとだけ
拉致ってくれれば

義父が身代金を
俺に渡してくれるから

全て一件落着

\(^▽^)/


という展開のはずだっのですが…






…ストーリーは

とんでもない方向へと

向かって行ってしまうのです。






どんな展開?



それは是非、皆さん自身で

ご覧になって頂ければと思います。






誘拐させた男からは

妻への愛

は感じられませんよね。






けれど

この映画の怖いところは

他のすべての
登場人物からも

人間的な愛が
感じられない

のです。





妻も夫のことに
関心がありませんし



義父だって男のことを軽蔑し
全く信用していません。



もちろん

流れ者の二人だって
男のことなんてどうでもいいのです。





簡単な仕事で金がもらえるハズだから

請け負っただけです。


↑はじめてあった男たちに
妻の誘拐計画を
ビール飲みながら話すなんて…







全員の心には、

他者への思いやり


他者を
助けてあげる気持ち



冷静に話し合う理性


ないのです






彼らの心の中にあるのは

自分のこと

だけ。






まるで

あたり一面真っ白な雪景色の中に

一人で歩いているような

なんにもない世界

なのです。


↑心の中は
「自分のこと」
だけ…






この映画を作ったのは

コーエン兄弟。






彼らの映画は常に

人としての
心を持たない人間が
織り成す

喜劇と悲劇


描き続けているのです。


↑自分のことだけの極北
「ノーカントリー」


↑自分のことだけの男が
「自分のことだけの愚かさ」を悟る
「赤ちゃん泥棒」







だからひょっとすると

コーエン兄弟の心の中も…

真っ白

なのかもしれませんね






ではまた(*^ー^)ノ



↑他者性がない人間が
増えている現代。

ファーゴの描く
なんにもない白い心の人は
私たちの隣にも…







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