地方医療
僕らが子供の頃、容易にアクセスできた医療は、地方から崩壊していっている。ひょんなことから知り合った小浜の医者がいる。彼とは毎週のように赤提灯で飲んでいるが、ままこぼしていることがある。医療崩壊は待ったなしだ、と。彼が何科の医師なのか、ついぞ知らない。もうなんでも医だ。やや自嘲気味に言うが、聞いていると、整形外科から泌尿器科まで、なんでも診ている。事実、街唯一のお医者さんという感じで、お昼ごはんを取る間もなく、ギリギリおしっこに行けるくらいの忙しさだという。今日ふと質問してみた。診られない重い患者さんが出たらどうするの?福井か、京都の病院に行ってもらう。車を使えない人は?電車、バスを乗り継いで。足が悪い人だったらどうするの?それでも電車バスで。狂っている。彼が狂っているのではない。住み慣れた街で、安心して医療を受けられないこの日本が狂っているのだ。かと言って、病院経営はきっとギリギリ。我々もギリギリ高い社保料を払っている?誰のせい?みんな頑張ってお金だして、お金削ってやりくりしてるのにうまくいかない。誰のせいかは分からないけど、責任をとるべき主体だけは、申し訳ないかもしれないけど、ハッキリしている。厚生労働省だ。全国あまねく均質な医療を届けるべく頑張っていることは認める。しかし、国が頑張ってるんだけど、どうにもならないんです。は、認められない。アタマが逆にまわるくらい知恵を絞って欲しい。日本国民の命がかかっているのだから。地方を大事に守ってきて、老いて病を得てしまった方。足が不自由で、住み慣れた街で医療を求めている方。そんな命を、切り捨てないで欲しい。どの命も、等しく大切なはずだ。