的外れな議論 | GTZ&RSのブログ

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一般会計の税収の推移 権力(利権)闘争と的外れな議論が続く様です。

先の総選挙に於いて大躍進した政党が話題提起したことに対して、政府は直ちに具体的な数値を示しました。

どちらも、正しい議論となっていないのはとても残念です

先ず、『年収の壁』を103万円から75万円引き上げて178万円にする案に対して政府が示したのは、国と地方で約7兆6,000億円/年税収減となるとの試算です。

基礎控除48万円詳細不詳
給与所得控除55万円
非課税の内訳103万円178万円
※ 現在の給与所得者の控除
  
年収減税効果年収比
2,300万円約38万円1.65%
500万円約13万円2.60%
210万円約9万円4.28%

ただ、これは減税の効果は有り可処分所得が若干増加するものの、働き方には余り影響は無く本当の『年収の壁』ではありません。

寧ろ、健康保険年金保険保険料支払義務が発生する『106万円の壁』と『130万円の壁』の方が働き方に影響しています。

税制上の扶養社会保険上の扶養
103万円
  • 扶養者が配偶者控除(38万円)を受けられる被扶養者の年収上限。
  • 扶養者の所得税及び被扶養者の住民税が軽減される。
  • 年収103万円以下の場合は所得税は非課税。
106万円◎勤務先が次の条件を満たす場合は、社会保険の加入義務が発生。
  1. 所定労働時間が20時間/週以上
  2. 賃金月額が88,000円以上
  3. 雇用期間が2ヵ月を超える(見込みも含む)
  4. 従業員数が51人以上の企業
◎学生ではないこと。
130万円
  • 扶養者の社会保険の扶養範囲の被扶養者の年収上限。
  • 各自で国民健康保険若しくは勤務先の社会保険への加入義務が発生。

    標準報酬月額が11万円の場合(130万円の壁)
  • 健康保険料:5,489円/月(保険料率9.98%の場合の自己負担分)
  • 厚生年金保険料:10,065円/月(保険料率18.3%(固定)の自己負担分)
  • 国民年金保険料:16,980円/月(参考、令和6年度の場合)

何故ならば、この二つの『年収の壁』を超えて収入を得ると扶養の範囲を逸脱して個々に健康保険年金保険保険料の支払義務が発生して、実際の手取り額が大きく減少します。

即ち、被扶養者が扶養者の扶養の範囲内であれば、健康保険は扶養者の扶養となりますし、年金保険第3号被保険者となり、いずれも保険料の支払義務が発生しないからです。

また、我が国の最低賃金の低さを起因とする全体の給与所得者の給与の底上げも併せて行う必要があります。

そうした制度設計が巧く出来ないのであれば、単純に消費税率を一律化して引き下げれば良いと思います。
(無駄な政策経費も掛からず、民間の手間も省けます。)