たまに、
文章を読みたくてたまらなくなる。









水を欲するように、
文章を飲みたくて喉が渇く。
















それは物語ではないのだ。
文章。
エッセイとか随筆とか、
誰かの感情をそのまま書き出したようなもの。
何でも良いわけではなく、
やはりそこには味の好みがあって。
音楽を聴くのに似ている。
耳は誤魔化しが効かないから、
体調や感情で
耳障りの良い音が変わる。
文章も、
自分の欲する味が微妙に変わるから、
昨日まで貪るように読んでいた人の文章なのに、
突然受け付けなくなったりするから面白い。
頭が痛くなったり、
背中が痛くなったり、
身体が拒否する言葉。
面白いなぁ。






 








今はプロ奢さんの文章が好きだ。
噛みごたえのある赤身の肉みたい。
読むと顎が疲れる感じ。
でも仕方ない。
サラサラ飲み込める文章ではないから。
あれ、どういうこと?
途中で何度も引っかかり、
少し戻って、
なんなら前の記事にも戻って、
飲み込めるまで噛んで噛んで、
ようやく飲み込む。
でもまだ消化しきれなくて、
胃に残る。
ラクダみたいにまた戻して噛んだりとか。
そんな感じ。












半年に一度くらいのペースで、
吉本ばななさんも読みたくなる。
頭がひどく疲れているとき。
頭と身体と心がバラッバラになったとき。
本能的に読みたくなる。
まるで翌朝も覚えてる夢みたいに、
ある一文が心にずっと漂い続ける。