家で育てていたキャベツの苗に
モンシロチョウがたくさん卵を生んでいった。



卵から出てきたあおむし達は
みんなすくすくと育ち



キャベツは見るも無惨に(笑)




食べるところがなくなったので
あおむし達はあっという間にどこかへ行ってしまった!
うわー、貢いだ男に捨てられた気分!






でも、あおむしが一匹残っていて。
あおむしだよ。
あおむしなんだよ。
でもなんか、ほわーっともやがかかって見えて
どことなく生気がなくて、
つつくと動くけど、なんかぼんやりしてて、
かわいそうだから虫かごに保護した。
それが昨日。





そして今日。
あおむしの腹の下に
小さくて白い繭がたくさんくっついていた。
ああ、寄生されたな、と思った。
ハチの中には、あおむしに卵を産み付けるものがあるという。
あおむしの腹の中で大きくなった幼虫が
腹を食い破って外に出て
繭になっていた。
あおむしはまだ動いていた。
ゆったりと。ぼんやりと。





私はそれを見て思ったのだ。
腹の中まで寄生されると、
もはや痛くも苦しくもないのだと。
寄生されていることに
気づいてすらいないのだと。
寄生されて
他人に食い尽くされて
自分が消えかけて
それがデフォルトになっちゃって



あのあおむしは
たくさんの繭の上に乗って
うっとりしているようにも見えた。
だから怖かった。
ああ私もそうだった。



あのあおむしは、
はっきりとどこが、とは言えないけど
確かにどこかおかしかった。
元気なあおむしとは、
明らかに違って見えた。
濁っていて、くすんでいて、張りがなくて
私も多分、そうだった。
何か違う。
何か不自然。
何か違和感。
きっとそうだった。
でも私自身は気づかなかった。





何に寄生されてたんだろう?
何を腹に住まわせていたんだろう?
常識
世間体
いや違うな


好かれたい
好かれたい
好かれたい
好かれたい
私は人に生かされている
私は人に生かされている
私は人に生かされている
だから人に受け入れてもらわなくてはいけないの
居場所を作っていただかなくてはいけないの
「他人」をどんどん腹に入れ込んで
蝕まれて
なんなら喰わせて
それでうっとりしてたよね



美味しいですか?
美味しいですか?
それはよかった







おぞましい。








私の中には色々な寄生虫が巣食っているから
その卵を一つずつ、ピンセットで取り除くように
ひたすら自分の中から「異物」をつまみ出しているけれど
最近気づいたのよ
私の中に巣食う「先生」に。






「先生」という設定に、
内臓まで蝕まれてたよ
不自由で仕方ないのに
うっとりしてた。







苦しいことにすら
気づかなかったよ。