意外と知られていないアメリカの学校のルール。 | アメリカおばさんのブログ

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アメリカの学校の先生と日本語学校の補習校の先生をしています。教育のこと、習慣の違いに驚いたこと日々感じたこと、起こったことなど独り言を書いてみたいと思っています。趣味は料理です。

14歳の女の子が先生を殴ったニュースを聞いて。
悲しいなぁ。
生徒に殴られる先生の気持ち。そして先生を殴った生徒の気持ち。
普段からの先生とのコミュニケーションも取れていなかったのでしょう。

一昨年の9月までアメリカの公立の幼稚園、小学校、中学校、高校の先生をしていた私ですが、
アメリカの学校ではいろいろなルールがあります。
自由の国なのに、自由の為には厳しいルールがあって成り立つんですね。

①ドレスコード
服装の規定。ビールやお酒の宣伝のTシャツ、タバコのTシャツ、セクシャルなTシャツ、政治の批判や、ある政治の宣伝のTシャツは学校には着てきてはいけない。学校を尋ねる保護者の人も着てきてはいけない。
昔ある日本人の子どもの親戚という人が自分の甥っ子の学校を見学に来ていたんだけどビール工場見学の時に買ったんでしょうか?ビールのTシャツを着て小学校の見学に来てた。
あ!と気がついたときはその男の子の親戚のおばさんという人は男の子のお母さんと学校を出るときだった。男の子のお母さんはアメリカに長いのでルールを知っているはず。なぜ自分の妹に注意、言わなかったのかな?
ズボンは下着の見えるパンツは着てきてはいけない。女の子はまっすぐ立って手を伸ばし「きをつけ」の状態で中指が届くところよりも短いスカートはダメ。
体育のある日、サイエンスの実験の日は靴は運動靴。
サイエンスの実験日は長い髪の毛の人は髪の毛を結ぶこと。
小学校までは髪型はうるさく言われないけれど、中学校からはモヒカンとか特殊な髪型は禁止される場合がある。ただし「ワッキーヘアー」といって変な髪型や色を付けてきてもいい日があるのでその日はオーケー。
おんなの子は肩ひもだけのTシャツはダメ(タンクトップのつまり肩ひものようになったものは何か羽織ること)胸の広く開いたTシャツはだめ。
サングラスは事情のある人(白内障などの手術直後、レーシックなど)、身障者の人以外は建物に入ったら禁止。
帽子は建物の中に入ったら脱がなくてはいけない。
しかし、帽子を教室にかぶってきていい日があります。学校の入口で生徒会に1ドル払ってリボンを付けてもらい、そのリボンを着けた人だけ許可されその日だけ帽子をかぶっていいのです。集めたお金は子ども病院に寄付します。
②暴力
言葉の暴力も含む、暴力は先生も生徒も保護者も禁止。
特に学校では生徒は先生に反抗したり言い返しをする(トーキングバック)は絶対禁止。
先生を殴る、生徒を殴る、友人を殴る、たとえゲンコツでも平手でも軽くトントンでもダメ。カフェテリアでは喧嘩にならないように警官が高校にはいって、喧嘩になったら手錠をかけて連行。(娘の高校では実際に連行されている子をみたことがあった。女の子同士の彼氏の取り合いで2人とも手錠をかけられ、それを娘は目の当たりにみて本当にびっくりしたそうです。)
男の子の喧嘩も、喧嘩の仲裁に入った男の先生も殴られて先生も生徒も大変だったそうです。
私の働いていた高校では警察は朝しかいなかったし、昼食のときは管理しているのは先生とボランティアの人ぐらいです。先生はこの「昼食のときの生徒の監督の仕事」が順番に回ってきます。
今回のように日本でおこった、先生を生徒が殴る行為はアメリカでは退学処分です。
公立の学校の場合はレコード(記録)が残り、公立の学校なのに、義務教育は高校までですが退学になって、他で受け入れてくれる公立の学校をさがさなければなりません。
転校先で「あなたは前の学校で退学処分になりましたか?」と聞かれ、答えなければならない、記入しなければならない欄があります。
(息子と娘が旦那の仕事の都合で(現在住んでいる所)に転校になった時に転校先の学校からは口頭でも聞かれました。)
③武器、薬
学校にナイフや銃、ライフルの持ち込みは禁止。
薬は麻薬はもちろんだけど、風邪薬、痛み止めなども鞄やロッカーにいれるのは禁止。
日本人のお母さんで、ついやってしまう、「今日は風邪気味なのでご飯を食べたあとこの薬を忘れずにちゃんと飲むのよ。カバンに入れておくから」は絶対禁止。
朝学校に来て、保健室(事務室)に薬は必ず預け、薬の時間になったら事務所、保健室に生徒は出向いて飲む。その薬も必ず薬の銘柄の記載されたもの、きちんと入れ物に入れたものでなければならない。)
生理痛の薬も風邪薬も事務所または保健室に行って飲むこと。
たとえ友人同士でも、友人にあげたり、先生から生徒に自分の持っている薬をわけて譲渡して与えてはいけない。
友情からつい生理痛で苦しんでいる友人に薬をあげたくなるがそれも禁止。
(これで停学処分になったアメリカ人の優秀な高校生の女子生徒がいます。)

それと何年かまえに、私の知らないどこかの州で日本人の男の子がふざけてクラスメートにおもちゃのガンで友だちの背中に後ろから弾を撃ったのですが、それは絶対にあってはならないことでその日本人の子は逮捕され、本当は牢屋行きになるところを、大使館と外務省の人まで動いて問題になり、家族で日本に強制帰国になったニュースがありましたよね。ふざけた子はまさかこんな大事になるとは思わなかったでしょう。

私の身近では私の知っていた教え子でアメリカ人の男の子が自宅のピストルで遊んでいて暴発事故で亡くなった子がいます。(前に私のブログで書いています。)

私の知っているところでは、こちらで国際結婚をした日本人のお婆さんなのですが、彼女のお孫さんの3人兄弟の男の子の話です。おもちゃのガンで遊んでいて、壁に撃ったタマが跳ね返ってお兄ちゃんの片目に入ってしまい、お兄ちゃんは今でも片目は見えない。このお兄ちゃんはパイロットになるのが夢だったのですが一番下の弟がふざけて撃った弾がそばにいたお兄ちゃんの目に入り込んだ事故。この子は高校のフットボールの選手で、大学から奨学金が出る推薦入学の話もあったのですがそれも断られ、行きたい大学、パイロットになる夢を断念しました。彼女もいたのに離れていったそうです。

最後に学校のルールではありませんが。
酔っぱらい運転はすごく厳しくて、免許停止だけではありません。アメリカは即、牢屋行きで、州によって違いはありますが現金3500ドル(クレジットカードではダメだそうです)払わないと出られないそうです。罰金とさらに弁護士費用。
もちろんレコードもつくそうです。それがなんと「前科一犯」と。
また、ある地位のあるかたで、もうすぐ帰国するので「別にいいや」とスピードのチケットを貰ったのにもかかわらず未払いで日本に帰国し、逃げた人がいて、仕事でまたアメリカに入国しようとした時に入国管理官から「あなたは法律を犯してそれに対して支払いの義務を怠った。ペナルティもあります。」と別室へ連れていかれたそうです。
その後そのかたがどうなったかは聞いていません。払って入国出来たのか帰国させられたのかは聞いていませんが彼を良く知る人からこの話を聞きました。

気をつけましょう。