新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。
今日は、日本語学校補習校に行ってきました。
毎年、高校1年生と2年生の3学期の初めの日は、「百人一首大会」を行っています。
こちらに住んでいる生徒には少しでも日本の伝統、教養を身につけさせたい。
そう思って何年も前からはじめ恒例になっています。
冬休みの前に百人一首のプリントを渡しておき、百人一首の歴史、早くとるコツを教えて
冬休みの間には百人一首を最低でも10首は覚えるように宿題を出す。
3学期の第一日目の今日、覚えたかどうかの書くテストをして、その後カルタ取り大会!
賞品は日本からお土産に貰った100円ショップの品。
「先生、これどうしたの?」
「お土産に貰ったんだよ。」
ミニだるま落とし、「日本」と書いたハチマキ、
実は「必勝」と書いたハチマキも貰ったんだけど、私の息子がこのハチマキを気に入っている。
日本製の糊、ホチキス、扇子、耳かき、かわいい消しゴム、シャープペンなどなど。その中にちょっと笑えるものがあった。それは「忍者のマスク」
「先生。なんでこんなものがあるの?」
「先生これさ、最下位の人にかぶってもらうって言うのはどう?」
「分かりました。では、この中から優勝した1人だけがこの品物を1点だけ貰える。ということにして、最下位の人はこの忍者マスクをかぶってもらうってことにしようか」
「えー?やだぁ。」「どうしよう?」
「最初に3分時間をあげるので自分の周りにある札を覚えてください。『源平合戦』というグループに分けた団体戦もあるけど人数も少ないので今日は『ちらしどり』という個人戦です。」
始まるとみんな真剣な顔に・・・。
お手つきをする子やカルタを押さえている女の子の手の上に手を同時に乗せるので、
途中で男子をからかう。「あれ?女の子の手を握りたかったのかな?」と。
みんなで爆笑。
それから、
「先生!◯◯が、ひどいんだよ。手を払われて無理に違うところにお手つきにさせられた!」とか。
「いたた、なんか張り切りすぎて手が変になったぁ」
最初、なかなか取れなかった男の子が「オレ、別にとらなくても構わねえ」と言っていたのに、1枚でも札がとれると「おぉ!やったぁ!よっしゃあ。」と夢中になる。
「あ!くやしい!この歌、覚えてたのに!」とか。
目の前にあった札を他の女の子に遠くから手を伸ばされてとられたり。
結果
1年生のクラスでは、一位の子は日本のシャープペンを選んだ。
2年生の子は日本のホチキスを選んだ。なんとホチキスのタマを入れなくてもホチキスが出来るという優れもの。1人で45枚も取った。しかも私が上の句を詠み上げている間に下の句を覚えているのですごい!
罰ゲームの忍者のマスクをかぶるのはかわいそうなので「やめようか」ということになった。
その後、僅かな時間だったけど
「坊主めくりゲーム」も行った。ルールを知らない子もいたので説明した。
札を裏返しにして真ん中に置いて順番にめくって行くのだけど、札をよく見ると帽子をかぶっている坊さんがいる。中には赤い帽子をかぶっている坊さんがいて
「何こいつ?」と生徒が笑う。
坊さんが出たら自分の持っている札を全部没収。次にお姫様を引いた人が没収されたものを貰える。ほかに、札の下のところに虹色の台座に座っている人が出てくる。これは天皇様なのでもう一枚引くことが出来る。また、矢を持っている人がいてこの人が出てももう一枚貰える。
一番多く札を持った人が勝ち。
結果。
坊主ばっかり引いていた女の子が逆転で勝った。
しかし、
1位の2年生のこの女の子は、数ある品の中から、なんと「だれもかぶりたくないだろうから罰ゲームに使うのやめよう」「かわいそうだから負けてもかぶらせるのはやめよう」となった、「忍者マスク」をこの女の子は選んだ!
おとなしい真面目な勉強のできる子。
何で忍者マスクを選んだかは謎だ。
クラスの子は一瞬絶句。
私は、
この女の子が家でこっそり忍者マスクをかぶり、鏡の前に立つ姿を想像し、
なんともいえない不思議な気持ちになった。
ちなみに忍者マスクとは下記のと同じもの。
http://www.mbok.jp/item/item_406314114.html
では!また。