なぜBさんの言うことは同僚や上司から無視され、その後Bさんは左遷されたのか、の続きです。
まずA社では営業力の強さを売りに売り上げを伸ばしてきましたので、A社の社員の採用基準は営業力の強さになります。また、A社の管理職の出世の基準は、当然営業成績の良い者が管理職に取り上げられるようになっています。
ということは、Bさんの言っていることは、営業力の強い社員や管理職はもう必要ない。これからは営業以外の職業に就いて頑張って下さいと言っているわけです。
営業能力の高さを買われて就職したのに、もう営業能力など価値がありませんとか。営業力を磨いて管理職に出世をしたのに、出世をした理由を全面否定されるわけです。
そして日本には村八分という習慣があります。
Bさんは一体どうなってしまうのでしょうか?
営業が全てのA社の社員にとってBさんは厄介者でしかなく、自分たちの存在価値や出世の理由を破壊しようとするBさんは無視され、本人のいない所で様々な悪評を立てられ、悪評が元で左遷されA社を辞めざろう得ないような状態に追いやられるのです。
そして、これによりA社の多くの社員たちの職場における地位は確保されたわけですが。ところが残念ながら、このことによりA社ではイノベーションが起こらなくなってしまうのです。
これは会社にとっては、ほとんど致命傷だといえます。
ひとたびイノベーションが起きてしまうと、そのジャンルの産業は今までとは全く違う新しいものに変容してしまいます。
ようは、営業力を主軸にしてきた産業は、主軸を営業力以外に移すということになりますので、営業力に頼って売り上げを上げている企業は、イノベーションを起こした企業に市場を奪われ倒産への道を歩むこととなるのです。
「そんなことを言っても。自分たちの産業は何十年も同じやり方でやってきって、何も起こらなかったのに、本当にそんなことになるのか?」と思う方もいらっしゃるかと思いますが。
イノベーションというのは、そう簡単には起きないのです。過去の例を見ても、産業革命から車や家電の大量生産まで100年ほどかかっていますし、車や家電の大量生産からIT革命まで70年ほどかかっています。
このようにイノベーションは非常に長いスパンで起こるものでして、数十年起きなかったから起きないというのは早計だと言わざろう得ないのです。
そもそもビジネスモデルというものは、常に新しいものに更新されるものであり、今あるビジネスモデルが未来永劫変わることなく存在し続けるなどということはありえないのです。
もし今あるビジネスモデルが変わることなく未来永劫存在し続けるとしたら、それは今の世界が天国か何か、完全無欠の完璧な社会だった場合の話になります。もちろん、今の社会が完全無欠の完璧な社会だと思っている人はいませんので。今ある社会をより良いものにするために、不完全なビジネスモデルをより完成度の高いものへと変化させなければいけないわけです。
私たちの社会はグローバル化が進み、世界の企業は世界中どこにでも会社を立ち上げビジネスができるようになりました。
ということは、世界のどこかでイノベーションが起きてしまうと、それはまたたくまに世界中に広まり、今まであったビジネスモデルを駆逐して行くわけです。
そして一番最初にやり始めた企業が、そのジャンルの産業のイニシアチブを取ることになり。世界市場の大部分を手に入れることとなるのです。
そしてそれは日本企業ではないのです。
なぜなら、全く新しいビジネスモデルを提唱した者は、その会社の従業員たちの保身により、村八分に合い追い出されてしまうからなのです。
このままだと日本社会の構造上、日本のビジネスはほぼ絶望的だと言わざろう得ない状況なのですが。
ただ嘆いていても仕方ありませんので、次回からこの状況から抜け出すための案を、いくつか紹介してゆきたいと思います。
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