『Gatoh-Move Japan Tour.16』
☆2012年12月31日(月)
市ヶ谷南海記念診療所
観衆68人(札止め)
◆オープニング
今日も昨日に続いて、練習生ことりのエキシビションマッチが組まれた。相手はさくら、レフリーは高梨。時間は3分。
いきなりスクールボーイであわやという場面を作ったことり。その後も若さにまかせて動き回り、36歳のさくらのほうがスタミナがつらいという感じに。
ことりは何度かフォールも返して客席の拍手をあび、結局、3分間で0vs0。さくらが息を切らしながら「2013年のデビューにご期待ください」とあいさつした。
◆第1試合 タッグマッチ15分一本勝負
○ケイ・リー・レイ&里歩(11分42秒、スコティッシュ・ノーザンライト・スープレックス・ホールド)松本浩代&趙雲子龍×
カカア天下というチーム名の浩代と趙雲が久々のタッグ結成。浩代は白いチャイナ風のコスチュームに、髪型も中国っぽく登場。
先発は浩代とケイ・リー・レイ。客席が「ケイ・リー」コールとなると、浩代は控えの趙雲に「応援しろっ」と怒鳴り、早くもカカア天下ぶりを見せる。
浩代とケイ・リーがレスリングの攻防を見せるが、浩代が押され気味となると、タッチした趙雲が「見本、見せてやろうじゃねえか、かあちゃんっ」と言いながら素早い動きを見せる。趙雲と浩代は「イー・アル・サン・スー」と掛け声をかけての連係もバッチリきめるが、浩代のボディアタックが誤爆すると、趙雲は「重い…」と思わず本音をもらす。
ケイ・リーと里歩はキューティートレインからダブルでニコニコ印。里歩の投げ技連発に趙雲がふらふらとなり、浩代が「帰ってこい」とタッチを求めるが、趙雲は「こっちのほうがいいや・・・」と言いながら、ケイ・リーのコーナーに帰ろうとしてしまい、この浮気行為に浩代が恐ろしい表情。身の危険を察した趙雲は、里歩の攻撃を窓を飛び移ってかわすと「かあちゃん、ごめん」と謝りながらタッチする。
ストレスを爆発させるべく、浩代は里歩とケイ・リーを2人まとめてバックドロップで投げる。しかし、里歩に背後からのそうまとうをくらうと、ケイ・リーとのフロントキックの打ち合いは足の長さの差により、浩代の足は届かないで、ケイ・リーのキックだけヒット。
浩代はサイドバスターをケイ・リーにきめて趙雲にタッチ。趙雲は久々の窓枠619を狙うがケイ・リーがかわし、逆に窓にとびのってのゼロ戦キックをきめる。
浩代が入り、里歩とケイ・リーを壁にぶつけると「浮気すんなよー」と言いながら趙雲もまとめて壁にぶつけ「かかあ天下、発射」と言いながら壁アタックを狙うが、里歩とケイ・リーだけかわし、趙雲一人がくらってしまう。ここで里歩とケイ・リーは、同時に飛びつきウラカンラナ、クリストをきめて見せ場を演出。
趙雲と浩代はバックエルボーと水面蹴りを同時にケイ・リーにきめる連係から、浩代が趙雲をおんぶしてダブルニー。さらに趙雲が窓からチャイニーズ・ボムズアウェイをきめるが、これはケイ・リーがカウント2で肩をあげる。
浩代と趙雲は2人がかりでケイ・リーをアルゼンチン・バックブリーカーにかつぎあげるが、ケイ・リーが切り返して丸め込み。ならばと浩代が趙雲をおんぶして何かを狙おうとしたところ、里歩が浩代にドロップキックをみまい、そのまま後方に倒れてしまい浩代の体重で趙雲がダメージ。
そこに里歩がそうまとうを叩きこむと、ケイ・リーが得意のスコティッシュ・ノーザンライトスープレックスで固め、趙雲から勝利をゲットした。
◆第2試合 シングルマッチ10分一本勝負
△米山香織(時間切れ引き分け)モーリー×
モーリーがフリーとしてJWPに参戦していた当時に一度だけおこなわれたという約2年ぶり2度目シングルマッチ。
ゴングが鳴ると、同門対決らしく2人とも「ハートムーブ系っ」とポーズをとってあおる。まずは基本に忠実なバックのとりあい、腕のとりあいといった攻防。米山はX固めの形から手を合わせて「今年も一年ありがとうございました」とおじぎ。さらに米山はリバース・インディアンデスロックから「私はゴム人間っ」と言いながら鎌固めをきめる。
米山がキャメルクラッチからモーリーの鼻をつまんで変な顔攻撃をすると、モーリーも同じく米山を変な顔にとらえ、動画配信中だった浩代のカメラに米山の顔を向けて「全国に届けー」と叫んだ。
5分経過。米山のフロント・ヘッドロックをモーリーは強引にブレンバスターで投げ捨て沸かせる。チョップとエルボーの打ち合いから、米山がノーザンライト・スープレックスをきめると、モーリーは窓からのセントーンで攻め返す。
返し技の応酬から、至近距離でのエルボーの打ち合い。米山がローリングソバットを放てば、モーリーはラリアットでカウント2を奪うなど、どちらも負けていない。
残り時間1分。モーリーはランセットアーチ、米山はタイ式後方回転エビ固めを出すが、いずれも決め手にならずカウント2。米山は窓からの延髄ニーもきめるが、これもモーリーは2.9で返す。
米-ZOUはかわしたモーリーがラリアット。残り時間がない中、モーリーは強引に押さえ込もうという“全女固め”のような形になったが、結局、きめられないまま10分時間切れ引き分けのゴング。
最後は2人で「ハートムーブ系っ」とコールしながら帰って行った。
◆第3試合 『チョコレート広場軍vs山田アリーナ軍』最終決着戦15分一本勝負
○さくらえみ&マサ高梨(9分21秒、ラ・マヒストラル)中森華子&山田太郎×
会場の名前を『チョコレート広場』にするか、『山田アリーナ』にするかの抗争も、いよいよ大みそかに最終決戦。山田アリーナ軍のヤマダハナコは、山田アリーナと書かれたお手製の小さなのぼりを持って入場。一方、チョコ広軍の総大将、さくらは高梨を従え、さくらと高梨の奇襲から試合開始のゴング。
さくらと高梨は「チョコレートパンチ」と言いながらのパンチを狙うがかわされ、逆にヤマダハナコは「ヤマダっ」「ハナコっ」と叫びながらのキックとエルボーをきめていく。
さくらは「チョコレート軍団っ」と言いながら技を出してあおろうとするが、客は乗ってこない。ファンのムードは、完全に山田アリーナ軍の味方の様子。
3日連続のタッグ結成ですっかり息のあった動きのヤマダハナコに対して、あいかわらずちぐはぐな連携のさくらと高梨。高梨がつかまる展開が続く。
高梨はぐるぐるパンチを打ってようやくさくらにタッチすると、さくらは華子にダブルアーム式背骨折り、山田にコルバタ、2人まとめてさくらえみ70キロと、チョコレート広場命名に向けて一気に攻勢。しかし、ここでも結局、高梨との連携の乱れで反撃をゆるすことになってしまった。
さくらが「チョコレートっ」、山田が「ヤマダっ」と叫びながらのチョップとエルボーの打ち合いは、さくらが「チョコレートはっ」「明治っ」と叫んで打ち勝つ。
華子がさくらにキックからのフィッシャーマンで投げ捨てると、山田は窓からダイビング・ダブルニーでさくらに落下。さくらのマヒストラルをつぶしてフォールにいった山田は、逆さ押さえ込み、オクラホマロールなどを連発してさくらをフォールに追い込んでいく。
しかし、さくらが山田を羽交い絞めにすると、高梨のトラースキックが奇跡の命中。ここでさくらが電光石火のマヒストラルを繰り出してカウントスリー。
さくらが山田をフォールするという形で、まさに抗争が最終決着となった。
◆エンディング
いつものお茶の代わりに、客席に年越し蕎麦が配られ、みんなで蕎麦を食べながらの座談会。
まずケイ・リー・レイは今日が市ヶ谷は最後の試合で、1月6日の板橋大会が我闘雲舞ラストマッチとなると発表され、板橋での対戦相手は「最近、英会話を習い始めたらしいから」という理由でチェリーに決定。さくらはケイ・リーに「サーティーエイト。フェイクヤング」とチェリーのことを簡単に説明した。
モーリーは「いつも自分にいろいろなきっかけをくれる米山さんと大みそかに試合ができてうれしい。そして自分は今まで、大みそかに試合が組まれたことがなくて、早い時なんて11月が年内最後の試合というときもあって、今年はこうして大みそかまで試合ができてうれしかった。自分はプロレスラーは弱音を言っちゃいけないと思って、こういうこと今までは言わなかったし、劣等感のかたまりで・・・」とコメントすると、さくらは「そうじゃなくて弱音も劣等感も、プロレスラーは売り物や商品にしていかなきゃいけないんだよ」と独自のプロレス感を説いた。
米山は「今年一年いろいろあったけど・・・モーリーや華ちゃんには思い入れがあって、最後にモーリーとシングルできてうれしい・・・」というと泣き出してしまう。
暗い表情と口調の山田は「今日負けて、チョコレート広場と認めざるをえない。中森さんと3日間やってきたけど、山田アリーナ軍は本日で解散です」と発言するが、今日も華子が「ふざけんじゃねえぞ」と山田に気合いのビンタ。
「負けたけど山田アリーナ軍の心は死んでない。まだ組んで3日だろ。これからだろっ」という華子の檄に、山田は「確かに一回の負けであきらめるのは山田らしくない。チョコレート広場は認めるが、山田アリーナ軍は今日からスタートだ」と絶叫する。
山田は「さくらさん、お願いがあります。ずいぶん先ですが、8月に南海記念診療所の山田先生の誕生日があります。そのときだけ、チョコレート広場を山田アリーナにしてもらえませんか」というと場内も山田コール。さくらは「8月まで我闘雲舞があるかわかりませんが、そのときは山田アリーナで山田祭りにしましょう」と約束した。
◆大みそか恒例さくらえみ大賞
ここで、アイスリボン時代からの大みそか大会恒例となっているさくらえみ大賞の発表に。これは毎年さくらが独自に決め、平等主義でその場にいる全員がもらえるというゆとり的なものになっている。
まずシングルマッチで対戦し素晴らしさを再認識、スケジュールがあう限り全部出てほしいというレギュラー参戦賞に松本浩代。
ナイスネーミング賞に山田太郎。イメージアップキャラクター賞に石田亜矢子。幸せの青い鳥賞にことり。ベストパートナー賞に里歩。ロンドンブリッジ賞にケイ・リー・レイ。
中森華子には「いつも新しいコスチュームで楽しませてくれた」とフォトジェニック賞が贈られるが、華子は不満そうにしゃべりはじめる。
「我闘雲舞で毎回ちがうコスチュームに変えると宣言して、今日が19着目。まだまだコスチュームはあるけど、コスチューム以外にもいろいろやってきたと思うし、来年はフォトジェニック賞じゃなくて、プロレスを評価されたい。だから、あえてコスチュームを変えるというのは、今日で終わりにしたいと思います」と、脱フォトジェニック宣言。
これにさくらは「コスチュームだけじゃなくて試合で魅せる、というそんな華子のために板橋のカードを用意しました」と、1月6日の板橋で田村和宏とのシングルマッチを発表。
これに華子は「自分は何度かレガースをつけてキックを使うスタイルに迷うことがあって・・・」というと涙で声をつまらせてしまう。「でも、そんな自分の迷いを、このスタイルでやっていこうと思わせてくれたのが田村さんとの闘いだったので、シングルマッチのリングで思い切りぶつかり合いたい」と決意を口にした。
ベストバウト賞は、12月2日のマサ高梨vs南野タケシ。「我闘雲舞で一番泣かせてくれた」というモーリーにハートムーブ賞。
最後に「この人がいなかったら我闘雲舞はなかった」と米山香織にMVPが贈られると、米山は再び泣き出してしまう。
ここで米山が恒例の『ゴム人間のうた』を歌う。
さくらからは、さらに1月6日には新春バトルロイヤルを「適当にみんなでやる」と発表された。
◆帯広さやか入団
さくらが「本当に最後ですが、実はここで我闘雲舞からお知らせがあります。新入団選手です」というと、場内にテーマ曲『全開スタイル』が流れる。客席からどよめきと同時に大歓声があがり、早くも大きな帯広コールが起こる中、帯広さやかが登場。さくらえみに抱きつくと、さくらは早くも号泣。
「我闘雲舞に入団させていただく帯広さやかです。いつもいつも自分の足で立っていけるのか、自分で生きていけるのか不安な私ですが、人間として成長していきたいと思ってまして、さくらさんの下でプロレスをしたいと思って、我闘雲舞に入団させていただくことにしました。よろしくお願いします」とあいさつした。
さくらからさっそく1月6日の板橋大会出場が発表されると、帯広は未定となっているさくら&里歩のチームの相手として立候補。「パートナーは?」とさくらにきかれると、帯広は「組みたい人がいるのです。米山さん」と、かつて米山革命軍として一緒に活動した米山を指名。「おびちゃーんっ」と感動した米山が帯広に抱きつく。
さくらは「板橋ではよねちゃんはゴムチューブデスマッチが決まってるし、新春バトルロイヤルもあるし、昼のJWPもあるから、一日4試合になっちゃうよ」と止めようとするが、米山は「おびちゃんのためなら4試合だろうが5試合だろうがやってやるよー」と帯広にもう一度抱きつき、板橋大会での帯広入団第一戦は、さくらえみ&里歩vs米山香織&帯広さやかに決定した。
さくらはさらに「今日はみんなにさくらえみ賞をあげたけど、おびちゃんにも用意してあるのよ。」と帯広に交通費賞を贈呈。
帯広は「交通費賞をもらったということは、タイに行かないといけないのですっ」と興奮。さくらが「ちがうのよー。それは水道橋から市ヶ谷の交通費よ」と止めるが「いえ、交通費賞をもらったのでタイにぜひ行かせていただきたいと思います」という帯広に「好きにして」とさくらも認め、帯広はタイにも行く模様。
「だったら最後も我闘雲舞のタイ語の締め、できるよね。おびちゃんが締めて」というさくらに、帯広は「自分がリャオサーイと言いましたら、みなさんシャーイと・・・」と間違えて説明。さくらに「お前は右に行ったり左に行ったりどこに行くんだよっ」とつっこまれてしまう。
こうして2012年の我闘雲舞最後は、帯広が元気よく叫んだ。
「リャオサーイ?」(右に行くのか?)
「メシャーイ!」(ちがうよー!)
「リャオカー?」(左に行くのか?)
「メシャーイ!」(ちがうよー!)
「トンパーイ?」(真っ直ぐ行くのか?)
「シャーイ!」(そうだー!)
「レッツゴー」