今回は茂木健一郎氏著の「読む、書く、話す」脳活用術についての感想をここに記録します。
 
まずこの本を読もうと思ったきっかけは
最近の読書本が脳をテーマとした勉強法が多かったからです。
 
ではなぜそもそも本を読み始めたかというと、
直近で自分のライフプランに変化があったからです。

要は職場での昇進を意識したことがきっかけでした。

 
もともと自分は昇進=プライベートの時間が減ることから興味はなかったのですが、
職場でのエコひいきに負けたくない気持ちや
このままチャレンジしない人生はもったいないのでは?
と言った気持ちが沸々と強くなっていき意識が変わっていきました。

そこから自分にとって昇進する上での不足していることを考えたときに
言語力がまず思い浮かんだので読書を始めました。
 
とは言っても明確にこの本を読みたいとかはなく、
古本屋に行って気になる本を買うくらいの感覚から始めました。

そうやって読書をしていくうちに脳についてのテーマが自分にとって
吸収しやすい知識だということが感覚的にあったのでこの本にたどり着いたのです。
 
では前置きが長くなりましたが本題の感想の記録に移ります。
 
その前に一点、注意になりますが
これは僕の興味が前提の読書記録になることをご了承ください。
 
ですからその本に対してすべてを読んでいるわけではなく、
自分が吸収したい箇所のみに対して感想を述べるものになります。

 
つまり今回の本でいえば全7章あるうちの3章までが対象となっています。
1-3章が日本語の読む、書く、話すで4-7章は英語の読む、聞く、話す、書くになっており、
僕が英語に興味がないので読んでいません。
あとせっかちで自分が興味のないことへの時間の浪費を好まないのもあります。
 
 
さて、ようやく本題です。
いきなりですがみなさんは本を選ぶ時どのような基準で選んでいますか。
 
表紙が気になるモノ?文字が大きくて読みやすいモノ?それとも好きな作家のモノ?
 
悩んでいるそんな時は、あえて難易度の高いモノを選んでみてください。
なぜか。著者は次のように言っています。
 
言語は数学の様にステップを踏まずとも、
 脳はそれなりに刺激を受けて回路がつながっている。
 だからこそ言語に関しては無理筋の勉強ができるしやるべきだ」と。
 
なるほど。そのような理屈かと。
 
確かに言語は数学と違い方程式などの基礎となる知識がなくともある程度理解はできます。
それこそ初めて見た熟語でも前後の文章の内容から大体の意味は推測ができますよね。
ただ難易度の高い本を読む行為は非常にパワーが要りそうですね。

 
普段から読書をしている方なら挑戦できるかもしれませんが、
これから読書をしようと思っている方には少し難しい気がしますね。

 
仮に読書に練度があるとするならば初級の方はまずは継続のために
自分のレベルにあった本を読むのがいいかと思います
まずは読書を好きにならないとですからね。
 
一方で物理学者の湯川秀樹さんは子どもの時に
祖父から漢文の素読を習っていた過去があり自伝で次のように述べています。

 
私はこのころの漢籍の素読を決して無駄だったと思わない。
意味を分からず入っていった漢籍が、大きな収穫をもたらしている。
大人の書物を読みだす時に文字に対する抵抗は全くなかった。
祖父の声につれて復唱するだけで、知らずしらず漢字に親しみ、
その後の読書を容易にしてくれた


 
つまり子どもの時に意味を理解せずに行っていた漢文の素読が、
文字に対する抵抗を無くしていたということですね。

 
このエピソードを聞くと難易度の高い本を読むことって、いいことかもって感じますね。
ただし「継続」が大切なのかなとは思います。
 
あくまで想像ですがきっと漢文の素読は祖父と行う
習慣のようなもので「継続」できる環境にあったからこそ「大きな収穫」に
つながったのかと思います。
 
この読書法に挑戦しようと思った方は「継続」する覚悟を持って頑張ってみてください。
 
 
次は読書による「シンボル処理のダイナミクス」についてです。
みなさんは鳩と言われてなにを想像しますか?
のんびりした鳥?音響式信号機?それとも平和の象徴?
 
シンボル処理のダイナミクスとは、
あるもの(鳩)をあるもの(平和)へと変換することを言います。

 
実はこの変換処理が脳に負荷を与え、複雑なほどより良質な負荷となり
脳の活性化を促進するそうです


 
そこでこの処理に有効なのが「文学作品」だそうです。
 
文学作品は物語の展開や視線などの要素が絡み合うことで
ひとつのシンボルが何層もの意味を含む
ようになります。
 
つまりそれだけ複雑な「シンボル処理のダイナミクス」が行われるわけです。
 
ですので自己啓発本以外にも脳を活性化させる目的で「文学作品」を読むことをお勧めします。
ぼくはさっそく夏目漱石の「こころ」を購入しました。
 
ちなみになぜ夏目漱石かというと、著者が本書の中で魅力を語っていたからです。
少し脱線して著者が感じた夏目漱石の魅力に触れてみたいと思います。
 
 
夏目漱石の魅力、それは「覚悟」だそうです。
著者が夏目漱石の孫である半藤末利子さんにお目にかかった際に
孫として祖父の一番好きなところは「権力に埋もれなかったこと」
とおっしゃっていたそうです。
 
名誉と安定を約束されていた東京帝国大学の教授の職をオファーされながらも
当時のベンチャー企業であった朝日新聞に入社し、
その後も文学博士号を辞退するなど夏目漱石は名誉から回避して人生を歩んでいたそうです。
 
また総理大臣からの文士を集めた宴の招待も

「時鳥厠半ばに出かねたり」

の一句を添えて断ったというくらい
徹底して権威を嫌い権力に埋もれない生き方を貫き通していたそうです。
 
そこには権威や権力を得ることのむなしさを悟ってしまった人だからこそ
持つことのできる「覚悟」があったのだろうと著者は述べています。

 
また著者は以下のように述べています。
漱石の覚悟から現代に生きる僕が学んだことは権力におもねらないと同時に
大衆迎合主義(ポピュリズム)にながされないことです。
ポピュリズムにおもねってばかりでは本当の文化はつくれません。
文化をつくるということは何ものにも寄りかからないことです。
それを最も美しい形で示しているのが漱石なのです。
 

これだけ夏目漱石に対する思いを伝えられてしまえばだれでも興味が湧いてしまいますね。
「こころ」を読んだ感想はまた投稿するつもりなので、未来の自分よ頼んだよ。
 


さて次は「書く」=文章力についてです。
文章力上達術、これはシンプルです。
 
〇圧倒的な量を書いて練習せよ
〇文章の向こう側に座っている相手を意識せよ


以上の2つになります。
 
では具体的な練習法をお伝えします。
 
◆1時間に1枚400字の原稿を10枚書く
 
うーん。難しいです。非常に難しいです。
ちなみにこの投稿は1週間掛けてで約4,000字です。
まだまだ修行不足、頑張ります。
 
この練習法は量だけでなく書きあげる速さも必要になってきます。
ではなぜ速さが必要か。
 
著者いわく、いい文章を書くには脳を「フロー状態」にすることが重要だそうです。
 
フロー状態とはあることに熱中して時間や周囲を忘れてその動作に没頭することであり、
 

この熱中状態で書く文章は「熱」を持ち、読み手を魅了する文章に仕上がるそうです。
 

また文章を書く際は、「読み手を意識」することが上達を促してくれるそうです。
著者は原稿を書く際、読者を想定するのはもちろんですが
最初に自分の文章を読む編集者の顔を思い出しながら書いている面があるそうです。
 
「楽しんでもらいたい」「どんか感想を持つだろう」
このような意識が文章上達のモチベーションになりますので
是非、みなさんも文章を書く際は「文章の向こう側に座っている相手」を意識してみてください。
そして書き上げた文章は投稿ましょう。
僕の様に。
 
ぼくも「フロー状態」を身につけ、炎のように熱を帯びた文章、読み手を楽しませる文章を
書き上げれるように努力をしていこうと思います。
 
 
「話す」についてはぼくの解釈が不十分でしたので、
本書で紹介があったポイントだけ列挙させていただきます。
 
・話すことは*偶有性へのトレーニング
・自分の顔の横も気にかける
・感動したことを伝える
・自分と世界に向けた問いを持つ
・ビジョンを言葉で放つ
※あらかじめ予想できることと、予測不可能なことが入り混じっている状態
興味を持った方はぜひ読んでみてください。

 
現代はパソコン、スマホそしてインターネットの普及によって
便利かつ様々な情報が絶えず流れてきます。
いまや文章を手で書く作業は「究極のラグジュアリー」になってしまいました。
 
こと漢字においては「形」としてうっすらと認識している程度になってしまい、
自分の漢字力低下に落胆することもしばしばあります。
 
この状態を改善する手段として「好きな作家の作品を自筆で書き写す」ことを著者は勧めています。
 
この方法のメリットは漢字の定着だけでなく、
作品の新しい解釈また作品特有の文章のリズムをつかむことができますので
みなさんもぜひ取り入れてみてください。
 
また著者は情報の入力と出力のバランスを危惧しています。
情報が過多な状態では頭の中が整理できずアイデアが湧いてきませんし、
出力しないことには身につくこともありません。
 
情報は入力よりも出力を意識して整理し使いこなし、
どんどん新しいアイデアを生み出していってください。
 
そして情報世界の狩人となり人類が蓄積してきた知を捉え、
肥沃な文明を築いていきましょう。
以上著者まとめより。
 
 
現状のぼくの知識で本書から取り入れることができることはこの程度ですが、
読書の練度によって本から得られる知識は変わってくると思います。
 
もしこの感想を読んで興味を持たれた方はぜひ読んでみてください。
そして感想を聞かせてください。
 
ぼくはたくさんの人の解釈を取り入れることが
他人の理解と自身の成長につながると思っています。
 
読書の輪をひろげ万人の知識を吸収し絶えず成長する人生を歩みたいものです。
以上