電気自動車の前にハイブリッドカーについて



1997年に世界に先駆けトヨタがハイブリッドカーであるプリウスを投入


1999年にホンダが、ハイブリッドカーのインサイトを投入


両社とも、ハイブリッドではあったが、トヨタとホンダのシステムは、全く違った。


ホンダは、あくまでもガソリンエンジンのサポート、やはり、ホンダイズムに沿った設計だった。


エンジンで得た回転を駆動部に伝えるプロペラシャフトに、モーターを挟んで回転をサポートするシステムだった。


モーターを入れたスペースは、わずか十数センチ。モーターに使われた磁石は、回転部(ロータ)の表面に付けられたSPM(PMは、磁石を使ったモーターのこと)だったため、遠心力で磁石が飛ばないように回転数に制限があった。後に、回転数に制限が無いロータに磁石を埋め込んだIPMに変更された。


一方のトヨタは、ガソリンエンジンでも動くし、電気自動車としても、動くシステムで、最初からIPMを採用したが、初代プリウスは、スイスのアルプスを登らないとして、ロータに埋め込む磁石の角度などを工夫し、2第目プリウスに搭載し、登るようになった。また、トヨタ式は、時間制限があったが、電気走行も出来た


ホンダは、一定速度で走行する際は、効果のあるシステムだった。一方のトヨタは、万能型と言える。


当時のモーターショーなどで、技術者の話を聞いた時、トヨタから、色々なハイブリッドシステムを開発し、その延長上に電気自動車があるとしていた


それに、当時の問題は、搭載するバッテリーだと言っていた


だから、トヨタが搭載したバッテリーは、ホンダの搭載したリチウムイオン電池では無く、安全性の高いニッケル水素電池だった。


トヨタは、バッテリーの進化により、搭載するバッテリーを考えるとしていた


ハイブリッドだと、バッテリーが無くなっても、ガソリンエンジンがあるから充電出来るからと、ハイブリッドシステムの特徴を上手く利用していた


次にトヨタがハイブリッドシステムを改良したのは2005年に投入したクルーガー、ハリヤーのハイブリッドカーの時だ


トヨタは、ハイブリッド周りの電圧をアップさせた。この時、トヨタは、これまで使っていた高性能磁石であるNEOMAXを、初めて、他社の磁石に切り替えた。磁石性能は悪化するが、電圧を上げた事でカバー出来る事がわかったためだと思う。


ちなみにホンダは、モーターをSPMから、IPMに切り替えた際に、これまで付き合いのあった磁石メーカーから、NEOMAXに変えている。ステーター(非回転系)との距離が離れた為、高性能の磁石を使わざるを得無かったからだ。如何せん磁力は距離の2乗に反比例するからだ。


続く