イギリス4日目の今日は、イギリス再訪の旅に新風を吹き込む一大イベント
本の町「ヘイオンワイ(Hay-on-wye)」へ出かけます。
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(風にひるがえるウェールズの国旗、と後ろにイギリス国旗)
ヘイオンワイは、イングランドとウェールズの境界に位置し、
行政機関の干渉を受けることもなく、リチャード・ブース氏というカリスマリーダーを
中心に「本の町」として独自な発展を遂げたユニークな町です。

この町について詳しく知りたい方は、長野県高遠で「本の町」プロジェクトを進めている
斉木さんらが書いた本を読んでください。

私からはリチャード・ブース氏が斉木さんらにアドバイスした以下のコメントに注目して
お伝えしたいと思います。

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それは、日本で「本の町」を創りたいならば、「冬の経済を考えよ」ということ。

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ならば、本家本元、本の町、ヘイオンワイの冬はどのような状況なのか、を探るべく
寒さ厳しい12月のウェールズへと向かったのであります。
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ヘイオンワイは誰もが憧れるような典型的なイギリスの美しいカントリーサイドです。
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町の中心には駐車場があり、ここに車を置き歩いて町を散策できるようになっています。
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駐車場のすぐ側にはツーリストインフォメーションがあります。
ここで町歩きに必要な散策マップをゲットしたら、いざ出発です。
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まずはなんと言っても「本の町」ヘイオンワイのシンボル的な存在、ヘイキャッスルへ。
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この入り口をくぐると、そこにはあの、何度も本や写真で見てきた憧れの光景が・・・。
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そう、これです!!!お城と本のコンビネーション、本の城です。
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がしかし、近づいてよくよく見てみると・・・あれっ、あれっ、あれ・・・???
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本がかなり・・・傷んでいます。。これは、とても販売できるような状態ではありません。
この青空本屋は、お金をボックスに入れるかわりに、好きな本を持っていっていい
という仕組みなのですが、これでは誰も買おうとは思いませんよね・・・。
なんだかかえって見るも無様な状況に寂しかったです。
これが冬のヘイオンワイの現状なのでしょうか・・・?
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城の上まで上ってみました。この景色はとても壮観。なんといっても向こう側に見える美しい
カントリーサイドの風景がそれは美しいのです。がしかし・・・
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お城の中の本屋さんは閉まっていました。定休日ではないはずなのに、
そして「今日は4:30で閉まる」という紙も掲示してあるのに・・・
きっと、これはお昼休みだね、ということでまた戻ってくることにしました。
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→のサインに沿ってお城の奥に進んでいくと、「誠実な?本屋」という名前の本屋さんが。
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「Japanese」という文字を本のタイトルに発見。
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最後に、「誠実」な本屋ですから、正直にきちんと、買ったもののお金はここにいれましょうね。
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そして我々もお腹が空いたので昼食に出かけることにしました。
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ヘイオンワイは日本にあるような、コアな層が集う古本街とは違い、
誰もが、極端な話、本に興味がなかったとしても、楽しめるような町です。
(私も早稲田には4年通いましたが、古本屋をのぞくことなんてめったにありませんでしたね・・・。
 たとえ毎日通っていたとしてもです。残念ながら現在の早稲田には古本の町として賑わっているような
 印象を受けませんでした。古くからの学生街としての良さ、古くからのお店もなくなっていますしね。
 話が逸れましたが。)

つまり、それはどんな町なのか?
 ①本屋だけではない(クォリティの高いカフェ、パブ、アンティークショップ、雑貨店が多い)
 ②中心部は歩いて見て廻るのにちょうどよいサイズ、その外には美しい田園風景が広がっている
 ③「いかにも観光地」ではなく、ほどよい地元の人の生活感が感じられる

では、まずカフェでランチを。JulietがオススメのThe Granaryというカフェに行きました。
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(上写真右、PBFとはPlastic Bag Free、ビニール袋がタダということをアピールするなんて、
 時代に逆行していませんか?まあこういうところにこの町の日常性を感じるのですが。)
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店内はとてもかわいい!多くの人で賑わっています。
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本日のスープは3種類から選べます。
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手作りのパンとスープで軽めのランチ。
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このジェントルマンはヨークシャーから親戚を訪ねてヘイオンワイにやってきたそう。
まるでサンタクロースみたい。

冬でも、私たちをはじめこのジェントルマンのような観光客がこの町にやってくるものだ、というのは
少々意外でした。冬のイギリスは寂しいものだ、と決め付けていましたから。まして、この町は
ロンドンから3時間以上列車に乗り、そこからバスで1時間の距離です。
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せっかく来たゲストをがっかりさせるわけにはいきません。ほとんどすべてのお店がオープンしています。
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町のシンボル、時計台。
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12月はクリスマスのおかげできっと救われているのでしょう。
町はそこかしこ、クリスマスらしくとても可愛らしく飾りつけられていますし、
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本屋のウィンドーにはクリスマス関係の本が並び、見ているだけでも楽しい。
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路上ではクリスマスリースを販売しています。
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路上といえば、今日はちょうど、1週間に1回、木曜限定の地元の朝市が開催されていました。
朝からはじまりだいたい昼をすぎると店じまいをはじめてしまいます。
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この市場は観光客ではなく、主に地元の人をターゲットにしています。PBF(Plastic Bag Free)にも
関わらず、ちゃんと地元の人はエコバッグを持参しているようですね。
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朝市の近くで気になるお店を発見。羊のミルクのアイスクリーム屋さんです。
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お城の近くの一等地にあり、大変賑わっていました。羊のミルクのアイスクリーム・・・
興味はありましたが、残念ながら寒くてアイスクリームを食べる気分ではありませんでした。
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そしていよいよ、ヘイオンワイの王様、リチャード・ブース氏の書店へ…。
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外観に対して中はかなり広い!京都の建物のつくりをイメージしてもらえるとよいでしょうか。
間口は狭いが奥行きがすごい…。なにやら古い蔵書がびっちりという感じです。
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絵本のスペース。
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本は重いしかさばるので、結局1冊も買いませんでした。
(私が結局本を買ったのは帰りのヒースロー空港のWHスミスにて、
 ソフィー・キンセラの「Remember Me?」。飛行機が3時間も遅延したのでいい暇つぶしになりました。
 はっきりいって駄作だとは思いますが、軽いので外国語として読む分にはいいでしょう。)

しかし、今回のヘイオンワイ訪問の目的のひとつに「みやげ物の買い付け」がありました。
3ヶ月間働いたブックカフェで「ヘイオンワイ展」を開催します。
ここではわれわれが撮影した写真を展示、それとともに、グッズを販売するのです。
がしかし、ここは観光地のはずなのにいわゆる「観光地グッズ」がなくて探すのに大変苦労しました。
ようやく見つけたのは写真左手の何気ない小道具屋みたいなところでした。
ここでティータオル、ブックマーカー、文具などなど買い付けてきました。
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ヘイオンワイは、芯はあるが肩がぬけた感じの観光地、それが良さなのでしょう。
景観を大事にする、コンセプトを持ちやたらと手をだしすぎない、そのことを
日本の観光地ももっと学ぶべきです。近い将来日本に誕生するであろう本の町には、
「本の町」として以上に、地方における観光地としての在り方を探り、
ぜひ地方活性化、観光のロールモデルになって欲しいと期待しています。