18きっぷの旅とは何か。それは行った事の無い場所への旅行であったり,単に電車を乗り回すものであったり,あるいはケチるためであったりする。しかし最大の醍醐味があると思う。それはひた遠くへ行けるという事。
乗換案内を見ると,大阪から博多まで普通列車で行き,その日のうちに新幹線で新大阪まで戻ってこられることが分かる。電車特定区間という制度により終電まで18きっぷが有効なのを利用して帰宅できるのだ。
そうと分かればやるしかない。丁度岡山地区に227系が投入されており,115系の最長運用(姫路→三原)が無くなるのも時間の問題だろう。そういうわけでJTBにて新幹線を8400円で予約し,2024年3月30日,始発にて出発した。
西明石行きに終着まで乗って,播州赤穂行きに姫路まで乗車。なおどこに乗車すれば115系の2両目の大阪寄りの座席が取れるかを調べつくしていた。
またこれまでの経験から,姫路から西へ行く電車は出発直前に留置線から出てくるものだと思っており,姫路に到着する前に留置線に227系がおり,その日に最長運用も奪われたのか・・・などと思っていたが,信じる者は救われるのだ。既に入線していた。
ドアは手動扱いになっているようだが,とりあえず開いているドアから入って取られるまでに席につけた。ここまでは順調。相生ダッシュならぬ姫路ダッシュに勝利した。
中はこんな感じ。発車前の放送は不思議と緊張感のあるようなものだった。30N更新車であるため,車窓撮影はかなり大変なのは容易に想像できる。ましてや3時間以上撮りっぱなしなのだ。
そして発車。どんどん加速していき,1駅目にしてかなりの迫力。
それからも安定した爆走を続けて岡山に到着。ここまででかなりの満足感。
分かりづらいが紫やくものパノラマ車だ。381系はこの段階で引退まで残りわずかだ。
福山に到着。ここで貨物の退避をする。もうこの段階でかなり進んだようだが,まだまだ続く。
福塩線のものと思われる105系もいた。
糸崎に到着。さらに先に行くならここで降りるのがベストだが,全区間乗車したいため次の三原まで行く。
のだが,この電車は三原から糸崎行きになるため,そこまで乗車して降りた。
これが糸崎駅の様子。人はそんなにいない。
なお後ろの3両は300番台だったようで,このようなボックスシートのままとなっている。湘南色も300番台であるため,227系の増備によってこれらから順に引退していくのはもはや言うまでもない。
ちなみに言うと300番台のトップナンバーである。
やはり山陽本線は貨物需要はあるようで,ここでも見ることができた。
だだっ広い車庫。
そして当駅始発になるRedWingの岩国行きとともに,三原行きのUraraがほぼ同時に入線してきた。
席を取られては困るので,この乗り換え客より先に乗り込んで無事確保。
ここまで115系に長く乗り続けてきたこともあって,227系の新しさには目を惹かれる。RedWingに関しては関西圏に来ないし,やっとここから山陽「本線」らしさを感じるようになった。この時点でまだ10時台。まだまだ先へ進める。
そして終着岩国に到着。
こんなところへは初めて来る。
そしてまた貨物列車が走っていたが,止まってしまった。
通過する列車の時刻が出るのは珍しい。
貨物列車が凄いスピードで通過していった。
乗車位置ではなく両数の表示になっている。方面も馴染みのないものばかり。
キハ40がいた。
そして下関行きの115系が来た。今度は3000番台のトプナンだった。
山口地区の115系がまだ置き換えられていないのは,比較的新しい3000番台と,115系の短編成化によって出た中間車を115系化した3500番台だからだろう。とはいえいずれ置き換わる。それにこの岩国→下関もかなりの距離である。
座席はこんな感じ。赤いモケットのクロスシートであり,もはやJR西日本という感じは全くしない。
ちなみにここで重大な問題が発生した。モバイルバッテリーを2つ持って来たうち,1つは正常に残量が切れるまで動作したが,もう片方が途中で全く応答しなくなってしまったのだ。
それによって岩国からの車窓は諦めてまたの機会にすることにした。
混雑率についてだが,岩国に到着した電車から乗り換えてきた人がある程度いたが,それでも空席はあった。
防府と新山口で乗客が大きく入れ替わったが,新山口からは閑散としていた。都市型ワンマンを採用している理由が分かる気がする。
写真では分かりづらいが,車窓から見える瀬戸内海が綺麗だ。とにかく海の近くを走るのである。
そして瀬戸内色のリバイバルカラーを見かけた。
新山口に到着。人はそれなりに降りて行った。乗ってくる人もそんなにおらず,車窓撮影をしていなかったので降りて電車を撮影。
キハ187系がいた。
そしてどこからともなくEF65が出てきた。窓から顔を出して運転士同士で何か会話をしていた。
こういう撮り方は恐らく人生で1回しかできないだろう。
山口線でも走るのだろうか?105系がやってきた。
左からEF65・115系・105系。完全なる国鉄山口だ。227系は空気を読んでか映っていない。
そして数人のマニアに見送られ出発していった。乗務員訓練のようだ。
一応駅名標も記録。色はJR神戸線の青に戻った。だがメロディも放送の人も何もかもが違うと言っても過言ではない。
新下関にて,禁煙のポスターにキハ40と115系が映っている物を見かけた。
ついに,ついに下関に到着。写真の電車は岩国行き。
213系に似ているが,415系だ。413系とは全然違うくせにクハ411などというものが先頭車なのだ。
乗車し,関門トンネルを走り抜ける。途中交直切り替えを行い,小倉に到着。途中の停車駅は門司だけで,そこで山陽本線は終わり。岩国からのロングランと比べるとかなりの短さだ。
交流専用の813系と817系。もちろん初撮影だ。
415系と885系。
駅名標と自由席券売機。
これはイカ釣り漁船というあだ名をつけられたやつか?
415系8連。回送表示だがこれが博多まで乗車する快速だ。一応小倉までは1駅も通過しないが,ここからは快速電車を利用する。
何か貨物を撮れないかと色々調べていたが,EF510仕業に代走でEF81-454が来た。唯一のミスといえばどこを通過するか分からなかったこと。EF510は2024年夏から運用開始らしい。
EF500は近くで撮れたが・・・。
そして快速に乗車。ロングシートだが,空席があっただけ良しとする。
この乗車時間も微妙に長く,ここまでの疲れもあって結構な距離を走ったように感じた。そしてやっとの思いで博多に到着。
今回の旅のゴールというか折り返し地点に来たのだ。
博多で電車を見送る。
電車たちが紹介されていた。九州の鉄道に関してはまだ片足を入れた程度でしかない。
バッテリーがヤバいのでJR西とJR九州の境界や地下鉄には興味を示さず,お土産だけ購入して新幹線ホームへ。
狙いの一つは500系である。これは2024年改正でも残った。各駅に止まる,岡山への終電である。
そして乗車電が入線。これがとにかく凄いのだ。
なんとN700Sかつ西車だったのだ。確かに,この日は115系に7時間くらい乗ってJR西日本がいかにケチな会社であるかをこの身で感じてきた。ならその反動で,わずかしか存在しない青いJRのN700Sが来たって良いじゃないか,そう思った。
ひかり592号,西日本区間完結であるが東京発ののぞみ号と同じ運用なので東海車もこの運用につく。
N700Sは全席にコンセントがあり,車窓撮影においては何の問題も無かった。
そして終点新大阪に定刻通り到着。驚くべきことにどの列車も1分の遅れも出さなかったのだ。
「遅れ4分」に見えたがそんな事はない。日をまたいだが,先述したと思うように電車特定区間内に最寄り駅があるので1日分として移動できた。
山陽本線,とにかくボリューム満点で楽しい旅だった。それとともに過酷な旅でもあった。ぜひまた山口地区の115系の車窓撮影にリベンジしたい。