クレームの電話に対応した日 
・・・私は電車に乗った

その人は

口篭もっていると
はっきり言えと 迫り
一言一言ゆっくり話すと
その言い方は何だと怒り
相手が言った言葉を繰り返すと
開き直った とさんざん怒鳴って

一方的に
電話は切られた



駅までの道を重い足で歩いた
こんなに 良いお天気なのに
どんどん心が小さくなっていく




☆ ・・・・・・ ☆・・・





ねえ おかしくない!
いくらいそいでいてもね
目の前でばんってドアが閉じたのよ
えーー あやしい

前の席に 三人の若い女性の華やかな話し声

あの番組みているのよ
みた! みた!
ゴールデンタイムに テレビ見ているのよ。
えーー!!

☆ ・・・・・・ ☆・

うなずいたり
少し顔をかしげたり
口を尖らせ 目を宙に浮かせたり
口角をちょっと上げて
笑った顔が可愛い

すらっと伸びた足をかっこよく組んで
肩で笑って
二つ目の駅で降りていった。

違う風を私に運んでくれた
品の良い女の子達

その怪しいっていう相手は 
女性 ? 
 それとも男性?

秋の日の昼下がり 
私の しぼんだ心はその女の子達の会話で生き返った

苦情の電話を掛けてきてがちゃーーんときったその人にも
秋の暖かい陽射しが注がれますように・・