みんながいなくなってから初めて仕事終わって家に帰った

みんながいない家に帰るのは嫌だった

ずっと胸を締め付けられてる感じしかしなかった

自分の家じゃないみたい

里美が残していった小さい箱が目に入った

開けると結婚前から里美が自分に宛てた絵と手紙が入ってた

読んでたら涙がこみ上げてきた

里美は出逢った時からずっと想っていてくれた

ずっとおれのことを考えてくれてた

おれが隠してることもわかってずっと悩ませてた

そんなおれをずっとずっと側で支えてくれてた

好きでいてくれた

それなのにおれはちゃんと向き合ってなかった

里美からたくさんもらってたのに何も返せてなかった

どれだけ里美を悲しませ悩ませ苦しめてたんだろう

それなのに里美はおれや家族のために精一杯みんなに愛情を注いでくれた

それに甘えてただけだ

なんて情けないんだろう

こんなに一生懸命に想ってくれてた里美を裏切ってたのはおれだ

バカだ

おれ