米大統領選挙における争点の1つが

民主党によるリプロダクティブ・ライツと表現される

中絶の選択権利を擁護する立場と

共和党のいわゆる中絶反対派。

(Trump Endorses Free IVF, Stumbles 

Over Florida Abortion Measure、Bloomberg)

 

アメリカにおける年間の中絶件数は62万件、

対して日本では12万件で、米国では日本の5倍の数の中絶が

行われていることになります。

 

アメリカ人の視点からみるこの社会問題と

日本人の視点からの考察では、

その根の深さから理解が及ばないことは

重々承知なのですが少しだけ。

 

中絶擁護派は、主に経済的理由、犯罪被害者的理由、

が多くを占めています。

 

子どもを育てる経済的余裕がない、

レイプによる妊娠である、

などです。

 

対して中絶反対派の主たる意見がカトリック教徒の

神の法の下では「堕胎は殺人である」という”教え”

だから、という1点張り(に見える)。

 

21世紀という近代社会における社会問題としての中絶と、

6世紀ごろに始まった宗教感としての中絶反対。

 

これはどう考えても相いれないし、

Free thinkerからすると

同じ土俵で論争することに無理があるとすら感じてしまう。

 

話を大統領選挙に戻すと、

トランプ氏は反対派の立場から、

この論点の政治的威力に恐れをなしての

立場一転、擁護にまわるような発言。

 

彼はプロテスタントのようですが、

立場をフレキシブルに変えることからも、

宗教的な観点から何かを発言している

ようにはあまり思えません。

 

ただ、この中絶を選択できるかできないかは

アメリカに住む女性にとってすごく重要な

権利であり、そこを軽視しては

選挙に勝てないことは分かってきた模様。

 

個人的には、日本の堕胎罪も含めて中絶を違法とする

考えは時代に合っていないと考えます。

 

妊娠した女性自身が自分で選択する権利を持つことが

できること、それが大事なのではないでしょうか。

 

これからの多様化の時代、

物差しにするものや心のよりどころとしての

宗教や政治よりも、

自分で自分の人生を判断して切り抜けていくことが

何よりも求められる。

 

そのためのサポートして政治があるのだとすれば、

リプロダクティブライツを付与することに賛成します。