私の女子大教員時代の教え子ちゃんが、久しぶりに舞台に誘ってくれました。
その教え子ちゃんは、いまや立派な舞台女優。今回も堂々と舞台に立っています。会場は、座・高円寺。高円寺駅北口から徒歩5分ほどの、小劇場らしい温かさのある空間です。
演目は「交差点のプテラノドン」。
母と娘、そして特別養子縁組をめぐる物語で、「家族とは何か」「自分の人生を自分で選べているのか」という普遍的なテーマを、ユーモアと切なさを交えながら描いていました。
医師という立場で日々、人の生き方や家族の在り方に触れていることもあり、この“古くて新しいテーマ”は、いつの時代も私たちに問いかけ続ける永遠のテーマのひとつだと感じます。
劇中に登場するプテラノドンは、人生の岐路に立ったときに誰もが抱える〈不安と希望〉の象徴なのかもしれません。今は不安のただ中にあっても、やがて風を受けて大空へ羽ばたいていく——そんな未来をそっと示しているようでした。
久しぶりに心の奥まで響く“重み”を味わい、そして教え子ちゃんの成長を目の当たりにした、しあわせなひとときでした。
