今日の外来に、「健康診断でアミラーゼが高かったので気になって受診しました」という患者さんが来られました。

 

 アミラーゼ(Amylase)は、炭水化物を分解する消化酵素で、主に唾液腺と膵臓から分泌されています。

 

 唾液腺から分泌されるアミラーゼは唾液に含まれ、口の中でデンプンなどの炭水化物を消化し始めます。

 

 一方、膵臓から分泌されるアミラーゼは膵液として十二指腸に流れ込み、胃を通過した食物中の炭水化物をさらに分解します。

 

 アミラーゼには分泌源に応じたアイソザイムがあり、唾液腺由来のものは S 型(Salivary type)、膵臓由来のものは P 型(Pancreatic type) と呼ばれます。血中アミラーゼが高い場合、どちらの由来が上昇しているかによって原因が大きく異なるため、鑑別において非常に重要な情報になります。

 

 そこで患者さんには、以上の点を説明したうえで、アミラーゼアイソザイムを測定すれば、どこからの上昇かが分かることをお伝えし、「まずはアイソザイム検査を行いましょう」とお話しして採血を行いました。

 

 果たして、結果はどう出るでしょうか。