それはニンテンドーDSにて「逆転裁判4」が発売された2007年のことであった‥‥
「逆転裁判4」第4話、どぶろくスタジオで映像固定のカガク捜査をする時、最初にサンプルとして茜が封筒に入れたおみくじを映像固定することになりますが、このおみくじの結果が複数あるらしいぞという投稿が2ちゃんねる(今は違う名称ですが、あのでっかいネット掲示板のことです)にちらほらと。
その話をこのブログにしたためたところ、コメント欄で多数の情報提供をいただき、それじゃあちょいと検証してみよう、ということになりました。

最初に結論を書きますと、

「逆転裁判4」第4話でのおみくじの結果は、最低でも「大吉」「末吉」「凶」の3種類ある。
また、どの移植作品にもこのネタは存在している。

(ちなみに英語版など他の言語でもローカライズされて存在している)

はっきりしているのはこれだけです。
以下に一応まとめてあるのでご参照ください。

■逆転裁判4 色々ネタ - 逆転裁判4・4話/おみくじ
http://www.ne.jp/asahi/game/gyakusai/4/neta/4-4-07.html

「最低でも」というのは、これまで何度か検証してきて3種類の結果があることを確認してきましたが、もしかすると超低確率でしか出ない4つ目の結果があるかもしれない、とか、そういうことです。
何しろ、逆転裁判4(DS版)の攻略本など関連書籍を見ても、おみくじの結果が複数あることすら書いていないし、公式サイト等でのコメントもありません。雑誌のインタビューにも掲載されたことがない、と思います。攻略には一切関わらない小ネタなので仕方がないのかもしれませんが‥‥。
公式発表がない以上、仕様も仕組みもさっぱりわからないのです。
「逆転裁判456 王泥喜セレクション」のおまけの「アートライブラリ」にも何もありませんでしたしね‥‥。
ついでに6のクライン文字についても「アートライブラリ」には何もないままだったね‥‥

ただ、(最低でも)3通りのおみくじの結果があるなら、3通り見てみたいと思う方もいらっしゃるかもしれません。
結果に応じて、その後の王泥喜・みぬき・茜の会話がちょっとだけ変わりますし。
なので、
「どうやったら3通りすべて見られるのか?」
ということはどうにか探し出したいなぁ、と、これまであれこれ検証してきたわけです。

さて、3通りを確実に見る方法があるのかどうかですが、これについては
「ハードによっては高確率で見る方法があるような気もするが、実際のところはよくわからない」
です。
DS版については、かつていただいた情報の中に、「テキスト送りの速度で結果が変わるようだ」というものがありました。
映像固定は、証拠品「赤い封筒」を茜につきつけると会話が開始になって、映像固定のチュートリアルが開始になります。
この「赤い封筒」のつきつけから映像固定までのテキスト送りを、タッチパネル押しっぱなしスキップにするとか、B押しっぱなしスキップにするとか、一切スキップせずに送るなど変化させると、おみくじの結果が変わる、という話です。
速度ということはつまりはプレイ時間なので、
「セーブデータを読み込む時になにかの乱数を設定」→「一定時間経過して乱数が変化」→「この時間経過が一定だと乱数がだいたい同一になっておみくじ結果が固定になる」?
みたいな処理なのでしょうか。
実際、検証してみるとだいたい同じ結果が連続で出たので、DS版については上の推測で合っているのかもしれません。

ただし移植作品については、そうなのかどうなのか、若干怪しくなっていきます。
そして今回の「逆転裁判456 王泥喜セレクション」はどうだったかという話ですが、「逆転裁判456」には幸いにしてオートスキップ機能、しかも0.5秒から3.0秒まで6段階に変化させることができるという便利機能がついていますので、「赤い封筒」のつきつけから映像固定までのテキスト送りの時間を毎回同一にして試行可能ってことです。
じゃあ試してみよう。ついでに既読スキップも試そう。
ということで、各5回ずつ試した結果がどうなったかというと‥‥
(なおハードはPS4・パッケージ版)

スキップおみくじ
既読スキップ大吉大吉末吉大吉末吉
0.5秒オートスキップ末吉末吉大吉大吉末吉
1.0秒オートスキップ大吉末吉大吉末吉
1.5秒オートスキップ大吉大吉末吉
2.0秒オートスキップ末吉末吉末吉
2.5秒オートスキップ末吉末吉末吉末吉
3.0秒オートスキップ末吉大吉大吉末吉末吉

テキスト送りの速度関係ないじゃん!!
完全ランダムと見ても構わないくらい、バラバラです。
これまでのハードとは全く違う方法でおみくじ結果が決まっているようです。
同一のセーブデータを使っているのですが、このセーブデータをロードしてから「赤い封筒」のつきつけまでは手動で行っていますから、ここで乱数による何かしらが起きているのでしょうか。
何にしても、『「赤い封筒」のつきつけから映像固定までのテキスト送りの時間』は、おみくじ結果には影響していないことは間違いありません。

なお、映像固定が始まる少し前(具体的には茜の「それじゃあね。まず、サンプルは‥‥そうだなあ。」という、映像固定が始まる2つ前のセリフ)でセーブし、既読スキップで開始してみた(ロードしたのと同時にキャンセルボタン押しっぱなし)結果が以下。20回分データを取ってあります。
ちなみに、DS版などでは、茜のこのセリフの時点では(おそらく)既におみくじ結果が固定になっているようで、ここでセーブを取って開始してみても結果が変わらなくなっています。

No.おみくじ
01末吉
02末吉
03末吉
04末吉
05末吉
06末吉
07末吉
08末吉
09
10末吉
11
12末吉
13大吉
14末吉
15末吉
16末吉
17末吉
18末吉
19大吉
20末吉

なんだこりゃ。としか言いようがないのですが‥‥
8回目までは「末吉」が出続けたため、やはりこの時点でおみくじの結果は決定されているのだろうと思ったのですけども、上の結果の通り、9回目と11回目に「凶」、13回目と19回目に「大吉」が出て、それ以外は「末吉」という、やたら偏った結果になりました。
つまり、「逆転裁判456 王泥喜セレクション」では、同一のセーブデータをロードした時点ではおそらく乱数も同じ値から始まり、既読スキップですぐさまセリフを送る場合はプレイ中の乱数変化(乱数テーブル?)も再現されて同一の結果になる、ただし手動なのでちょっとでもボタンを押すタイミングがズレると乱数変化が再現できなくなって結果が変わる‥‥
なんていうことが起きているのかもしれない。‥‥本当か?w 今どきのゲームの乱数がどうなっているのかなんて私にはさっぱりわかりません。

RPGやアクションゲームなどでは、疑似乱数を使ってダメージ量やエンカウント率などにランダム性を持たせていたりするのですが、1フレーム(1/60秒)毎に疑似乱数を計算しているなんてこともざら。
なので、「ほんの少しボタンを押すタイミングがズレる」だけで何かしら結果が変わるというのはありえない話ではありません。
ただ、「逆転裁判はRPGでもアクションゲームでもないんだから、1フレーム毎の乱数計算なんて必要ないじゃん」っていう話ではありますが‥‥
「逆転裁判456 王泥喜セレクション」は、カプコンさんが開発した、バイオハザードシリーズなどアクションゲームにも使われている「REエンジン」というゲームエンジン(ゲーム開発用ツールみたいなものだと思ってください)を使用しているので、乱数関係の仕組みもそこから持ってきたのかもしれません。素人の推測でしかありませんが。

ちなみに逆転裁判シリーズは、GBA1作目の時点からランダム要素がありますので、シリーズ通してプログラム内で何らかの疑似乱数計算はしているはずです。
ランダム要素はどこかといいますと、初代なら法廷パートの尋問でミスした時の会話パターンがランダムで4通りから選ばれるようになっています。
(詳しくは書籍「逆転裁判 蘇る逆転 脚本大全」を見てね)

ただ、移植先のハードの特性上、乱数の出し方やら計算方法が変化している可能性があり、そのために移植毎におみくじの出方も変わってきているんじゃないかなーと。
しつこいようですが素人の推測です。
ツッコミ入れたい方はコメント欄に遠慮なくどうぞというところですがプログラム解析とか逆アセンブラとかはゴニョゴニョなあれなのでコメント欄には書かないでね‥‥

結局、「逆転裁判456 王泥喜セレクション」で、おみくじ3通りを確実に見る方法ですが、

わからないです!

(申し訳ない‥‥)

直前でセーブして、適当にロードを繰り返してください、としか。w

大吉

末吉

凶