中生代の三畳紀後半(約2億3000万年前)に出現し、約6500万年前に地球上から姿を消したとされる恐竜。

約6600万年前、現在のユカタン半島付近に直径10km程度の巨大隕石が衝突しました。

この証拠とされるのが、K/T境界と呼ばれる地層です。



全世界に分布しており、地球の地殻には希少なイリジウムを多く含んでいることから、地球外天体の衝突によるものとされました。

のちに、ユカタン半島の地下に大きなクレーターの痕跡が見つかり、この年代がK/T境界と一致したため、巨大隕石衝突の事実は揺ぎないものとなりました。

隕石衝突突によって大量のちりが巻き上げられ、地球全体を覆いつくして太陽光をさえぎっただろうと考えられています。

これによって気温が低下したことと、光合成を行う生物が大きな打撃を受けたことで、急速に食物連鎖は崩れていったと思われます。

そのほか、大規模な火災が発生した可能性も指摘されており、寒冷化の次は二酸化炭素濃度の上昇による温暖化が起きたことも考えられます。

こうした地球環境の劇的な変動によって、当時の全生物種の実に70%が絶滅したと言われています。

恐竜ばかりが取り上げられますが、陸海問わず、多くの生き物がこのとき姿を消しました。

なお、隕石衝突以前から火山活動などによって環境が悪化しており、生き物たちは徐々に数を減らしていたとも言われています。

いずれにしても、隕石衝突が大量絶滅の決定打になったことは間違いありません。

さらに、こうした大規模な絶滅現象は、恐竜絶滅のとき以外にも過去に4回あったとされています。

地球の歴史の中で、決して珍しいことではないのです。

そして多くの生物学者は、まさに今、六度目の大量絶滅が起きていると考えています。

人間の活動によって地球環境は大きく変えられ、生き物たちは次々と絶滅に追いやられているのです。

教科書で氷河期と習った人もいるかもしれませんが、現在では白亜紀末の大量絶滅は隕石衝突によるものと考えられています。

恐竜は氷河期には耐えて生き抜いていました。