小学校を卒業し、地元の中学に進学しなかった僕は、二十数年間地元の友人と会うこともなかった。
そんな僕が、家業を継ぐため地元に戻り、結婚し、子供ができてから、また小学校時代の友人と会うようになった。
僕の中では、彼らは小学校時代の〇〇ちゃんの記憶しかなく、会って顔を見ても、名前を聞くまで誰だか分からないことが多い。
自分が年をとったのも忘れて、友人達がおっちゃん・おばちゃんになった姿に寂しさを感じる僕がいる。
今の彼らの中に、あの頃の〇〇ちゃんは、もういない。
あれから30年以上が過ぎた…彼らにもいろいろなことがあったんだろう。
いつも笑顔の快活な女の子は、離婚してシングルマザーとなり、毎日忙しそうに宅配便の配達をしていた。
天真爛漫な笑顔は、営業スマイルになっていた。
僕自身…、自分の驕りで挫折したこともあったし、人を信じることができない暗い時代もあった。
そして、いつの間にか僕からも自然な笑顔が徐々に消えていった・・・
誰しもやり直したい過去がある。
埋めれるなら埋めたい時間がある。
でも、流れてしまった時間はもう取り戻せない・・・
思えば・・・、美しい景色に見とれて歩いてると、石に躓いてきた。
そして、石に躓かないように、俯いて歩いてると、疲れて歩くのが苦痛になった。
人生が、歩まざるえない道なら、時間は静かに流れる川なのかもしれないな。
急ぐ必要なんてなかったのかもしれない。
躓かないように、ゆっくりと自分のペースで歩き、たまには、立ち止まり美しい景色を眺めて、川のせせらぎを頼りに先にある世界に想いを馳せ、また歩いていけば・・・それでよかったのかも・・・
先に何があるかわからない。
誰も知らない・・・、あるのか、ないのかさえわからない。
だから、今を…、目に見える景色を…、大切にすることが必要なんじゃないだろうか…
時間だけは流れている…、確かなのはそれだけ…。
そんな時間の中で巡り会った絆…
人は皆、今、目の前にあるその絆だけを頼りに歩んでる。
それが、親子の絆なら、なおさら強いものだろう。
人は年をとり、子供は大人になる。
そして、子供達はいつか巣立っていく。
ただ…、確かな時間が築いた強い絆だけは、揺るぎないものとして確かに残る気がする。
失った時間は取り戻せなくても、これから絆を築いていく時間は、誰にでもある…。
そのこれから築いていく絆は、自分一人の人生だけじゃなく、かけがえのない大切な人の人生へと繋がる強い絆になりうるかもしれない…。
後悔役に立たず(?)・・・ だから、今を後悔しないようにね
