こんにちは。
2月末に手続した、マイナンバーカードの更新手続き、「交付通知書」が届きました。
ネットで更新、便利ですね。
そのときに、
「 手続きに来い。」ってスタンスでないだけマシかな。
なぁ~んて書いたんですが、結局は、受取りに来いと。
受取り期限は6/16まで。
役所だから、平日に行かなきゃいかんし、駐車場で待たなきゃいかんし、、、時間がもったいない。
便利なんだか、不便なんだか、なんと言うか。。。
今日の過去問は、令和6年度問32の問題を○×式でやりたいと思います。
A所有の動産甲(以下「甲」という。)を、BがCに売却する契約(以下「本件契約」という。)に関する記述について、民法の規定及び判例に照らし、正誤判定をしてみましょう。
それでは、早速。
問題
Bが、B自身を売主、Cを買主として本件契約を締結した場合であっても、契約は原則として有効であり、Bは、Aから甲の所有権を取得してCに移転する義務を負うところ、本件契約後にBが死亡し、AがBを単独相続した場合においては、Cは当然に甲の所有権を取得する。
正解は?
×
今日は、「売買」に関する問題です。
問題の本文を、、、
Aさん所有の動産甲を、Bさん
がCさん
に売却する契約について。
「他人の物、売っちゃうの
」
そんな内容、試験勉強始めたときに衝撃を受けた内容ですね、ちょっと懐かしい。(笑)
この内容、他人物売買ですね。
1問目を分割して確認してみます。
①Bさんが、B自身を売主、Cさん
を買主として
本件契約を締結した場合
↓
契約は原則として有効であり、○
②Bさんは、Aさん
から甲の所有権を取得して
↓
Cさんに移転する義務を負うところ、○
③本件契約後にBさんが死亡し、
AさんがBさん
を単独相続した場合においては、
↓
Cさんは当然に甲の所有権を取得するのか
3分割して見たんですが、①と②は、正しいってのは分かると思います。
問題は、③。
これ、Bさんではなく、Aさん
が死亡した場合は、肢の通りになるんですが、、、
昭和44(オ)23 土地建物明渡請求昭和49年9月4日 最高裁判所大法廷 判決 破棄差戻 福岡高等裁判所
他人の権利の売主が死亡し、その権利者
において売主
を相続した場合には、権利者
は相続により売主
の売買契約上の義務ないし地位を承継するが、そのために権利者
自身が売買契約を締結したことになるものでないことはもちろん、これによつて売買の目的とされた権利(動産甲)が当然に買主
に移転するものと解すべき根拠もない。
この肢は、間違いの記述です。
以下に、理由です。
また、権利者は、その権利により、相続人として承継した売主の履行義務を直ちに履行することができるが、他面において、権利者としてその権利の移転につき諾否の自由を保有しているのであつて、それが相続による売主の義務の承継という偶然の事由によつて左右されるべき理由はなく、また権利者がその権利の移転を拒否したからといつて買主が不測の不利益を受けるというわけでもない。
それゆえ、権利者は、相続によつて売主の義務ないし地位を承継しても、相続前と同様その権利の移転につき諾否の自由を保有し、信義則に反すると認められるような特別の事情のないかぎり、右売買契約上の売主としての履行義務を拒否することができるものと解するのが、相当である。
問題
Bが、B自身を売主、Cを買主として本件契約を締結した場合であっても、契約は原則として有効であり、Bは、Aから甲の所有権を取得してCに移転する義務を負うが、本件契約成立の当初からAには甲を他に譲渡する意思のないことが明確であり、甲の所有権をCに移転することができない場合には、本件契約は実現不能な契約として無効である。
正解は?
×
2問目は、この問題。
問題の前半部分、①と②は、前の問題と同じですね。
ですから、その部分は、正しい。
問題は、後半部分。
本件契約成立の当初からAさんには
甲を他()に譲渡する意思のないことが明確であり、
↓
甲の所有権をCさんに移転することができない場合には、
本件契約は実現不能な契約として無効
他人物売買は有効だけれども、前記判例権利者Aさんが、当初から譲渡する意思のないことが明確な場合はどうなのか
問題では、「実現不能な契約として無効」と言っている訳なんですが、、、
確認してみましょう。
昭和24(オ)306 売買代金返還請求昭和25年10月26日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 仙台高等裁判所 秋田支部
一般に契約の履行がその契約締結の当初において客観的に不能であれば、その契約は不可能な事項を目的とするものとして無効とせられること、洵に所論の通りであるが、
他人の物の売買にあつては、その目的物の所有者が売買成立当時からその物(動産甲)を他に譲渡する意思がなく、従つて売主
においてこれを取得し買主
に移転することができないような場合であつてもなおその売買契約は有効に成立するものといわなければならない。
一般的には、無効だけれども、、、他人物売買については、「有効」だとの判断。
「実現不能な契約として無効」は、間違いの記述。
そして、理由。
この事は、民法が他人の権利を目的とする売買についてはその特質に鑑み同法五六一条乃至五六四条において、原始的不能の場合をも包含する特別規定を設け、前示一般原則の適用を排除していることに徴して明かであろう。
五六一条乃至五六四条において
第五百六十一条(他人の権利の売買における売主の担保責任)
第五百六十二条(他人の権利の売買における善意の売主の解除権)
第五百六十三条(権利の一部が他人に属する場合における売主の担保責任)
第五百六十四条(前条の権利を主張できる期間)
これは、ちょっと前の民法の規定で、今のとは違います。
当時の規定はどうだったかはわかりませんが、売主が担保責任を負うってことで、他人物売買は有効だと言うことです。
問題
Bが、B自身をAの代理人と偽って、Aを売主、Cを買主として本件契約を締結した場合、Bに本件契約の代理権がないことを知らなかったが、そのことについて過失があるCは、本件契約が無効となった場合であっても、Bに対して履行または損害賠償の請求をすることができない。
正解は?
×
3問目は、この問題。
1、2問目同様に見ていきます。
Bさんが、自身
をAさん
の代理人と偽って、
Aさんを売主、Cさん
を買主として本件契約を締結した
||
Bさんに本件契約の代理権がないことを知らなかったが、
そのことについて過失があるCさんは、
↓
本件契約が無効となった場合であっても、
Bさんに対して
履行又は損害賠償の請求をすることができない
こんな内容、ポイントは、「偽って」と「そのことに過失がある」です。
この問題は、Bさんが代理権がないのにした無権代理行為ですね。
早速、確認してみます。
(無権代理人の責任)
第百十七条 他人の代理人として契約をした者
は、①自己
の代理権を証明したとき、又は②本人
の追認を得たときを除き、相手方
の選択に従い、相手方
に対して履行又は損害賠償の責任を負う。
2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき。
二 他人の代理人として契約をした者
が代理権を有しないことを相手方
が過失によって知らなかったとき。ただし、他人
の代理人として契約をした者
が自己に代理権がないことを知っていたときは、この限りでない。
三 他人の代理人として契約をした者が行為能力の制限を受けていたとき。
問題の内容は、第百十七条2項二号ただし書き部分です。
1項で、Bさんが、代理権を証明できないか、本人
の追認を得られなかった場合には、責任を負う旨を定めています。
そして、2項で例外的に責任を負わない場合を定めています。
その例外の二号。
二号の下線部分が、問題の「そのことに過失がある」ですね。
そして、ただし書き。
「他人の代理人として契約をした者
が自己に代理権がないことを知っていたときは、この限りでない。」
肢の一行目、「Bさんが、自身
をAさん
の代理人と偽って、」☜これは、悪意(偽って=知っていた)です。
Cさんは、Bさん
に対して、履行又は損害賠償の請求をすることができるので、この肢は、間違いの記述です。
1項で責任を認め、2項でいったんは例外にし、そのただし書きで、責任を認める、なかなかに複雑な事案ですね。
問題
Bが、B自身をAの代理人と偽って、Aを売主、Cを買主とする本件契約を締結し、Cに対して甲を現実に引き渡した場合、Cは即時取得により甲の所有権を取得する。
正解は?
×
4問目は、この問題。
問題の前提は、3問目と同じ。
Bさんが、自身
をAさん
の代理人と偽って、
Aさんを売主、Cさん
を買主として本件契約を締結し
違う部分は、
Cさんに対して甲を現実に引き渡した場合
↓
Cさんは即時取得により甲の所有権を取得する
これは、即時取得の規定を確認すれば判断できる。
(即時取得)
第百九十二条 取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産(肢:甲)の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産(肢:甲)について行使する権利を取得する。
当然ですが、条文の「取引行為」は、有効な取引行為である必要があります。
この問題は、「Bさんが、自身
をAさん
の代理人と偽って、」いますので、有効とは言えません。
つまり、肢の無権代理=有効な取引行為×
有効と言えるには、先ほど見たんですが、問題の場合だと②。
①自己の代理権を証明した
②本人の追認を得たとき ☜これ
BさんがCさん
に対して甲を現実に引き渡したとしても、Cさん
が即時取得により、所有権を取得することはありませんので、この肢は、間違いの記述です。
(無権代理)
第百十三条 代理権を有しない者が他人
の代理人としてした契約は、本人
がその追認をしなければ、本人
に対してその効力を生じない。
2 追認又はその拒絶は、相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない。ただし、相手方がその事実を知ったときは、この限りでない。
問題
Aが法人で、Bがその理事である場合、Aの定款に甲の売却に関しては理事会の承認が必要である旨の定めがあり、Bが、理事会の承認を得ないままにAを売主、Cを買主とする本件契約を締結したとき、Cが、その定款の定めを知っていたとしても、理事会の承認を得ていると過失なく信じていたときは、本件契約は有効である。
正解は?
○
今日の最後の問題。
Aさん、法人になっちゃいました。
あらためて、
Aが法人(Bさんがその理事)で、
Aの定款に甲の売却→理事会の承認が必要(定めあり)
Bさんが、理事会の承認を得ないままに
法人Aを売主、Cさんを買主とする本件契約を締結した
↓
Cさんが、その定款の定めを知っていたとしても、
理事会の承認を得ていると
過失なく信じていたときは、本件契約は有効である。
ポイントは、後半部分。
Cさんが、知っていたは、悪意。
その状態で、理事会の承認を得ていると「過失なく信じていたとき」は、どうなのか ってところです。
昭和57(オ)1392 土地所有権移転登記手続昭和60年11月29日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 福岡高等裁判所
漁業協同組合(肢:法人A)は、水産業協同組合法四五条の準用する民法五三条、五四条の規定により、定款の規定又は総会の決議によつて特定の事項(肢:動産甲の売却)につき理事(肢:Bさん)が代表権を行使するためには理事会の決議を経ることを必要とするなどと定めて理事(肢:Bさん
)の代表権を制限することができるが、善意の第三者に対してはその制限をもつて対抗することができないものであるところ、右にいう善意とは、理事(肢:Bさん
)の代表権に制限が加えられていることを知らないことをいうと解すべきであり、また、右の善意についての主張・立証責任は第三者にあるものと解すべきである。
そして、第三者(肢:Cさん)が右にいう善意であるとはいえない場合であつても、第三者(肢:Cさん
)において、理事(肢:Bさん
)が当該具体的行為(肢:動産甲の売却)につき理事会の決議等を得て適法に漁業協同組合(肢:法人A)を代表する権限を有するものと信じ、かつ、このように信じるにつき正当の理由があるときには、民法一一〇条を類推適用し、漁業協同組合(肢:法人A)は右行為につき責任を負うものと解するのが相当である。
漁業協同組合(肢:法人A)は右行為につき責任を負う
↓
本件契約は有効である。
この肢は、正しい記述です。
参考
(権限外の行為の表見代理)
第百十条 前条第一項本文の規定は、代理人(肢:Bさん)がその権限外の行為(肢:動産甲の売却)をした場合において、第三者(肢:Cさん
)が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。
前条第一項本文の規定
(代理権授与の表示による表見代理等)
第百九条 第三者(肢:Cさん)に対して他人(肢:Bさん
)に代理権を与えた旨を表示した者(肢:法人A)は、その代理権の範囲内においてその他人(肢:Bさん
)が第三者(肢:Cさん
)との間でした行為について、その責任を負う。ただし、略。
2 略。
一応、代理人が受け取ることができるようなんですが、、、
仙台市の案内には、
「やむを得ない理由」により、本人の来庁が困難であると認められる場合にはとあります。
・病気
・身体の障害
・未就学児 等
仕事は、「等」に含まれる 含まれない
仕事は、残念ながら含まれません。
・成年被後見人、被保佐人、被補助人
・中学生、小学生、未就学児
・75歳以上の後期高齢者
・長期で入院や施設に入所している方
・要介護、要支援認定者
・身体や精神障害のある方
・妊婦
・長期での出張や海外へ留学されている方
・高校生、高専生
・社会的参加を回避し、長期にわたって家庭にとどまり続けている状態の方
これらだそうです。
そのうち、行かなきゃ。
今日も最後までありがとうございました。
んでねぃ。
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