8月22日 金曜日

寒くて目が覚める

お。。。

窓を少し開けて寝ただけなのに、寒い。

時計を見ると、0238だった。
もう起きる時間だ、ちょうどよい。
息子は寝てたけど、イソイソと準備する。
でも、0245にけたたましく目覚ましが鳴り。。。

息子も起きる(笑

流石に大学生になったからね、起きた瞬間からシャキッとしてる。

おっし、行くか。

最終パッキングして、荷物を持って外に出る。

家の車のボンネットをパンパンっと叩く。
行ってくるね!
無事に帰るためのおまじない。

それから登山者センターまで歩いて。。。
登山届を提出する。
今回は急遽だったので、ここで書いた。

さて、行きますか

右俣林道を歩く。

今日は月明かりが無いね。

23日が新月だし。

その代わり、星空が綺麗だ。

 

すぐに暑くなったので、アウターは脱いでザックへ。
いつもの歩き慣れた林道。
若干、暑い。

たまに沢沿いに冷気が下りてくるので、息子と

「はぁ~。。。」

と涼んだり。
延々息子とお話ししながら歩いた。
夜中の林道でも、1人じゃないと楽しいね。

ずっとお話しながら歩き続ける。



4年前に息子と歩いたのと同じ道。

目指すは槍ヶ岳。
今回はついでに南岳まで縦走しようと言う計画。
行ければだけどね。


歩きなれた林道をひたすら歩く。

5時ごろにはもうヘッデンが要らない明るさになってきていた。



やがて槍平の小屋。

ここまで3時間、良いペースだね。


息子、小さいときの事を結構覚えてる。
色んな山を歩いたよね。

若干、記憶が交錯しているところもあるけど。。。


記録は全部残してる。
いつか、君と歩いたこの記録を渡すよ。

しかし。。。


息子、速い。

4年前はまだ僕が勝ってる感あったけど。。。
今回は完全に負けを認める。

登りで息子に追いつけない。
どころか、立ち止まって待ってやがる。
まぁ。。。
仕方ないよね。
向こうまだ二十歳。
体力MAXの世代だ。
それに対して、僕はもう下降線をたどるだけ。

負けたよ、素直に認める。

息子に
「お父さん大丈夫?」
と言われるのがとにかく悔しい。
必死で足を上げ続けるけど。。。

もうね、今年はまるでトレーニングなんかしていない。
正直今日も行って良いのか迷ってた。

でも、息子が一緒に行きたいと言ってくれたので、槍へ行くことにした。



ガシガシ登って。。。



やっぱり、圧倒的存在感だよね。
槍ヶ岳
かっこいい


やがて肩の小屋に到着。

荷物を一旦おいて、しばらく槍の穂先へ上がる登山道を見る。

うん、今ガスが出始めて。。。
丁度登る人も少ないね。
チャンスじゃない?
今なら引っかからずに行ける。

行こう

最後の本槍へアタック。
アタックと言うほどのものでも無いけど。

ちょっとした岩場をススっと登るだけ。
息子も4年前とは違い、スタスタ登ってくる。
安心して見れられるね。
でも、たまに鎖や杭を使ってるので注意する。
自分でホールドを探せと。
岩をつかまないとね。
そんな鎖、信じて抜けた瞬間に死ぬよ。

僕も、槍の本峰でもいっさい鎖は頼らない。

流石に、梯子の横を岩をつかんで登っていたら怒られるので、梯子だけは使う。



正直、槍なら要らないんじゃないかとすら思う。



と言うことで。。。


槍の山頂、頂きました!

新穂高から6時間半で槍の山頂。
過去の記録と見比べたら。。。
むしろ速いんだよね。
僕が衰えた訳じゃなくて、息子が速くなったんだよな。
そう、自分に言い聞かせた。

しばらく山頂を堪能する。


あぁ。。。

綺麗だ。。。

世界は広い、地球は丸い。
それを教えてくれる数少ない場所の一つ。
自分はホントに小さいな、と思える。

最近の山は一人で登って。。。


自問自答を繰り返す自分の時間だったけど。。。


今日は違う。
バカみたいに息子と話し、昔のようにただただ楽しく登れた。
仲間と登る山ってのも、楽しいもんだね。
山に行ってる間は、息子と言うより友達感覚だし。
いい相棒になってくれた。
ありがとう。


それから、槍の祠に手を合わせて。。。。

今年のプロジェクトの成功を祈願する。

今年も、願掛け登山だ。
槍ヶ岳なら、命張ってないよね?

・・・多分



山頂で少し息子と腰を下ろして話し込んで。。。
昔の事を話す息子。
うんうん、あの頃あなたは頑張ったよ。
山も、闘病も。
今はもう、大丈夫。
お父さんは安心してあなたを社会に送り出して見守って逝ける。
ありがとう、僕の息子として生まれてきてくれて。
心から思う。


だんだん人も上がってきたので、息子と一緒に穂先を降りる。



途中、大陸の集団とすれ違う。
みんなすごいな、とにかくウェアの色が派手。
ガイドさん、ちゃんと中国語喋ってるよ。

耳に入ったのが

「サンテンポタンテン!」

としつこくガイドさんが言ってる。

うん。。。

多分3点支持が大事って意味だと思うんだけど。。。
サンテンポタンテンって言うんだ!

息子と一緒に、しばらく盛り上がった。

槍の岩肌を降りながら、息子が
「サンテンポタンテン!」
と言いながら鎖をつかむ。

シバく(笑

鎖は掴むなっての
自分で信じた岩を掴めって
浮いた岩、剝がれそうな岩の感覚を、こういう時に身に着けないと。

と言うことで、肩の小屋にさっさと帰ってきた。
お腹がね、もうグルグル鳴ってる。
息子と一緒に、カップラ買う。


いや、最高か。

どうして山で食べるカップラはこんなに美味しいんだろう。

いや、いつ食べても美味しいんだけどさ。


息子も満足そう。

んまかった。

槍の穂先を見ると、もう人でいっぱい。
さっきの大陸の方々が、下りで渋滞を作ってるのが見える。

まぁ。。。

山は自由だよ。
誰が来てもいいし、誰が登ってもいい。
ただ、そこにはいろんな人が居るからね。

周りに配慮して欲しいし、配慮しないとね。



さーて。。。

今日は4年前とは違う。
このまま南岳まで縦走してから下山しようって息子と計画してたけど。。。

ガスが上がって来たね。
大喰岳はガスの中。
これは。。。

3000mの稜線歩きをしても、雲の中やね。
息子と意見が一致して、このまま下山することにした。

あとはもう、修行の道。
ただひたすらに下る。

下りながらも、あーでもない、こーでもないとホントにくだらない事を息子と話す。

先週の墓参りからずっと息子と過ごしているので、ホントに昔のような、一緒に居ることが当たり前のようなこの感じ。



楽しくて楽しくて楽しくて楽しくて

解ってもらえなくてもいい、心に刻んでおく。

この子は、大切な息子だ。



しかし。。。
息子、この長大な道のりを下山中に。。。
だんだん小さな石につまづいたり、カクッと膝抜けしたり。

およ?

結構足に来てるな?(笑

悪いけど、僕は下りに強い。
息子が離れていく。。。

ふふ・・・

登りは負けたけど、下りは負けてないな(笑
ちょっと自信を取り戻す。

『どうしたー?』

と振り返って突っ込むと

「うるせー!」

と返してくる。
懐かしい(笑

ただひたすらに、楽しく楽しく歩いた。

ニヤニヤとおっさんが高速移動、ウケる。



と言うことで、1530に登山者センターまで戻ってきた。
下山届を出す。


疲れたね~
槍、遠い。

往復28㎞、累積標高差±2700m 12時間30分

いい山行だった。

今日も良い1日をありがとうございます。



とりあえず車まで戻って。。。

ボンネットをパンパンっと叩く。

ただいま!

それからとりあえず靴を脱いで。。。

サンダルに履き替える。
この解放感たるや。
息子も
「はぇ~♡」

とか、顔が揺んでる(笑



そしてそのまま、まっすぐ近くの温泉へ。

とにかく体をガシガシ洗う。
もう体中が塩だらけ。
息子もまったりと温泉に浸かる。
いつも長湯はしないのにね。

体が癒される・・・

寝そう(笑
いつものこと

それから温泉も出て、街へ帰る。

息子はこの後そのまま友達と夜のドライブに行くのだとか。

帰省中は忙しいね(笑

さすが大学生。


でも凄いな、若いってどれだけ体力あるんだろう。

なので、息子は助手席で寝かしておいた。
僕も寝そうだけど、頑張る。

やがて街が近づいてきて。。。

息子が友達と連絡を取りはじめる。



「お父さん、駅前で下ろしてほしい。」

いいよー、わかった。

駅前ロータリーで息子を下ろす。
自分の荷物は全部持っていくと言う。
まぁ、そうだね。
それと今回息子に貸したトレランザックは貸してほしいと言うので、貸す。

荷物を下ろした息子。

「じゃ!」

と言うものの。。。
僕はもう泣きそう。

この1週間ほど楽しすぎた。
一緒に居すぎた。
別れるのが寂しい。
次に息子に会えるのは、きっと冬だろう。

寂しいのを我慢して

『じゃーな!また冬に会おう!元気でね!』

と言って、車を出した。
泣いてなんかないもん。
ちょっと目から汗が出ただけ。

家まで車を走らせた。


家までの道、MNBさんがいつものラフな格好で街へ歩いている姿が見えた。
今日は街に飲みに行くんだね(笑


帰宅した。
もうね、足が限界。
荷物を下ろして展開して。
とりあえず、くっさい服を全部洗濯機に突っ込む。
明日洗おう。

片づけて行って。。。

眠い、けど腹減った。
ビール飲みたい。
自分でやりたくない。

と言うことで、そのままいつもの居酒屋に。



最初のジョッキを一気に飲み干して

『あ゛~っ‼』

と言うと

「ビールのCMに出れるぐらいの顔してるよ」

と女将さんが言う(笑

いやー、体にしみ込むね!
とりあえず、肉。
肉食べたい。

それからビールと肉を体に取り込み。。。



そこにKNさんとカッキーが現れる。
けど、僕は限界。

お先に会計して、退散する。



家に帰って、またシャワーした。



そのまま倒れるようにベッドへ。
今日はもういいや、寝る。

幸せで楽しい1日だった。。。


山が、全てを教えてくれる。


いや、違うか。


学んで来るんだ。

行けば解る。

それだけ。




おやすみ、子供たち

おやすみ、Uさん