4月14日 日曜日

345、目覚ましが鳴る。

少し早かったかな。
寒い。
しばらく寝袋にくるまったまま。。。


でも、起きないとね。
430に準備を始める。
寒いから、寝袋の中で着替える。
モンベルのダウンハガーは秀逸。
ストレッチして伸びるから。

寝袋に入ったままあぐらかいたり、色々余裕。

 

ただ。。。

流石に時間が経ったかな。

どこからか羽毛が飛び出してる。
経年劣化は歪めないね。


とりあえず、コッヘルに水を入れてお湯を沸かす。

α米にお湯を注いで。。。

ザックに詰める。

これは歩きながら食べる。

それから
コーヒーを一杯入れる。

はぁ。。。

 

吐息が白い・・・
やっぱり寒いのは寒いのか。


あたたまる。

色々している間に、外が明るんできた。
着込んで車の外に出る。

寒いと思ったけど、そこまでじゃないな。

やっぱり、春だ。
多分すぐに暑くなるから、今寒くても最初からアウターシェルはザックにくくりつける。

スキー板を準備。
ブーツを履く。

荷物も全部パッキングしたし。。。

行こっか。

家の車のボンネットをパンパンと叩く。
行って来るね。

今日の荷物は11㎏

日帰りとしては、ちょっと重い。
2.5L水を持ってるしね。
今日の天候とルートなら雪崩の心配もないけれど。。。
一応、ビーコン、ゾンデ、スコップを持った。
上の状況も解らないので、スキーアイゼンに、普通の12本爪のアイゼンも持った。
ピッケルは流石に要らんと読んでる。
あと、山頂でラーメン食べたい。
コッヘルとバーナーも持った。
これで11㎏なら、まぁ良いじゃんね。

余裕。

最初は、ツアールートを登る。


今日はね、久しぶりに自分の為に登るんだ。
ここ数年は願掛けとか理由をつけて登ってた。
でも今日は、純粋に自分で登りたいと思ったから。

もう、長い事スキーを履いてなかった。
多分この日記を書きはじめてから、1度もスキーに行ってないんじゃないかな。

ゴタゴタ発覚前に妹夫婦と子供達と一緒にスキーに行ったのが最後だ。

いや。。。

元嫁が不倫してる日に子供達をスキーに連れて行ったな。

それで帰ったら様子がおかしくて気付いたんだっけ。

それが最後か。

そんな事も、既に忘却の彼方だったよ。
ほんと、変わったな。


うん、という事は・・・

5年はスキー板を履いてない。
滑れるんかな(笑

ツアーコースのゲレンデ部分を登るのは結構痺れる。
勾配がきつい。

 

振り返ると、日が昇る。

 

Good Morning世界!

 

まだ気温も上がらないので、スキーシールはよく効いてる。
だから結構歩けるね。
ただ。。。
久々すぎなのと、トレーニング不足。
遅い。
ドンドン抜かれるけど、気にしない。
自分のペースで行く。

 

 

 

そうそう、追記しておく。

Uさんに

 

「スキーで登るって、ハの字とか、カニ歩きで登るの?」


って言われた。

 

そうじゃない(笑

 

そんな面倒な登り方してたら、3日経っても山頂に着かないよ。

スキーで歩いて登るのです。

 

こんなものを使います。

(※参考に)

 

という事で、スキーを履いたまま歩いて登るんですよ。
だからブーツもビンディングも、ウォークモードと言う状態になる。
ブーツはワンタッチでかかとが良く動くようになり、ブーツを板に停めるビンディングは、前だけ稼働するようにくっつく感じで、かかとが浮くようになって歩ける状態になる。

滑るときは、全てがっつり固定される。

切り替える訳です。

 

さてさて、続き。

 

途中から、コースを外れて登る。


ここまで人がいっぱいいたけど、急に一人になって良い感じ。
樹林帯へ入った。
雪原の森を歩き、淡々と標高を稼ぐ。
一般コースは山頂まで北尾根を登るけど、

僕は南東から攻めて、東尾根を登るルートを選んだ。
樹林帯は足跡もほぼほぼ無いので、GPSを頼りに進む。

 

 

 

けど、あの見えてる山頂を目指せば良いんだよね。
雪だと、自由だ。

天候を見て、今日を選んで良かった。
目の前には3000m峰
あそこまで、スキーで登る。

 

 

やがて開けた雪原に出る。

 

 

ただ、あまりの天気の良さに雪も緩んできた。

少しザラメってきたね。

普通のアイゼンで歩くと、たまにズボズボと雪に埋まるけど、スキーで歩いてるからそんなことも無く快適。

 

 

いいね
ガシガシ登るよ!

 

サロモンのロッカー2
このスキー板は本来深雪用の割とFat(幅広)な板。
幅広の癖なのに、ちょっと硬めで。。。
割と硬質バーンにも対応できる、玄人好みな板。
当時のお話ね。

今は知らんけど。
板の特性が解っていれば、割とオールマイティって事。
その逆は、特異性が無いって事無なんだけど。。。

まぁ基本は、幅が広くて春スキーには向かないんだよね。。。
でも軽くてしなるから、一応滑れる。
 

 

 

一般ルートじゃないけど、あのコル(最低鞍部)を目指して上げてから、また右方向の尾根に取り付く。
このルンゼ(谷)に入るとき、スキーにクランポン(アイゼン)を装着した。
クランポンをつけると、登るのがすっごく楽になるな。
でも今日は暖かく、雪も程よいザラメ。
雪が緩んだ上に、斜度がきつくなると。。。

クランポンもシールも効きが甘くなってきた。
斜登行をするけど、キックターンの度に結構危ない。

 

後ろに流されそうになる。
滑ったら結構流されるよね~

 

 

 

 

しばらく登り続けて、標高2900m

あと標高100mちょいなんだけど。。。

ダメだ。
この斜面をスキーシールで登る自信が無い。

技量不足。

6年前ぐらいに師匠に連れられてこのルートを登った時は、鞭打たれて最後まで板を脱がずに登った。
でも今日はシールもクランポンも効きにくい、そして自分が怖いと感じている。

師匠が言うには

「スキーで登れない斜面は滑るべからず」

だから、とことんスキーのまま登行するんだけど。。。

師匠はテレマークスキーだしね。
僕はアルパインだし、申し訳ないけど小さい頃からスキーはやってる。
モーグルなのは苦手だけど、滑れない斜面はほぼほぼ無い。

拘り、やめよ。

安全一番。

さっくりスキー板を脱いでザックに貼りつける。
12本爪のアイゼンに変えて、後は直登。
こっちの方が安心だし速いんですが(笑

標高も高くなってきたので、雪面もそこそこ硬化してきて、アイゼンが良く刺さる。
さらにピッケルがあれば無敵だよね。
ストックは滑ったら止められない。
ウィペットがあればいいんかな。。。

という事で

 

ついた!

居合わせた人に撮って貰った。

 


久々に雪の3000m峰だよ。
緩いけど5時間半もかかってしまった。

でも、満足だ。
ただ登るためだけに、登りたかった。

山頂で写真を撮ったら、息子とUさんにLINEする。
息子は速攻で返事来る。

「山?バックカントリースキー?どこ?」

はは、まだ山に興味はあるのか(笑
と言うか、スキーの方に興味ありそうだね。
いきなり質問攻めになる。

息子のLINEに答えながら、山頂から少し下げる。
風が強いから、避けるために岩の影で昼食にする。
今日の目標ふたつ目。

山頂でラーメンを食べる。
このためにバーナーとガスとコッヘルと水を上げたんだ。
出発するまで悩んだ。
要らないんじゃない?って。
これ抜くだけで、荷物は2㎏は軽くなるよね。。。

でも、上げた。

という事で、絶景のラーメン頂きます。

 

 

うんま

なんで山で食べると、カップラでもなんでも美味しいんだろうね。
不思議。
しばらく景色を眺める。

 

 

少し大気が霞んでるけど、概ね綺麗。
でも、雪が薄いな。

 

4月半ばだと言うのに、GWのような雪のつき方。
年々雪の量が減るね。
ただの気候変動の周期なのか、それともホントに温暖化なのか。
そんなん、わからんよね。

はぁ。。。

それにしても、奇麗だ。
今日、やっぱり山に来て良かった。
楽しいな、山。
登ってる時は、なんでこんな辛い思いして登ってるんだろう?って毎度毎度思う。
でも、山頂に来ると全部すっ飛ぶんだよね。
そして、下山して振り返ると、また来ようって思う。

もうね、アホかと。

でもまぁ、やっぱり好きなんだろうな。

息子と一緒に始めた山だったけど。
今では一人になっちゃったな。
でも、大丈夫。
息子に子供ができた時、きっと彼はまた山に帰ってくる。
そんな気がする。

また、一緒に歩けるといいな。

空がどこまでも高く蒼い。
あの空の向こうは、宇宙だ。
境目なんか、無い。

たったの100㎞
横方向なら、歩いても3日もあれば辿り着ける距離。
なのに、上方向になった瞬間に、果てしなく遠い。
所詮人類なんて、重力の奴隷だ。

なーに、あと1000年もすれば。
ぐっと近くなってるか・・・
もっと果てしなく遠くなってるか・・・

どっちかだね。
僕の知る由では無さそう。

ただただ、あの蒼い空が今の僕の気分だ。
どこまでも深く広く、澄んでる。
もう、大丈夫だよ。

はは
なんだかよく分からないけど
今は清々しい。


さて、ゆっくりした。

帰ろっか。

スキーシールとクランポンを板から外す。
アイゼンも収納し、ザックに再パッキング。
ヘルメットを装備して、ゴーグルにする。

雪面に板を少しこすりつける。
シールのベタベタ感が残るからね。

軽くかかと側だけジャンプ。
イイネ、板が軽い!

おーし、行くか!

ふと見ると、50mほど先に、もう一人飛び込み体制の人が居る。
暗黙のルールみたいなサインを送って、先に行って貰う。

なんせこっちはスキー5年振りで、いきなりトップから落ちるので。

初手で転んで流されたら、けっこうハズい。

先行の人、ドロップイン。
カッコいいな~。

やっぱり雪面は結構なザラメだね。
緩いから行けそう。

続いて、僕もドロップイン!

3000mから滑るスキー、最高!


でも久々すぎるので、ちょいちょい止まって確かめながら行く。

誰も滑ってない斜面を目指して東尾根を回りこむ。
それを確認するために、今日は東面尾根から来たわけだしね。

 

 

左に伸びるシュプール、自分のラインしかない。
最高に気持ち良い~♪

下を見ると、さっきの先行者と2人のボーダー。
あー、そこ狙ってたのに。
先に行かれた。
誰も滑ってない斜面だったから行くつもりだった。

ま、いっか。

後を追いかけて、ヒルトップへ。
ボーダーと先行者が遥か下に見える。
いいね~。

僕も飛び込む。

 

 

あは、最高!

 

 

立ち止まって、振り返る。
うんうん、奇麗に滑れてる。
足元から続いてるラインね。

はー

一気に山頂から700m標高を落としてきたよ。

たったの10分ほどで。

 

良い感じ。
これを知ってしまうと、ゲレンデで滑る気が無くなるんだよね~。

特に真冬の新雪、腰までつかるパウダーを覚えると・・・
もうゲレンデを滑る気は無くなると思う。
リフトに乗って滑る何十本より、自分の足で登って滑る一本の方が気持ち良い。
なにより、作られたコースじゃないしね。
自分で読んで、自分で落ちて行く。
もう、ゲレンデには帰れない。
たまには行くけどね。


でも、息子を連れてよくスキーには行ったな。
普通のスキーに飽きて、スノースクートやテレマークを買ったり、たまにはボードやったり。
色々したけどやっぱりスキーが一番足に馴染む。

でも、運動不足。

足がガクガク。
少し休む。
ここから先は雪解けも進み、少し雪面が洗濯板状になってて滑りにくい。
足も痛いしね。

しばらく他の人の滑りを眺めてたり。
いいね、みんな楽しそう。
テレマーク、上手くなりたいな。。。
テレマークは上手く滑れない。
何度も前転して諦めてる。
感覚が合わないっぽい。

程よく休んだ所で、帰る。

ココから先は、ツアーコースを通りたくない。
登りの人の足跡で雪面がかなり酷い。

 

 


ので、樹林帯と沢を滑走して行く。
たまにGPSで位置を確認。
沢越えの場所は気を使う。
場所が悪いとハマるので。

でも、結局最後の沢は板を脱いで5mだけ登る。
これがまたしんどい(笑

あとはもう、ツアーコースをダラダラと滑る。

やっと一番下に到着。
13時か。。。

登り5時間半。
下り1時間。
スキーの機動性よ。
もともとスキーは、雪山のツアー道具だしね。

滑るための道具じゃない。
移動の為の道具だ。

 

お疲れちゃん。

写真で見ると、板が短く見えるけど。。。
幅が広いからね。
板自身は180ほどある。
僕の身長より長い板。

ストックの長さは120に調整してある。

太くて長いけど、軽い板。

車まで板を運んで、ブーツを脱ぐ。
この瞬間がたまらん。

 

足がフワッと軽くなる(笑


雪を払い、日に当ててしばらく乾燥させる。
それにしてもあっつい。
山の上なのに、半袖短パンになる。

荷物を展開して、車の中に片づける。
その間に、色々検索。
予定より早く降りてきてしまった。

今夜も車中泊して、くるりと回る予定だったけど。。。
今日、全部消化できそうだね。

おっし、行くか。

とりあえず少し下った所にある温泉に入る。
とりあえず汗臭い体を良く洗う。
乳白色で硫黄の香りがプンプンする温泉。
気持ち良い。
露天風呂から、さっきの山頂が見える。

不思議。
ついさっきまで。
1時間半前にはあそこに居たのか。

日が南中を越え、残雪の山肌が銀嶺に輝く。
綺麗だな。
この時間が一番綺麗に見えるのか。
もう少し遅く登れば良かったかな。
でも、雪がザクザク過ぎてどうにもならないだろうな~
やはり、ある程度締まってる時間に登りたいし、滑りたい。

風呂から出て、施設の外にあるベンチに座る。
自販機でコーラ買って。。。

そよ風が気持ち良い。
花粉さえ無ければ。

あまりの気持ち良さに寝そう。

少しウトウトしたけど、奮起する。
今日、スケジュールをこなそう。

まずはお腹空いた!
さっきラーメン食べたけど、ラーメン食べに行く(笑

街まで降りて。。。
この街には好きな家系ラーメン屋がある。
そこまで走った。

時間も15時回って微妙なので、そこそこ空いてた。
食券買って、座る。

少し待って
着丼。

 
 

んー、たまらん。
濃い味が、疲れた体に浸み込むよ。
美味し♪

久しぶりだな、ここも。
最後に来たのは。。。
息子と一緒に山の帰りに食べたかな。
覚えてないや。

んまかった。

おーし。
行くか。

それからさらに車を走らせる。
ホントは、このあたりの道の駅で車中泊する予定だったけど。。。

淡々と車を走らせた。
幹線国道を走っていたけど後ろにミニパトがいるし、法定速度でのんびり。
でもミニパトは、途中でサイレン慣らしてカッ飛んで行った。

しばらくすると、事故渋滞。
さっきのミニパトおる。

 


何事かと思ったら、プリウスが壁に突っ込んでる。
他に事故った車も無いから単独か。
やっぱアイツミサイルだな。

あー。。。
左前、無くなってるね。
モーターとインバーター側の破損か。
メインブレーカー落とさないと、怖くて触れんな。

レッカー屋、大変そう。
 

とりあえずさっきの警察が交通誘導してる状態。
救急車が来てないって事は、けが人は居ないんかな?
不幸中の幸いか。

事故現場も抜け、さらに車を走らせる。

17時。

現地着。

 

・・・


車を降りて、高台まで階段を登る。

足痛い。。。

開けた斜面に、彼は居る。


今年も来たよ。

5分ほど、返事の無い会話を一方的にする。
去年はいい報告が出来たけど、今年は少し暗いかな。
プロジェクトが、上手くいかなさそう。
でも、また変わるさ。

君が居なくなって、19年。
来年で20年になるのか。
来年は仲間を呼んで、みんなで何かしたいね。

いつも通り、5分ほどの会話。
一方通行の。

帰ろうと振り返ると、高台から見える景色には、あっちこっちに桜がいっぱい見える。
そっか、今年は桜が奇麗に見えるのか。
ありがとう。
また来年、来るね。

 

一年に一度の。
5分の面会。



その場を去った。

さーて。。。

帰るか。

疲れたな、眠い。
車を走らせる。
途中で寝れるなら寝ちゃっても良かったんだけど。
結局帰れた。

帰宅すると、20時を回ってた。

とりあえず、荷物を全部下ろして展開。
くっさい服は全部洗濯機にポイポイ。

あとは道具。
明日乾燥させるものはベランダ近くへ。
スキーシールも室内で乾かさないと。

おーし、飲もう!

夕方ラーメン食べたし、もう主食はいいや。
肉が食べたい。

冷凍していた豚肉のステーキを解凍。
玉子を閉じて炒めて。

つまみにする。

ビール開ける。

かーっ

んまい!

最高か!


後はPC立ち上げて、日記書いて。。。
飲んで酔う。


ふとトイレに立ち上がると、全身が痛い。
車降りる時に思ったけど。。。
やっぱり筋肉痛が始まったか。
明日の朝は、動けないかもな。

24時ごろ、横になった。


おやすみ、子供達

おやすみ、Uさん